トヨタ2000GTと同様の作りで非の打ち所のない秀作
今回は、テクノ(KIRK)No.935ポルシェ911Sのご紹介です。テクノの900番台の品番としてはラストモデルとなります。資料によると1966年型を1968年から製造したようですが、テクノからKIRK(カーク)ブランドにて生産が継承され1972年頃まで製造されたようです。
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ミニカーは、テクノのボックスにて販売されましたが、シャシーはKIRKのロゴになっています。今までにカーク・ブランドのボックスは見たことがなく、恐らくすべてテクノのボックスにて販売されたのではないでしょうか。但し、以前「モデルプロダクツ」のブランド名のボックスに入ったカーク・ブランドのトヨタ2000GTを所有していたことがありました。
また、ポルシェのシャシーがテクノ製のものは未だかつて見たことはありません。このミニカーは当時から我が国に正規輸入され、赤いボディカラーとマスタードイエローの2種類のカラー・バリエーションが存在します。
ミニカーの作りは、同社のトヨタ2000GTと同様で、非の打ち所のない秀作です。素晴らしいプロポーションながら、トランクフード、左右ドア、エンジン・フードが開閉し、前後サスペンション、ステアリング操舵機構、シートのスライド&リクライニング機構、ダイキャスト製のエンジンにプラスチック製補記類によるリアルな再現がされています。
テクノの操舵機構は、実車に忠実にフロントタイヤが深く切れ込む方式でリアル感を増すと共に実際に小回りの利く作用があります(実際にこの歳で走らせては遊びませんが…)。
また、ラストの頃の同社800番台のミニカーには、バンパーやラジエターグリル等にメッキされたプラスチック製パーツが多用されるようになりましたが、幸運にもこのミニカーにはプラスチックではなく、ダイヤカットガラスのヘッドライトのリム、前述の左右のダクトとスモールライト一体パーツ、リアのオーバーライダーと一体のテールランプ等にダイキャスト製の別パーツが奢られています。
個人的希望を述べさせて貰えるなら、シルバーメタリックやアイボリー等のボディカラーを製造してくれたならもっと嬉しかったことと思います。私の知る限り殆ど売りに出るミニカーはマスタードイエローで赤の方は比較的少数だったと思います。
当時製造されたナローポルシェの名作ですので、絶版ショップ等にて見つけたら、是非手にとって鑑賞して頂きたいミニカーです。
この記事を書いた人
モデル・カーズ 「丸餅博士のヴィンテージ・ミニカー天国」並びにRM MODELS 「TRAM&CARS」に執筆中。愛車は1987年から所有している丸餅(’71 FIAT500L改)と1999年から使用している’91 メルセデス・ベンツ300E-24 (W124-031)。ヌォーヴァ・チンクエチェントと50年以上コレクションし続けているミニカーの啓蒙と伝道が使命。
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