湾曲した24K LEDスクリーン、フルカラー天井スクリーン、リモート照明技術、7.1ch音響システムなどを駆使した最先端の設備でデジタル化をより一層推進
日産自動車は、神奈川県厚木市の「グローバルデザインセンター」内に、リアルとデジタルを融合させることでデザインプロセスの革新を目指すデザインプレゼンテーションホールを新設し、メディア向けに公開した。
同ホールは湾曲した24K LEDスクリーン、フルカラー天井スクリーン、リモート照明技術、7.1ch音響システムなどを駆使することで、世界中で顧客が実際にクルマを使用するさまざまな環境を、高い精度で再現することが可能となっている。日産は、このホールを中心にデザインプロセスのデジタル化をより一層推進し、デザインの質や検討の幅をさらに向上させることで、多様な顧客ニーズを満たす商品をよりタイムリーに開発することを目指すという。
【写真12枚】コンテンツの製作にはゲーミングエンジンを使用!
従来、クルマのデザイン開発では、デザインの検証を行うために複数のモデルを製作してきた。しかし、製作期間の長さとコストの課題が伴うため、製作可能なモデルのバリエーション数は限られる。そこで、日産のデザイン部門では5年以上前からVRを活用するなど、デザインプロセスのデジタル化を推進してきた。
同ホールで投影するコンテンツの製作にはゲーミングエンジンを使うことで、時間による光の変化、天候や自然の要素もリアルタイムに高い臨場感と没入感で再現することができ、デジタル上で製作したモデルを様々な市場環境に合わせて検証、確認することが可能となる。
デザインを決定するプロセスにおいては、複数のデジタルモデルを実物大で24K LEDスクリーン上に並べ、デザインやカラーの微妙な違いを精度高く再現し比較することができる。また、モデルの位置やアングルをリアルタイムに素早く切り替えることができるため、より迅速な意思決定が可能となる。
実物大のモデルをホールに置くことで、24K LEDスクリーンとフルカラー天井スクリーンの映像がモデルを包み込み、あたかもリアルとデジタルの境界の無い空間をつくり出すことができ、デザイナーのイマジネーションを広げることができる。
また、本ホールはオンラインでどこからでもアクセスできるため、デザインを生み出す場所や時間の制約がない新しいクリエーティブハブとなる。世界中のデザイナーがリアルタイムでアイデアの共有ができる、インクルーシブでインタラクティブ、柔軟でクリエイティブな環境を実現し、より創造的で魅力的なデザイン開発を目指す。
グローバルデザインを担当する専務執行役員アルフォンソ アルバイサ氏は、次のように語った。
「自動車業界は今、開発プロセスに大きなブレークスルーが生まれています。私たちデザイナーにとっても大変エキサイティングな時代です。ゲーム業界がますますデジタル化を進めるのと同じように、日産も劇的なデジタルシフトを進めています。私たちの新しい没入型のホールは、フィジカルとバーチャルが融合したドラマチックな空間に最先端のテクノロジーを集結させ、チームに新次元のインスピレーションを与えています」