キープコンセプトのラグジュアリーHT
当連載では第13回においてランサーEXターボを採り上げたが、今回は同時期の三菱車から、二代目ギャランΛ(ラムダ)のカタログをご紹介しよう。
【画像22枚】初代によく似た外観からガラリ変わったインパネまで、二代目Λを見る!
ギャランΛは1976年に発売された2ドア・スペシャリティカー、ラグジュアリーカーであり、それまでのギャランGTOおよびギャラン2ドア・ハードトップの後継的モデルであった。最大のセールスポイントはスタイリッシュなボディであるが、当時の三菱はクライスラー傘下にあり、その関係でΛのエクステリアはアメリカ志向の強いものとなっていた。実際、クライスラーはΛをプリマス・サッポロ/ダッジ・チャレンジャーの名で北米市場に投入している。
全体のプロポーションはファストバックにもノッチバックにも見えるものを目指したと言われ、そのためサイドに大きく回り込んだリアウィンドウが特徴だった。また、リアピラーをシルバーのロールバー風に仕上げ(下級グレード除く)、ちょっとタルガトップのように見せていたのも印象的だ。それ以外にも、当時はまだ珍しかった角型4灯ヘッドライトの採用や、インテリアではステアリングホイールを1本スポークとし、本革シートを採用するなど、斬新なイメージとラグジュアリー感が受けて、ヒットモデルとなったのである。
二代目ギャランΛは、ベースとなる4ドア・セダンのギャランΣ(シグマ)のモデルチェンジに伴い登場、1980年5月に発売された。そのスタイリングは先代Λを完全に踏襲しており、ちょっと見たところではマイナーチェンジでしかないような印象である。大きく異なるのはカラードバンパーの採用であろうか、それとともにリアピラーのロールバー風仕上げもなくなり、ボディ全体のまとまり感が強調されている。また、先代でも設定されていた兄弟車のギャランΛエテルナは、エテルナΛへと車名を変更した。
レイアウトはFRで、サスペンションは前ストラット/後ろ4リンクが基本だが、上級モデルではリアにもストラットが採用されるようになったのが大きな進化である。エンジンは先代にあった1.6Lがなくなり、1.8L/2L/2.6L、そして2.3Lディーゼルの4本となったが、2Lにはキャブ仕様とインジェクション(ECI)仕様があるので全5種、いずれも三菱お得意のサイレントシャフトを採用した直列4気筒OHCである。
1980年11月には2Lエンジンにターボ仕様が追加され、同時に2.6Lおよび2L ECI仕様がラインナップから落とされた。後者は1981年5月に復活しているが、以前のECI仕様はスポーティグレードのGSRであったのに対し、このとき加わったのは最上級モデルの2000ロイヤルとしてであった。1981年11月にマイナーチェンジを受けて後期型へ移行、1984年に後継モデルのないまま(スタリオンと捉えることもできる)販売を終了している。
ガソリン車のみ、ノンターボを中心に掲載
さて、ここでお見せしているカタログは前期型のものであるが、1981年5月に追加された2000ロイヤルが「新登場」として紹介されており、「81-05」のコード記載もあることから、このグレード新設に合わせて作られたものであろう。サイズは295×255mm(縦×横)、ページ数は全16ページである。
このカタログはおそらく簡易版と思われ、ディーゼル車を除く3グレードのみの掲載、ターボ3モデルも1ページのみを使っての簡単な紹介(専用のカタログを見ろとの注記つき)だ。構成そのものとしては別に凝ったところはないが、先代とは違ってヨーロッパのムードで押しているところが面白い。
個人的にはギャランΛは初代の印象が強く、子供の頃には「カッコイイ車」として好きな存在であった。エテルナ版のリアスタイルが長らく謎だった(本などでも見たことがなかった)ところ、ようやく実車を目にすることができて、その三分割テールのデザインに「こっちも良いなあ」などと思ったことをよく記憶している。
対して二代目Λは若干印象が薄い。当時おそらく町で見かけたことはあったはずだが、特に記憶に残っておらず、本や雑誌でしか見たことがなかったような感じだ。とは言っても、そうして写真で目にした二代目Λの姿はよく覚えており、そのムクムクした大型犬のような佇まいは、あらためて目にすると、やはり懐かしい思いがする。
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