「魔法のじゅうたん」を豪語するシトロエン初のSUV「C5エアクロスSUV」が発売

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コンフォート性能を追求したシトロエンらしいキャラクターに

プジョー・シトロエン・ジャポンは、今年創業100周年を迎えたシトロエン・ブランド初のSUV、「C5エアクロスSUV」を5月28日に発売した。日本ではモノグレード構成で、消費税込みの車両本体価格は4,240,000円。

そのボディサイズは全長4500×全幅1850×全高1710mm。ホイールベースは2730mmと日本の路上でも扱いやすいコンパクト級にまとめられている。スタイリングは「C4カクタス」や現行「C3」あたりからはじまった最新シトロエンの文法に従った、良い意味でカジュアルな佇まいが持ち味。日本仕様のボディカラーは、受注生産の「ブラン・バンキーズ(ホワイト)」を含めて全6色が揃えられている。

しかし、内容面でのハイライトは乗り心地に代表されるコンフォート性が追求されていること。シトロエンといえば窒素ガスを封入したスフィアに油圧制御を組み合わせたハイドロニューマチックサスペンションが伝説となっているが、このC5エアクロスSUVではPHC(Progressive Hydraulic Cushions=プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)と名付けられた独自のサスペンションテクノロジーが採用されている。

PHCは、通常のダンパーにセカンダリーダンパーが追加された構造の純メカニカルなシステム。ダンパーシリンダー内に第二のダンパーシリンダーが配され、サイドにはストロークエンドに行くに従い径が小さくなる複数のポートが開けられている。セカンダリーシリンダーにはその内径にあったピストンが存在し、ストロークが進むとそのピストンがシリンダーに入り込みハイドロリックストップと
して作用する。これにより、サスペンションが小さく細かく動く状況やストロークスピードが低い状況ではソフトな乗り心地を提供。一方、サスペンションが大きく動く状況では前述のセカンダリーピストンとシリンダーが産み出す減衰力で衝撃をスムースに吸収し、大きな凹凸でも快適なフィーリングを提供する。C5エアクロスSUVの場合、このPHCがフロントは圧側伸側の両方にセカンダリーダンパーのハイドローリックストップを、リアは圧側のみに備わるが結果として「魔法のじゅうたん」のような安楽な乗り心地が実現されているという。

フランス車といえば良質なシートも魅力のひとつとなっているが、C5エアクロスSUVもその例に漏れない。シトロエンはシートクッション素材のポリウレタンフォームを徹底的に研究、業界平均に対して非常に密度の高い独自の高密度フォームをこのクルマに採用。さらにシート表皮中央部には15mm分のレイヤーを重ね、座った瞬間の当たりの柔らかさとなじみの良さを向上させている。その結果、絶対的な快適性だけでなく座った瞬間に感じられるソフトで快適な感覚や優れたサポート性、さらには高い耐久性も実現。加えて運転席にはマルチポイントランバーサポートも搭載。ドライバーの体形に合わせた微調整ができるだけでなく、8つのエアバッグが5パターンのマッサージを提供する。

最新SUVらしくユーティリティはハイレベル。運転支援システムも充実している。荷室容量は、通常のリヤシートポジションにおけるトノカバー下のみでも580L。リヤシートをスライドさせると670Lにまで拡大し、完全に畳めば最大で1630Lに達する。また、プレミアム系の輸入車で一般化しつつあるハンズフリーの自動開閉テールゲートも装備される。運転支援システムについては衝突回避・被害軽減ブレーキやレーンポジショニングアシスト、アクティブクルーズコントロールなどを完備。この中で、レーンポジショニングアシストは名前の通り自車走行レーン内の左右ポジションを任意に設定できるスグレモノだ。

日本仕様に採用されたパワーユニットは177㎰/400Nmを発揮する2L直列4気筒のクリーンディーゼルターボ。組み合わせるトランスミッションは日本のアイシンAWと共同開発した8速ATで、燃費性能はWLTCモードで16.3kmを実現。1640kgの車重に対して前述のアウトプットだけに、その動力性能はSUVとして十分以上のはずだ。なお、駆動方式はFFだが走行モードを切り替えられるグリップコントロールや滑りやすい急坂を下る際に有効なヒルディセントコントロールを搭載。一般的なSUV用途には十二分なバーサティリティが確保されている。

 

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小野泰治
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