高性能バージョンも新設定
レクサスは、米国で開催中の2019年北米国際自動車ショー(デトロイトショー)でマイナーチェンジした「RC F」を世界初公開した。この新型RC Fの日本での発売は、2019年5月を予定している。
“F”は2007年の「IS F」発売以降、レクサスにおける高性能モデルのラインナップとして君臨。レクサスのスポーツイメージや、運動性能の進化をけん引してきた。
新型RC Fは、持ち味の優れたパフォーマンスを絶え間なく進化させることを目指し、軽量化や空力性能のほかパワートレイン、タイヤ、サスペンションなど、あらゆる点でアップデートを実施。常用域での軽快な走りと、限界域における優れた操縦安定性を実現している。
また、“F”の高性能と進化への挑戦を象徴する「パフォーマンス・パッケージ”」が新設定されたこともトピックのひとつだ。日本のスーパーGTや米国のデイトナ24時間レースなど、モータースポーツで培った技術を応用。より高い字次元の運動性能を実現したほか、専用インテリアカラーやオーナメントパネルなどで独自性も際立たせている。
具体的な進化のポイントだが、まず新型では運動性能向上を狙い車両重量の低減化を敢行。従来型比で20kgの軽量化を実現した。また、限界領域でのコントロール性向上を目的にトレッドパターン一本一本のコンパウンド材質にまでこだわったタイヤを新開発。サーキット走行などにおいても、優れた操縦安定性を発揮する。
搭載する5リッターV8ユニットは、自然吸気エンジンならではのリニアな加速フィーリングを際立たせるためエアクリーナー形状変更による吸気性能向上と、スロットル制御の改良によりアクセルレスポンスが向上。加えてディファレンシャルのローギア化を図ることで、サーキット走行におけるアクセルでの車両コントロール性を向上させている。ちなみに北米仕様の最高出力は472hp/7100rpm。最大トルクは535Nm/4800rpmと発表された。従来型の日本仕様はそれぞれ477㎰/7100rpmと530Nm/4800~5600rpmだから数値上の違いは少ないが、同じ北米仕様同士だと従来型比で5hpと8Nmの向上となる。
エクステリアには、レースで培われた空力デバイスや形状を最大限スタイリングに織り込んだ造形を採用。具体的には、フロントバンパーコーナーにカナード形状を取り入れてダウンフォースを向上させたほか、サイドのロッカーモール後端にアンダーカット形状を設けてリアタイヤ周辺の乱気流を抑制するなど、空力性能の向上を目的としつつも“F”としての独自性を狙ったデザインに仕上げられた。
さらに、前後ホイールハウスにダクトを設けることでホイールハウス内に溜まった空気の圧力を低減。これは最適なコーナリング姿勢や、ステアリングの応答性向上に寄与する。このほか、駆動系では発進時のタイヤ空転を防ぐローンチコントロールを採用。スポーツ走行における鋭いスタートダッシュを実現している。
そして“F”の決定版的な存在になるというパフォーマンス・パッケージではエンジンフード、ルーフ、フロントスポイラーなどの外装部品やブレースにCFRPを採用。それにカーボンセラミックブレーキやチタンマフラー、軽量アルミホイールなどを組み合わせることで従来型比で70kgもの軽量化を実現して運動性能がアップしている。加えて専用のカーボンリアウイング(固定式)を採用。標準仕様に採用されるアクティブリアウイング以上のハイダウンフォースとロードラッグ化を達成したことで高速走行時の安定性と高速域の伸び感を両立している。
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