有名なBMWアートカー・シリーズにインスパイアされたプロジェクト
2年連続で、北欧アーティストの作品に身を包んだBMWの電気自動車が、ストックホルムのあちこちで見られる。2024年5月17日(金)から19日(日)まで開催される、今年の「Market Art Fair」では、スウェーデンのアーティスト、カリン・ウェストマンがデザインしたBMWの電気自動車がゲストの送迎に使われる。
この取り組みのアイデアは、1975年以来、有名アーティストがクルマにアート作品を描いてきた世界的な「BMWアート・カー・プロジェクト」に由来している。2回目となる今回は、北欧のアーティストが選ばれ、会期中シャトル・カーとして使用されるBMW車に自由にアートを表現した。
「アートとモビリティの融合は、BMWが常に情熱を注いできたことです。Market Art Fairとのコラボレーションは、北欧の若手アーティストを支援するユニークな機会を提供すると同時に、アートと文化に対するBMWのコミットメントを強調するものです」と、BMWスウェーデンのヨハンナ・クリーサCEOは語っている。
【写真7枚】”移動するアート”! 鮮やかにカラーリングされたBMW
ストックホルムの路上での移動式アート作品
今年の受賞作品「Wetland」の作者は、カリン・ウェストマン氏(GSAギャラリー、SE)。バロック様式にインスピレーションを得た官能的で抽象的な作品で知られ、ドラマチックで豊かな色彩を基調としている。カリン独特の美学を表現した移動式作品は、フェアの週末中、リリェヴァルヒェスの屋外にも展示されるという。
「このような出会いを通して、アートはより多くの人々に届くと信じています。インダストリアルデザイナーとアーティストの仕事の目的は違いますが、どちらもクリエイティブな仕事です。お互いに学ぶべきことはありますが、何がどこにつながるかは、時間が経ってみなければわかりません」とカリン・ウェストマン氏は言う。
昨年の受賞者はスウェーデン出身のアーティスト、シイリ・ユリス氏(Galleri Duerr、スウェーデン)だった。「BMWには、世界的な文化的関与の長い歴史があります。このような自然なパートナーと協力し、一緒に若いアーティストを宣伝し、移動アート作品という形で街にアートを持ち込むことができるのは、素晴らしいことだと思います」と、Market Art Fairのパートナーシップ・マネージャーであるペトラ・ステンヴァル=トンプソン氏は語る。
BMWアートカーの歴史
BMWは約50年にわたり、世界的に有名なアーティストが車をキャンバスとしてアートを表現することを認めてきた。著名なアーティストとコラボレーションしてクルマを転がるような芸術作品に変えるというアイデアは、1975年にフランスのレーシング・ドライバー、ヘヴレ・プーランが、アーティストのアレクサンダー・カルダーにレーシング・カーをキャンバスにして作品を描かせるというアイデアを思いついたことから始まった。
このクルマが現代アートの歴史に名を刻み、BMWアート・カー・プロジェクトの始まりになるとは、当時は誰も予想できなかっただろう。ロイ・リキテンスタイン、アンディ・ウォーホル、デヴィッド・ホックニー、ジェニー・ホルツァー、ツァオ・フェイ、エスター・マフラング、ジェフ・クーンズなど、世界的に有名なアーティストたちがカルダーの足跡をたどってきた。
この春、20人目のアーティスト、ジュリー・メレトゥのクルマが2024年の「ル・マン24時間レース」に出場する。抽象絵画で知られるメレトゥは、同世代で最も影響力のあるアーティストの一人とみなされている。