ブガッティが最新のハイパースポーツ「トゥールビヨン」を発表した。機械式時計における三大複雑機構と同じ名称を冠するこのクルマは、その名に恥じない超弩級のスペックを有していた!
PHEV+V16エンジンで規格外のスペックを実現
6月20日、ブガッティは、シロンの後継となる次世代ハイパーカー「トゥールビヨン」を発表した。
2021年7月に、クロアチアの新興ハイパーEVメーカーであるリマック・オートモビリのスポーツカー部門と統合されたブガッティは、今ではリマック・グループとポルシェAGの合弁会社であるブガッティ・リマック社の1ブランドである。トゥールビヨンは、そのような状況の中で登場した。
PHEVのハイパーカーであるトゥールビヨンは、全長4671mm、全幅2051mm(ミラー込みは2165mm)、全高1189mmと、シロンから若干大型化。ホイールベースもシロンより29mm長い2740mmとなっている。
エクステリアは、馬蹄形のフロントグリルやC字型のブガッティラインなど、ヴェイロン以来続くキャラクターを受け継ぎながら、ボンネットやルーフを可能な限り低くしたフォルムとされている。“フライングフェンダー”と呼ばれる左右のフロントフェンダーは、LEDヘッドライト下部から空気を取り込み、サイドエアインテークの空気流量を増大させることで、ダウンフォースとボンネットフードの下にあるラジエターの冷却効率を向上させている。
可動式のリアウイングは、中低速域におけるダウンフォースのほかに、超高速域からの制動時にはエアブレーキとして作動。最高速度付近では、キャビン直後から立ち上がる大型ディフューザーがハイダウンフォースを発生させ、リアウイングは完全に格納される。
インテリアもこの新型ブガッティのハイライトのひとつ。特にステアリングホイールの内側に備わる固定式のスケルトンクラスターは、スイスの時計職人が設計から手掛け、チタンやサファイア、ルビーなど600以上のパーツが極めて精巧に組み上げられている。このメーターパネルは、機械式時計における3大複雑機構のひとつ「トゥールビヨン」を車名に持つこのモデルのアイデンティティだ。
リアミッドに縦置き搭載されるエンジンは、コスワースの協力の下で新たに開発された8.3L・V16の自然吸気ユニットだ。90度のバンク角を持ち、全長が1mもあるこのエンジンは、最高出力が1014ps、最大トルクは900Nmを発揮。レブリミットは9000rpmとなっている。
このモンスターエンジンには新世代の8速DCTが組み合わされる。リアアクスルにはさらに339.9psと240Nmを発揮する電気モーターを搭載。フロント左右には339.9psの電気モーターを各1基搭載。この2基のフロントモーターは、合計で3000Nmもの最大トルクを発生する。
結果、トゥールビヨンはシステム全体で最高出力1825ps、最大トルク3000Nmという、驚異的なスペックを手に入れた。
リチウムイオンバッテリーは、センタートンネルとキャビン直後に搭載され、グロスで24.8kWhの容量を持つ。EV走行時の航続距離は最大60kmを確保している。
モノコックボディに次世代T800カーボン複合材を採用するなど、多岐にわたる軽量設計により、車両重量はシロンと同等の1995kgを実現。トゥールビヨンは、0→100km/h加速2.0秒、0→200km/h加速5.0秒未満、0→300km/h加速10.0秒未満、0→400km/h加速25.0秒未満、そして最高速度445km/hという、完全に浮世離れしたパフォーマンスを達成した。
まさに究極の一台であるトゥールビヨン。その価格も衝撃的で、税抜きで380万ユーロ(約6億6000万円)である。フランス・モルスハイムのアトリエで250台限定で生産され、2026年にデリバリー開始となる予定だ。
Q.ブガッティの最新ハイパースポーツのスペックは?
A.8.3LのV16エンジンに3基のモーターを組み合わせて最大1825psを発揮します!
Q.“トゥールビヨン”の意味は?
A.フランス語で「渦」という意味です。
【SPECIFICATION】ブガッティ・トゥールビヨン
■全長×全幅×全高=4671×2051×1189mm
■ホイールベース=2740mm
■車両重量=1995kg
■エンジン形式/種類=−/V型16気筒
■総排気量=8300cc
■最高出力=1014ps(745.8kW)
■最大トルク=900Nm(91.8kg-m)
■モーター最高出力=前:339.9ps(250kW)、後:339.9ps(250kW)
■モーター最大トルク=前:3000Nm(305.9kg-m)、後:240Nm(24.5kg-m)
■トランスミッション形式=8速DCT
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