「テスラ」は世界中で快進撃を続けている。日本の街では、日産「リーフ」を見掛けない日はない。EV市場は徐々にだが確実に、活況を呈しつつある。ヨーロッパでは環境への負荷が低いEVがコミューターとしての地位を高めつつあり、スタートアップ企業が様々なプロトタイプ・モデルを発表している。
ところがそんなEV市場で唯一、未開拓のジャンルがある。それはライトウェイト・スポーツだ。これまでのところ、既存メーカーからはもちろん、スタートアップ企業からも、魅力的なEVライトウェイト・スポーツはリリースされていなかった。今回は、この不毛のジャンルに果敢に挑戦した1台、「キブルツeRod」をご紹介しよう。
スイス生まれの「e Rod」
eRodを製造するのは、1991年にスイスで創業を開始したEV専門メーカー「キブルツ」。日本では殆んど知られていないが、スイス郵便局で正式採用されている三輪EVスクーターを主力製品としつつ、高齢者用の三輪EVスクーターを製造販売しているメーカーだ。
そんな「キブルツ」が魅力的なモデル「eRod」でライトウェイト・スポーツに打って出た。ご覧のとおり「スーパー7」もかくや、というアグレッシブなエクステリアだが、しっかりと公道走行が可能な仕様とされている。現在のところ「eRod」は3グレードが用意されており、最上級グレード「eRod レース」は車両重量が約650kg、最高出力150kW、最大トルク305Nmと、EVライトウェイト・スポーツと呼ぶに相応しいスペックを有している。最高速度こそ140km/hと控え目ながら航続距離は220kmと、何とか実用にも耐えうるレベルに達している。
スポーツカーに相応しく、ホイールには鍛造アルミを奢っており、バケットシートに4点式シートベルトを標準装備。パワートレインはスイス・メーカー「ブルサ」製品で固めており、バッテリー容量は39kWh(「ファン」は10kWh、日産「リーフ」は30kWh)と大容量なのだ。
この魅力的なEVライトウェイト・スポーツカー「eRod」。スタンダード・モデルの「ファン」が3万6,000スイスフラン(約400万円)、コチラの「ハードトップ」が4万1,900スイスフラン(約475万円)、そして最上級グレードの「レース」は10万7,000スイスフラン(1,200万円)となっている。
「キブルツ」によると、これまでに20台の「eRod」を製造しており、ほぼ完売状態であるという。決して安価ではないが、市場で唯一のEVライトウェイト・スポーツカーであることから確かな需要があるという。20台という数字は少なく感じるかも知れないが、「キブルツ」は創業以来の累計生産台数が約11,000台という中小企業。そのため同社では、この20台を順調な受注状況と捉えているそうだ。
新しいEVライトウェイト・スポーツというジャンルに果敢に挑戦する「eRod」、今後は、どのように進化して行くのだろうか?
写真提供:Kyburz https://kyburz-switzerland.ch/en/erod
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EVライトウェイト・スポーツ!
スイス生まれの「e Rod」は電気自動車の新しいカタチ!
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