水素燃料電池技術を搭載した「メルセデス・ベンツGenH2トラック」。1000km以上の長距離輸送を想定
9月16日、ダイムラー・トラックは次世代の電動化戦略を発表するとともに、燃料電池を採用した次世代トラックのコンセプトモデル「メルセデス・ベンツGenH2トラック」を発表した。
二酸化炭素の排出量削減は、乗用車だけでなく商用車も取り組まなければならない課題のひとつ。ダイムラー・トラックはそのソリューションとして、電動化技術や水素燃料電池技術を今後の柱としている。
このたび発表されたコンセプトモデル、メルセデス・ベンツGenH2トラックは、水素燃料電池技術を採用し、一回の水素充填で1000km以上の長距離輸送を可能にするもの。2023年には顧客向けのトライアルを開始する予定で、早ければ5年後に量産化する見通しだ。
このGenH2トラックは、従来の内燃機関搭載車「アクトロス」の長距離トラックの牽引力、航続距離、パフォーマンスをベースに開発されている。車両総重量40トンになる量産モデルでは、ふたつ合わせて80kgの液体水素タンクと強力な燃料電池システムを採用。連続出力で230kW(約313ps)/1577Nm、最大出力で330kW(約449ps)/2071Nmのモーターを2基と70kWhのバッテリーを搭載し、高い可搬重量と長距離輸送を実現する。
一方で、もう少し輸送距離が短いトラックには、バッテリー駆動による電動トラックを設定。200km程度の輸送に向けた「eアクトロス」(写真左)、そして500km程度の輸送に向けた「eアクトロス・ロングホール」(同右)がそれだ。eアクトロスは2021年に、eアクトロス・ロングホールは2024年に量産化される見通しだ。
ダイムラー・トラックでは、2022年までに欧州、アメリカ、日本におけるポートフォリオに、バッテリー式電気駆動の量産車を含める予定。さらに2039年までには、同じく3地域でCO2ニュートラルな車両だけを提供する目標を掲げている。
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