クルマと通信の巨人が協力体制を構築 トヨタとNTTがICT基盤の研究開発で協業

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3月27日、トヨタ自動車とNTTは、トヨタが保有する「自動車に関する技術」とNTTグループ各社が保有する「ICTに関する技術」を組み合わせて、コネクティッドカー分野での技術開発・技術検証および、それらの標準化を目的に協業を行うことに合意した。

 

2018年に実証実験を実施

 

トヨタとNTTグループは、各社が持つ技術やノウハウを共有。クルマから得られるビッグデータを活用することによって、事故や渋滞といった社会が直面しているさまざまな課題の解決や、ユーザーへの新たなモビリティサービスの提供に必要となる技術の研究開発に共に取り組むことで、将来の持続可能なスマートモビリティ社会の実現をグローバルな視点を持って目指していく。

 

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※写真はすべてイメージ

 

対象分野は4つ。ひとつめは「データ収集・蓄積・分析基盤」で、多数のクルマから大量に受信する車両情報などの収集・蓄積や大容量データの配信、収集した大量データのリアルタイムな分析処理を実現する基盤を構築・運用するための技術の創出。

 

ふたつめは「IoTネットワーク・データセンター」で、クルマのユースケースを想定した大容量データを確実かつ社会に集配信するための、グローバルインフラのネットワークトポロジーやデータセンターの最適配置などの検討。

 

3つめは、「次世代通信技術(5G、エッジコンピューティング)」で、クルマのユースケースにおける最適な移動通信システムのあり方の検討や接続検証を通じた、5Gの自動車向け標準化の推進、エッジコンピューティング技術の適用性の検証。

 

そして4つめが「エージェント」で、AI(人工知能)を活用した車内外の環境理解による運転アドバイスや音声インタラクション技術等の組み合わせによる、ドライバーに快適なサービスを提供するための技術の開発。

 

この協業において、各社の役割はこうだ。トヨタは、自動車のユースケースにおける知見と、車両側のデータの要件に基づき、モビリティサービスの価値創造を目指したコネクティッドカー向けのICT基盤の研究開発を担当。

 

NTTデータは、社会インフラ構築実績と設計力、技術力と戦略的に強化中のグローバル対応力、また、30年にわたる大規模データの高度数理分析・解析と経験を活かし、データ収集・蓄積・分析基盤に関する技術を創出する。

 

NTTコミュニケーションズは、グローバルに展開するICTサービス(Tier1、IPバックボーン、VPNやデータセンター)を活用し、IoTに最適な次世代グローバルインフラを創出する。

 

NTTドコモは、次世代の移動通信システム「5G」の標準化牽引ならびに高度な研究・技術開発の実績を活用し、5Gの自動車向けの標準化を推進するとともに、5G移動通信システムの実証実験を先導する。

 

NTTは、エッジコンピューティング技術の研究開発、国際標準化活動の推進のほか、NTTグループのAI技術「corevo」の知見を活かした運転アドバイスや音声インタラクション技術等の研究開発を担当する。

 

今後の展開としては、コネクティッドカー分野における代表的なサービス実現可能性やサービス性の評価のために、2018年に実証実験を実施する見通しとなっている。

 

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