圧倒的な質感の高さで迫って来る
同様にインテリアも、乗り込んだ瞬間から“いいクルマ感”が濃密だ。外観と同様、横一文字にエアダクトを配したシンプルな造形は、高いクオリティあってのもの。滑らかなナパレザーを用いたシートも、ソフトな表皮がしなやかに身体を包み込み、満足感は高い。しかもヒーターに加えてベンチレーション、マッサージ機能まで備えるのだ。なお、TSIエレガンスラインのシート地は、こちらも上質なレザーとアルカンターラの組み合わせとなる。
高いクオリティの追求は、あるいは冷たい印象を与える場合もあるかもしれない。しかしパサートの内外装に触れると、むしろ質の高さこそが圧倒させ、嘆息させる要素になっていると感じる。まさにその時、エモーションがかき立てられているのである。
▲シートは形状こそ変更はないものの、座面と背もたれ部分をアルカンターラに、その他をレザー製とし高級感をアップさせるとともにスポーティさも演出。大きめのサイズとサイド部の適度な張り出しにより、座り心地、サポート性とも良好だ。
一方、使う歓びを増幅させる技術にも注力されている。ハイラインには新たに12.3インチ大型ディスプレイを用いたデジタルメータークラスターのアクティブインフォディスプレイや、駐車支援システム、アラウンドビューカメラ、ダイナミックライトアシスト、さらに電子制御デファレンシャルロックをセットにした“テクノロジーパッケージ”が設定された。
▲エレガンスラインのコクピットは、水平基調の落ち着いた雰囲気はそのままに、アルミのデコラティブパネルやピアノブラックのコンソール等の採用で、質感がいっそう高められた。インフォテイメントシステムも一新。
またインフォテイメントシステムのディスカバー・プロにも、テレマティクス機能が新たに追加されている。オンラインVICSやオンライン検索に対応し、Google earthやストリートビューも活用できる。またガソリンスタンドや駐車場、天気などの情報のリアルタイム入手もできるなど、豊富な機能を誇る。
こうしたハイテク装備、テレマティクスは、いまやクルマ選びの基準として外せないものになっている。今回の進化でパサートは、同クラスの輸入車の中で、もっとも充実した内容を揃えることになったと評していいだろう。
▲ラゲッジスペースは、容量こそセダン586Lに対しヴァリアント650Lとヴァリアントに分があるが、セダンも通常サイズのゴルフバックを4個積載可能でトランクスルー機能も備わるなど、使い勝手は良好だ。
■便利なモバイルオンラインサービス
VolkswagenCar-Netを搭載
モバイルオンラインサービスの「VolkswagenCar-Net」には、最新のインフォテイメントシステムである「Discover Pro」をスマートフォンなどの通信機器と接続し、通信を行なうことで天気予報などの情報を入手したり、Google Street Viewを表示することが可能なテレマティクス機能「Guide & Inform」や、Apple CarPlay、Android Autoに対応するコネクティビティ機能の「App-Connect」が用意される。