持続可能な社会を実現する小型モビリティロボット
広島県に拠点を置くスタートアップ、KGモータースが開発する小型モビリティロボット「mibot(以下ミボット)」の一般予約が8月23日の21時より開始された。
現在の日本において、クルマで移動する際の移動距離の約7割は10km未満、さらに移動するときの乗車人員の約7割は1人、そしてクルマを利用する人の約5割は高速道路を使用しないという。
その一方で、地方都市では公共交通機関が衰退しつつあり、クルマは移動の必需品となっている。しかしながら、先述のように移動に対する無駄なコストや環境負荷が高い状態が慢性化しているのが現状だ。そこで1人乗り・短距離移動に特化した超小型EV「ミボット」を提案しようというのが、KGモータースの狙いだ。
KGモータース代表取締役CEOの楠氏(写真右)。
ミボットのサイズは全長2940×全幅1130×全高1465mmの小型電動4輪車となっており乗車定員は1人、車重は約430kg、最高時速は60km/hで航続距離は100kmとなっている。第一種原付のミニカー登録となっており、普通自動車免許で運転できる。充電はAC100Vに対応しており、家庭用のコンセントで充電ができ約5時間でフル充電が可能だ。車両価格は100万円(税込)となっている。
今回の一般予約開始に先立ち、8月初旬に行われたメディア向け説明会では、ミボットの量産試作車(プロトタイプ)にいち早く触れることができた。
一目見て特徴的なのは前後対称のボディデザインだ。これは量産の際、金型数を少なくしてコストを抑えるためだという。しかしながら、快適性能には手を抜いておらず、このサイズでありながらクーラーやシートヒーター、ディスプレイモニターといった普通乗用車並みの快適機能を標準装備している。さらにリアのガラスハッチを開ければ、最大45kgまで積載可能なラゲッジルームがあり、これは18Lの灯油缶2つ分に相当するという。
現在ミボットは量産に向けたテストを行っている最中とのことだが、2025年秋には生産および販売が開始され、まずは300台がラインオフする予定だという。そして2026年には3000台の本格量産をスタートするとしている。
今回一般予約が開始された2025年分の300台については広島県と東京都に優先納車が行われ、早ければ12月ごろからデリバリーが開始される予定だ。
さらにこのミボットは将来的に自動運転も目指している。同社では車両以外にも自動運転の開発チームが動いており、2027年ごろを目途に実証実験を開始する予定としている。オーナー型のシェアリングと、免許を持たない人へは自動運転という2本の柱で、誰もが自由に移動できる持続可能な社会を実現の目指すという。
なお同社の公式WEBサイトでも詳細が公開されているので、気になる方はぜひ覗いてみることをオススメする。さらに今回公開されたミボットの量産試作車は8月31日まで東京都世田谷区の二子玉川蔦屋家電+にて展示されているので、近くにお住まいの方はぜひ足を運んでみるといいだろう。