メタルパーツはきっちり摺り合わせしないと…
グンゼ(現GSIクレオス)製ハイテックモデルのジャガーEタイプを作ってみんべ、というこの連載。今回は、前回とはうって変わって、エンジン関連の作業をしてみた。
【画像22枚】プラモだったら不要、あるいはもっと簡単な作業の様子を見る!
あっちへ行ったりこっちへ行ったり、妙に落ち着きのない連載だな……と思われるかもしれないが、ハイテックモデルは作業量が多いので、どこか一ヶ所について執拗に作業を重ねていると、写真の絵面もあまり変わり映えがせず、皆さんに飽きられてしまうのではないか、という心配もあり、このような感じで記事を続けている。それだけでなく、「あれをやるならここを解決して、それにはまずこっちを確定して、そのためにはここを修正して……」といった具合いに、筆者の頭の中には段取りのようなものもあったりはするのである。
さてエンジンだが、すでに以前の回で、組み立てが難しそうなインテークマニフォールド/キャブレター/エアクリーナーの取り付けは確立しており、あとは特に問題がないような感じがしてしまっていた。普通のプラモデルであればそれで問題ないとも思うのだが、メタル製のエンジンとなると「まあここはイモ付けで接着すればいいだろ」というのが通用しない。接合面のすり合わせはプラよりもシビアだし、イモ付けで接着しても完成まで辿り着く前に部品が脱落してしまう可能性が高い。
というわけで今回は、エンジン前面の取り付けを確定し、シリンダーヘッド上面の面出しをして、エキマニの形状修正を行った。特にエンジンのフロントカバーは、ウォーターポンプ部が、フロントフレーム先端に乗るエキスパンションタンクとの繋がりを決める上で重要な個所となるので、ここで取り付けをキッチリと決めておく必要があったのである。もうひとつ、エアクリーナーのモールドも手直しをしてみたのだが、これについては部品ごと作り直す必要がある気もするので、以後の回でまたやり直すかもしれない。
ある程度妥協はするのだが、気になって仕方ない部分も…
エアクリーナーの問題については画像のキャプションでも説明したが、上部の三角形の部分(エアボックス)の厚みが実物の2/3~半分くらいしかなく、その下の円筒形の部分(エアフィルターケース)も妙にエアボックスに密着した形でつながっている。そのため、エアクリーナー一式は全体に縦の長さが非常に足りない。フィルターケース自体すこし短いような気もする。
このあたり気になって仕方ないのはなぜかと言うと、実際にはエアクリーナーは、ボディ側のマウントの上に乗っかっており、さらにブラケットでサイドパネルにもつながっているので、そのあたりを再現しようと思えば、エアクリーナーはもう少し下側に伸びないといけないのである。キットパーツのままではボディのサイドパネルより上にエアクリーナーの底が来てしまっているのが、パッケージの完成写真でも分かるだろう。エキマニの形については妥協するつもりだが(黒く塗るので分かりにくくなるし)、エアクリーナーをこのままにして組み立てる気になれない。
いずれにしろ、今回の作業でエンジン周りは全部解決という訳でもないので、まだ何回か、同様の回をやることになるだろう。今回やった部分についても、カムカバーはイモ付けのままなので、ここにもどうにかして取り付けダボみたいなものを設けたい気がしている。この他、イグニッションコイルの取り付け位置を修正したいし、パーツ自体ももうすこしピリッとさせたい。ヘッドの谷間にはナットを追加したいし、プラグキャップやプラグコードのスリーブも再現しなくてはいけない。色々と構想だけは膨らむのであるが……。