【トヨタ・スポーツ】「よろしくメカドック」でお馴染み「セリカXX」は「ロータス」が チューニングしていた!?

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新発売のムック「トヨタ・スポーツ」は、トヨタのスポーツカーやモータースポーツの魅力を1冊に凝縮した完全保存版だ。ここでは、そのコンテンツから「よろしくメカドック」でお馴染み「セリカXX」を試乗したレポートをチラ見してみよう。

【写真13枚】極上! 美しい「セリカXX」の内外装をチェックしてみる

1981年7月、2代目セリカXXがデビューした。同年2月に登場した初代ソアラと兄弟車になり、ラグジュアリーなソアラに対し、リトラクタブルヘッドライトなどでスポーティさをアピールしていた。ここでご紹介するのは1983年に登場した後期モデル。森口将之が、1G-GEU型2リッター6気筒を現代の目線で味わう。

1960年代に入って花開いた日本のスポーツカーが、大気汚染という問題を突きつけられた1970年代に入って、一気に萎んでしまったことは、読者の皆さんもご存知だろう。トヨタとて例外ではなく、トヨタ・スポーツ800と2000GTという2台のスポーツカーが、1969年から1970年にかけて続けて生産終了となっている。しかし1970年代も後半になると、排出ガス対策がひと段落したこともあり、再びスポーツカーが名乗りを上げはじめた。トヨタにおけるこの時代の代表格が、ここで紹介する2代目セリカXXだった。

セリカXXそのものは、1978年に初代がデビューしていた。2代目セリカのリフトバックをベースとして、直列4気筒エンジンを6気筒に積み替え、それに合わせてホイールベースと全長を伸ばしたものだ。昔も今も日本車の最大の海外マーケットである北米では当時、日産フェアレディZが人気を得ており、対抗馬という位置付けもあったようだ。しかしこのときは、2リッターのほかに2.6リッターを積んでいたものの、クラウンと基本的に同じSOHCだったこともあり、ラグジュアリーカー的な性格だった。マイナーチェンジで2.6リッターが2.8リッターにスイッチして、路線は不変だった。

同時期に登場したソアラとは違うイメージ戦略

それが2代目になってスポーツイメージを一気に高めてきたのは、同じ1981年に登場したソアラがラグジュアリー路線を継承したことが大きい。先に発売されたソアラとともに搭載されたツインカム2.8リッターも、キャラクターを強調させることになった。スタイリングも一新。同時にモデルチェンジした4気筒セリカのリフトバックをベースに、ノーズを伸ばすという手法は継承しつつ、先端にはトヨタ2000GT以来となるリトラクタブルヘッドランプ(4気筒は当初ポップアップ式)が備えられた。先代からスープラを名乗っていた北米仕様はさらに顕著で、オーバーフェンダーとワイドタイヤを装着した仕様も用意されたほどだ。

ボディサイズは、全長は4600mmから4660mmに延長された一方、ホイールベースは2630mmから2615mmに縮めており、1650mmから1685mmへとワイド化された全幅ともども、スポーツカー的なディメンションになっていた。広告にはロータスの創業者であり代表のコーリン・チャップマンを起用した。実際にフロントがマクファーソンストラット、リアがセミトレーリングアームのサスペンションは、ロータスがチューニングを担当したと言われていた。トヨタとロータスの関係はその後も続き、翌年にはトヨタのコンポーネンツを用いたロータス・エクセルが登場。1983年にはトヨタがロータスに資本参加しており、ハイラクスサーフやランドクルーザー70のFRPシェルの技術協力を受けた。資本提携はゼネラルモーターズがロータスを買収する1986年までとなったものの、その後もエスプリのリアコンビランプ、エリーゼのエンジンなど、関係が続いていることはご存知のとおりだ。

2L直6DOHC24バルブ、2000GTの追加

セリカXXのスポーツ指向は続く1982年、さらに拍車がかかる。今回の取材車でもある、2リッター直列6気筒DOHC24バルブを積んだ2000GTの追加だ。2.8GTのエンジンは、2代目クラウンの途中で投入されたM型を起源とする5M-GEUで、DOHCではあったが12バルブであるなど古さが目立っていた。こうした状況に対応して開発されたのが、1980年にマークⅡ/チェイサー/クレスタの三兄弟にまず搭載されたG型で、当初はSOHC12バルブのみだったが2年後にツインカム24バルブを投入。1G – G E Uと呼ばれるそのパワーユニットの最高出力は160p s /6400r.p.m .で、2800G Tの170ps/5600r.p.m.に肉薄していたうえに、発生回転数の違いが世代の差を感じさせた。

まさかその1G-GEUを積む2代目セリカXXに、2022年に乗る機会が訪れようとは思わなかった。本書の存在にまず感謝である。

試乗レポートの続きは「トヨタ・スポーツ」本誌にてお楽しみください。

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スクランブル・アーカイブ トヨタ・スポーツ

【CONTENTS/掲載全内容】
●Prologue
巻頭言:トヨタとはスポーツカーの名プロデューサーである
年表:スポーツブランド”GR”に至るまでの系譜
表紙のクルマ:セリカGT-FOUR1995年サファリ・ラリー・バージョン
●New Cars
GRカローラ:”モリゾウ”の名を冠した究極のカローラが登場
GR86:ハチロクの聖地で考える”86とは”
GRスープラ:近くに見えて遠い境地
GRヤリス:3車3様に見るヤリスの多様性
コペンGRスポーツ:似た境遇を持つ”国産”オープンスポーツ
カタログ:新車で買えるGRのスポーツカーたち
●Heritage Cars
コラム:トヨタ・ツインカムの時代
2000GT:日本の誇りを世界に示す時
オーナーヒストリー:目黒通りの2000GT
スポーツ800:軽さがもたらすスポーツ性とは
1600GT:トヨタ・ツインカム第二章
セリカLB:ファストバッククーペの逆襲
スプリンター・トレノ:トヨタ・ツインカム帝国拡大へ
セリカXX:儀式や注釈なしに楽しめる国産スポーツ
イラスト:ヤングタイマーなトヨタのスポーツモデルたち
コラム:ソアラがなければLFAもなかった
●Motor Sports
WEC:世界耐久選手権を次世代へ繋いだ孤高の挑戦者
WRC:母国開催ラリーのポディウムを目指して
ヒストリー:モータースポーツの系譜
●Life with Toyota Sports
フォトグラファー神村さんのMR2人生
9台を所有してきた渡辺さんのヨタハチ人生
KP61スターレットでパリダカに挑んだ日本人たちの記録
モデルカーで辿るトヨタGTマシンの変遷
あなたのトヨタ・スポーツ愛、語ってください!
●And More
編集後記/スタッフリスト/読者プレゼント
自動車画家Bowさんの表紙画の世界
スクランブル・アーカイブ・シリーズのお知らせ

タイトル:スクランブル・アーカイブ トヨタ・スポーツ
定価:1,980円(本体1,800円/税10%
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text:Masayuki MORIGUCHI(森口将之)photo:Satoshi KAMIMURA(神村 聖)

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2023/01/06 15:00

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