気軽に乗れるクルマは多くあるけれど、目的地まで楽しくドライブが出来るクルマは意外と少ない。キーを捻ればすぐに走り出し、どうせ乗るのであればちょっと捻りのあるセンスの良さも欲しい。そんなお題に本誌元編集長がセレクトしたクルマはこの2台だった。後編ではルノー・ルーテシアRSをピックアップ!
ベスト・ハンドリングの異名を持つ実力派
ルーテシア3のRSはどうかといえば、こちらはスニーカーというよりランニングシューズというのが相応しいかも知れない。2006年から2009年までが197PS、2010年は202PSの2L直4自然吸気エンジンと、スポーツ系の技術者集団であるルノー・スポール謹製のシャシーの組み合わせは、ナメた感じでこちらを見下してる純スポーツカーを峠で追い回せるぐらいの速さを持ってるからだ。シャシーなんてかの時代にはFWDのベスト・ハンドリングといわれたほどで、代替わりして久しい今になっても、その実力を侮ることなんてできやしない。といってカリカリにイキってるタイプというわけでもなく、そのチカラをゆとりに置き換えて高速道路を穏やかにクルージングすることだって難なくこなしてくれる。乗り心地もこのクラスにしては相当に快適な部類だ。ルーテシアRS系は歴代の全てが、そうした万能選手なのである。
【写真】ベスト・ハンドリングの異名を持つ実力派『ルーテシアRS』の詳細を写真で見る
そんな中でルーテシア3を選んでいるのは、まずは6速のマニュアル・トランスミッションであること。この+αの“ここがいいよね”については、クドクドと説明する必要などないだろう。単純に楽しいから、なのだ。それにスタイリングがいい感じに地味で、あまり人目を惹かないというのも気に入ってる。今回の試乗車のような控えめなカラーだとさらにいい……というかバッチリ好みだ。出自を隠せない独特の雰囲気こそあるものの、ワル目立ちはしない。そうあって欲しいタイミングというのは意外や多くあるものなのだ。オトナだからね……オヤジだけど。
ともあれ、ロングを走ることが多く、峠に出入りすることも頻繁にある今の僕のライフスタイルを考えると、最もすんなりそこに当て嵌まっちゃうのがルーテシア3 RSなのかも知れない。
……やばい。真剣に悩みはじめてる。だから困るのだ、こういう企画って。
【Specification】ルノー・ルーテシアR.S.
■全長×全幅×全高:4020×1770×1485mm
■ホイールベース:2585mm
■トレッド(F/R):1520/1520mm
■車両重量:1240kg
■エンジン:直列4気筒DOHC
■総排気量:1998cc
■最高出力:202PS/7100 rpm
■最大トルク:21.9kg-m/5400rpm
■サスペンション(F/ R ):ストラット/トレーリングアーム
■タイヤ(F&R):215/45R17
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