クルマ好きには堪らない! ミュンヘンに今春オープンした「MOTOR WORLD」に潜入【池ノ内ミドリのジャーマン日記】

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クラシックカーから往年のレーシングカーまで一日中楽しめるスペース

冷たく澄んだ空気にクリスマスの輝くイルミネーションが映える季節になりましたね。こちらドイツのミュンヘンでは11月26日に初雪が降り、ぐっと冷え込んできました。ここ暫くは暖冬で、12月に入っても全く雪が降らない年も続きましたので、久々に少し早い初雪でした。
私は真冬にも愛車のカブリオレの屋根を開けて、お天気の良い日には、青空の下の白銀のミュンヘンを走るのを楽しみにしているのですが、まだそこまで積もる事がないので楽しみはもう少し取っておきましょう。日本の北国にお住まいの方はご理解いただけるかと思うのですが、こちらミュンヘンでも冬場の日照時間が非常に少なく、一日中どんよりと薄暗いグレーな一日を過ごす日々で、少しでも晴れた日は非常に貴重なのです。ですから、幾ら外が寒くても、晴れた日にはカフェの外のテラス席で日光に当たりながらコーヒーを飲む人も多くいるんですよ。

さて、気温はマイナスになっても、日頃はなるべく市内はママチャリに乗りデブ解消に努める私ですが、一向に体重が減る気配は全くありません(笑)。この日は買い物途中にふと思い立って急遽方向転換をし、『MOTOR WORLD』へ向かいました!

ドイツ国内に7店舗、他にはスペインとスイス、建設中のルクセンブルグと、どんどん増えている『MOTOR WOLRD』。特にクラシックカーブームやスーパーカーオーナーが増えた事もあり、この施設では主にこれらを購入・維持できる所得層の方には堪らない、ショールームであり、メンテナンスや保管をお願いできる巨大施設なのです。

以前に一度ケルンの『MOTOR WORLD』へ取材でおじゃました事があるのですが、特にミハエル・シューマッハコレクションは圧巻でした。そんな施設がミュンヘンにもできるとあり、心待ちにしていたのです。今年の春に開館したばかりで、まだ敷地内の駐車場は工事中の個所もありました。こちらミュンヘンの『MOTOR WORLD』のある建物は1920年代に建設された旧ドイツ国鉄の汽車や列車の修理やメンテナンス工場跡を、当時の面影を限りなく残しながらレストアされています。歴史的な建造物である事もあり、館内ガイドツアーもあるそうです。

この『MOTOR WORLD』の75000平方メートルもある広大の敷地の約半分は大型ホームセンターになっており、周辺は家電量販店や大型スーパーマーケット、倉庫や工場などが並ぶ郊外の再開発地区で、まだところどころにこの旧ドイツ国鉄時代の線路跡が残っています。

館内にはBugattiやAlpine、McLaren等のスーパーカーのディーラーの他、地元企業のBMW Studioというショールームもありました。AMGはこれから入るようで、coming soonと記載されていました。
他にもBRABUSやABT、RUFなどの高級チューナーのショールームもあって、どこを見ても目移りしてばかりです。

どこのショップもピッカピカで中に入ってみたいのですが、洋服や靴の高級店と同じで、どこのショールームにもスタイルのよい美しい女性が受付をされており、私のような超庶民にとっては、他にお客さんがいないとなかなか入り辛いのです。ですので、外からガラス越しにじーっと中を覗いてしました(笑)。道中に寄ったスーパーマーケットで購入した丸々一尾のサバの燻製と大根1本がはみ出したエコバックを持って、ガラス越しに見つめる怪しいアジア人は、お店の中にいらっしゃる美しい受付嬢には、かなり気持ち悪かったでしょうね(笑)。

館内にはガラス張りのコンテナ式のガレージがたくさんあるのですが、実は月極のガレージなんですよ。超高級車や大切な稀少なクラシックカーなどを保管してくれるサービスなのです。確か、賃料は350€(約45500円)程だったと記憶しています。東京の一等地に比べれば随分とお安いのでしょうね。
レーシングカーも何台か見掛けました。ミハエル・シューマッハのベネトンのF1マシンもありましたよ。売り物なんでしょうか? 乗りたい時に取り出し、この館内のクラシックカーのショップでメンテナンスもして貰えるので、高額な愛車をお持ちのオーナーさんには安心でしょうね。

クラシックカーをドライブされているオーナーさんがとてもステキなお帽子を被っておられるのをお見掛けする事がありますが、どこで売っているんだろう?と正直思っていましたが、なんとこの『MOTOR WORLD』には帽子屋さんもありました。
日常に被れるような毛糸の帽子から、クラシックカーをドライブするのにぴったりなものまで色んな種類が販売されていました。また、さすがだな~と感じたのが、館内にお花屋さんまでも備えていましたよ。スーパーカーやクラシックカーの助手席に、買った花束をさりげなく載せる風景なんか想像しちゃいますよね。ステキ過ぎやしませんか⁉ がさつな私にはなかなか似合いません。やはり気品に満ちた方のためにある心憎い演出ですよね。

どこもかしこもクラシカルでポップ!見ているだけで、なんだかワクワクしてきます。館内で販売されている車両は、残念ながら私のような庶民に手が出るようなものではありませんが、ショップでカーグッズを購入したり、ステキなクルマに囲まれてコーヒーとケーキを楽しみに来るもの十分アリだと思います。入場料が無料なのはとてもイイですね!

大人数が収容できるイベントホールもありますので、コロナの規制以外はコンサートやパーティやイベントも開催されるようです。ミュンヘンだけではなく、いくつかの『MOTOR WORLD』の敷地にはホテルが隣接しており、それぞれのお部屋にクルマ好きの要素がたっぷりなインテリアデザインが施してあるようです。

特にミュンヘンのAMERONホテルのカースタジオというお高めのお部屋の中には、なんと高級車がすっぽりと収まっているようです。他にもバイクスタジオというバイク好きの方のお部屋もあるようです。夢のようなホテルですね!
https://ameroncollection.com/en/muenchen-motorworld/the-hotel

最近は8月末からスーパーマーケットにクリスマス用のお菓子が並び始めますので、やっと本番が来るな、と感じる12月です(笑)。近所ではもみの木の販売も始まりました。ドイツの大半の家庭ではプラスチック製ではなく、本物のもみの木を購入してクリスマスツリーを飾るんですよ。
新型コロナウイルスの感染拡大が再発し、ミュンヘン市のクリスマスマーケットは開催直前に中止となりました。今頃ならば、街のあちこちでシナモンなどの香辛料が効いた甘いグリューワイン(ホットワイン)や焼き栗、炒ったシュガーナッツなんかの匂いが辺り一帯に立ち込めて、クリスマスが近いことを感じるのですが、それも残念ながら今年もお預けです。
一日も早い収束のためにはみんなで協力してガマンの時ですよね!

この記事を書いた人

池ノ内 ミドリ

武蔵野音楽大学および、オーストリア国立モーツアルテウム音楽院卒業。フリーランスの演奏家を経て、ドイツ国立ミュンヘン大学へ入学。ミュンヘン大学時代にしていた広告代理店でのアルバイトがきっかけでモータースポーツの世界と出会い、異色の転身へ。DTM、ル・マン/スパ/ニュルブルクリンクの欧州三大24hレースを中心に取材・執筆・撮影を行う。趣味は愛車のオープンカーでヨーロッパのアルプスの峠をひたすら走りまくる事。蚤の市散策。

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