4月19日、北米トヨタはFC(燃料電池)技術の大型商用車への応用可能性を検証するため、今夏より米カリフォルニア州ロサンゼルス港で、FCシステムを搭載した大型商用トラックの実証実験を開始すると発表。実証実験に使用するFC大型商用トラックを公表した。
ミライ用FCスタックを搭載
この実証実験は、FC技術の応用拡大に向けた取り組みであるとともに、カリフォルニア州の港湾における環境対策への貢献の一環でもある。2006年に策定された「港湾大気浄化行動計画(Ports Clean Air Plan)」を通じて、ロングビーチ港やロサンゼルス港は大気汚染物質の削減に取り組んできたが、今でも大気汚染物質の多くは大型商用トラックから排出されているという課題を残している。トヨタとしては、FC技術応用を通じてこの課題を解決し、さらなる環境改善に貢献することも目指していく構えだ。
この実証実験で使用するFC大型商用トラックは、ミライのFCスタック(発電機)2基と12kWhの駆動用バッテリーを搭載することで、約500kW(約670ps)の出力と約1800Nmのトルクを発生。貨物を含めて総重量約36トンでの走行を可能にした。通常運行における推定航続距離は、満充填時で約320㎞と見込まれている。なお、公開された動画の中には従来のディーゼルエンジン搭載車との加速を比較するもの(下記)もあり、FC仕様車が単に環境対応だけではないことが確認できる。
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