仕事中も常にクルマを眺めてモチベアップしたい! 工場の未使用部分に構築した、ギャラリーのようなガレージ。【ガレージライフ】

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かつて賃貸ガレージで「ホンダNSX タイプR」をパートナーに自動車趣味生活を楽しんでいた施主が仕事場の一角に設けたガレージ。

クルマ好きであれば誰しも、ガレージの中にアレとアレとアレを並べることができたらサイコーなんだけどなぁ、という理想のラインナップがあるはずだ。三重県のKさん(53歳)が愛用しているフェラーリたちは、子どものころに巻き起こったスーパーカーブームにインスパイアされて大人になった自動車趣味人にとって言うことなしの布陣だといえる。

世代によって理想とするラインナップが異なると思うが、1971年生まれの筆者にもKさんが愛用しているフェラーリたちは羨望の顔ぶれで、ここにファイバーボディの「308 GTB」と「360 チャレンジストラダーレ」が並んでいたら、さらに感涙モノだったといっていい。

「スーパーカーブームのときに、『ランボルギーニ・カウンタック』や『フェラーリ BBシリーズ』の写真パネルが家にありました。その当時はランボルギーニのほうが好きでしたね」。そのように話してくれたKさんは筆者の古くからの友人であるHN「夢・心・彩・純」さんのフェラーリ仲間で、今回の取材も「F355 ベルリネッタ」のオーナーである我が盟友がお膳立てし、立ち会ってくれたのだ。

【写真16枚】フェラーリをキレイに並べられるのでガレージ内で眺めて楽しむことができる。 

Kさんがガレージを設けたのは3年前のことで、造ろうと思った背景には、先頃5類感染症へと移行した新型コロナウイルス感染症の流行が関係していたのだという。「職場がある工場の使っていなかった部分をリフォームしてガレージを造りました。コロナ禍になって、2020年に従業員の失業対策として造ってもらったわけです」。なるほど、そういうことか、と床や天井の様子をチェックしていたら、Kさんが再び話し始めた。

「いまはフェラーリがガレージ内に並んでいますが、旧いクルマばかりを所有していた時期がありました。このガレージが完成するまでの間には『ミニクーパー』を愛用していたこともありましたね。5~6年前に『ホンダ・NSX タイプR』に乗っていたときにはガレージを借りていたのですが、ショップにメンテナンスをお願いする際にも労力と時間を必要としたので、ちゃんと維持するのが大変でした」

ガレージが完成した当初は1963年式「C2 コルベット」のスプリットウィンドウやアルファロメオの段付き、そして、1958年式「ポルシェ・356A」などを所有していたので、それらのクラシックカーを収納していたことがあるそうだ。ちなみに、105系の段付きは幅広フェンダーの”おたふく仕様”とノーマルの2台を愛用していたらしい。

ホコリの侵入を防ぐことができるアコーディオン式のガラス戸を完備。
では、フェラーリ軍団はいつ構成されたのかというと、この2年の間のことで、その間続々、跳ね馬たちがKさんのガレージに集まってきたのだという。

「『ディーノ246GT』は2年ぐらい前、MT仕様の『F355 ベルリネッタ』は1年ちょっと前、『430 スクーデリア』は去年の7月、『488 ピスタスパイダー』は今年になってから購入しました。オープンエアドライブを楽しめるパワフルなスパイダーにカーボンホイールを装着したのは1か月ぐらい前のことです」

現在は所有していないが、「458 スペチアーレ」を愛用していたこともあり、エクステリアにラインが入っていない個体を買ったときには、すでにガレージがあったそうだ。

なにゆえにラインの有無に言及したのかというと、Kさんは458スペチアーレのラインなし仕様を購入した半年後に同車のラインあり仕様に乗りかえており、この458スペチアーレ/ラインあり仕様を手放し、488ピスタスパイダーを買ったとのことだった。「スペチアーレから始まりましたが、どのフェラーリもいいですね。ディーノが一番楽しいです。F355は排気音がいい。それぞれ魅力的です」

964型の「ポルシェ911 3.6ターボ」がほしい、とも語ってくれたKさんだが、ガレージには同じブランドのクルマを入れたほうがいいと考えており、今後も理想的なフェラーリ・ライフを満喫していくことになるだろう。

◆PLANNING DATA
 所在地:三重県
 施 主:Kさん
 竣 工:2020年
 構 造:鉄骨
 ガレージ面積:約115平米
 愛 車:1971年式 ディーノ246GT
    1999年式 フェラーリ・F355 ベルリネッタ(MT)
    2011年式 フェラーリ・430 スクーデリア
    2020年式 フェラーリ・488 ピスタスパイダー など

◆OWNER’S CHECK
・一番気にいっているところは?
 職場の事務所から見えるところにクルマがあることで、絶えずモチベーションを上げて仕事に向かえる。鉄、木材、コンクリートを一緒の空間で使うことで、インダストリアル感が出てよかった。コンセントをいっぱい配置したことで、どの場所にクルマを置いても充電できる。
・ちょっと失敗したところは?
 コンクリート床の塗装色を黒にしたことで、タイヤの跡や足跡が目立つところが失敗だった。ガレージをもう少し広くしたほうがよかったと思っている。
・次の夢はなんですか?
 そのコンクリート床を今度は大理石かツルツルの大き目のタイルにして、汚れが目立たないような仕様にしたい。四柱リフトかニ柱リフトがほしい。
・読者へのアドバイスを!
 たとえば手動シャッターか電動シャッターか迷うようなことがあったら、絶対に最初から電動シャッターにしたほうがいいと思います。また後で変更すればいいかな、という考えはやめたほうがいいでしょう。後でやるとなるとクルマを置いておく場所探しから始めることになったりして、なかなか着手できないと思います。私もコンクリート床をやり直したいと思ってますが、いまのクルマの台数のままだと、そのクルマを駐車する場所が無いので、そう簡単にできないのが現実です。

『GarageLife Vol.96』掲載

ガレージの出入り口側は天井が高く、片流れ屋根になっている。内装はOSB合板。乗る機会が多い「ディーノ」を、いつもシャッター前の一番出しやすいところに置いている。

Photo/Keigo-KIMURA(木村圭吾) Text/Hidenori-TAKAKUWA(高桑秀典)

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2023/09/23 17:45

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