VW本社のアウトシュタットはスケールも超特大! 名物のカリーブルストも堪能しました!【池ノ内ミドリのジャーマン日記】

万博会場かテーマパークと思いたくなるような広さ

バカンスシーズンも終盤になったヨーロッパ。私の住む街、ドイツのミュンヘンも多くの人達がバカンスに出掛けており、市内の交通量は随分と減っていますので、普段はギュウギュウに停められている縦列駐車も、空きスペースが十分あって停めやすそうです。私はこの空いた静かな時期にミュンヘンの自宅に居られる事はとても嬉しく、晩夏をのんびり過ごしています。

私が住むミュンヘン市は南ドイツに位置し、BMWグループの本社があり、約70km北にはアウディ、約240km西にはポルシェとメルセデス・ベンツのダイムラーグループと、結構近くに自動車メーカーが集中しており、それらに付随するミュージアムは、そこそこ定期的に足を運ぶ機会があります。

【画像84枚】VW本社の超広大なアウトシュタットのフォトギャラリーはコチラ
フランクフルト近郊のリュッセルスハイムにあるオペルにも、とても興味深いコレクションホールがあるのですが、残念ながら一般公開はされておらず、オンラインの公開のみとなっています。
そして、忘れてはいけないのが、ドイツ最大の自動車メーカーのVW(フォルクス・ヴァーゲン)!北ドイツのヴォルフスブルグにある、有名なAutostadt(アウトシュタット)に、行きたいと長年願っていたのですが、やっとそちら方面に取材へ行く機会があり、念願叶って立ち寄ってきました。
アウトバーンを降りて、ヴォルフスブルグ市内へとクルマを走らせていると、VWのクルマが多いこと! こんなにたくさん走っているのをドイツ国内でも見た事がありませんでしたので、まだAutostadtに到着していないのにコーフンしてしまいます。
駐車場へ着くと、辺りには経済ニュース等の背景で観るVWグループ本社の建物にまたまた大コーフン(笑)。かなりのお上りさん状態です。受付でチケットを購入した際に地図を頂いたのですが、そんなの要るのかな~? と思いつつ、地図が必要だという事がすぐに理解出来ました。
まず、どこから見始めたら良いのか分からないくらいに建物がたくさんあるではありませんか!? 他社のミュージアムと同じような気分で行ったら大間違い! まるで万博会場? テーマパーク? と思いたくなるような広さです。今後訪れるご予定のある方は、是非履き慣れたスニーカーで。とにかく歩きますよ!

日本では、『ワーゲン』の愛称で親しまれていますが、ドイツではワーゲン(ヴァ―ゲン)はクルマという意味なので、残念ながら通じません。VW(ファオヴェー)と私たちは呼んでいるんですよ。

まずはチケット売り場のあったメインの建物の中から見て行く事にしました。主にEVが並んでおり、まだ発売前のID.7も展示されていました。私も中に座ってみたかったのですが、待っておられる方が何組もいらっしゃったので、先を急ぐ私は諦めました。

次に訪れたのはミュージアムではありませんが、VWグループが所有する様々なメーカーのヴィンテージカーが所狭しと並ぶ建物です。量販化されなかったVWが作ったショーカー等もあり、きっと過去のモーターショーで発表された際には物凄くハイテクで未来の乗り物のような感じだったのでしょうが、いま見ると結構もっさりしていたり(笑)。かわいらしいクラシックカーも多く並んでいますので、結構な時間を私はここで費やしました。
壁一面にVWグループの系譜図が掲示されていたのですが、これこそパンフレットにして置いておいて頂けるとありがたなぁと思いました。この建物の一階には、VWグループの自動車メーカーの様々なグッズが一同に揃い、お財布の紐が緩む事、間違いありません(笑)。

歴史ある本社工場の建物も見ながら移動します。むむむ? VWグループの本社敷地内にはリッツカールトンがあるではありませんか! 他のドイツの自動車メーカーで、敷地内にホテルがあるところは見た事がありません。納車式の為に遠方からいらっしゃる方、Autostadtや近郊を見学ついでにゆっくりしたい方などにはかなりの好立地ですね。

広大な敷地内を歩き進めると、いくつもの建物が点在しています。なんだろう? と思っていると、これらは全て展示館なのだそうです。それもVWグループのメーカーごとに建物が分かれているというではありませんか。まさに万博会場のようです。

アウディ、ポルシェ、スコダ、セアト、そして本家のVWで、各メーカーの特色がよく表れた展示でした。展示台数は少ないのが少し残念でしたが、これだけのメーカーが一同に集うのは、ある意味とても贅沢な事ですよね。

私が今回ここを訪れた目的のひとつが、VW名物のCurry Wurst(カリーヴルスト=カレーソーセージ)を食べる事! のんびりブラブラと展示を眺めたり、公園でぼーっとしているとあっという間にもうかなりの時間が経っていて、そろそろお腹も空いたので食べに行こうと思い、レストランに行くと、あれれれ? ここでは食べられませんよ、メインのショールームの上の階にあるレストランへ行ってくださいと言われてプチパニックです(笑)。いつでも施設内のどのレストランでも食べられると勝手に思っていたのに、どうやらそうではなかった……。
カリーヴルストが提供されているメインのショールームがあるのは広大な敷地内の一番奥、そして私がいるのは一番手前のメインエントランス。お店の方は、「17時で閉店してしまうので、急いでください」とおっしゃるではないですか。今はもう16時45分! ええ~あの奥までまた戻る? 間に合うのかな?と思いつつも、猛ダッシュです。滅多に来られる距離ではないだけに、何としてでも食べたい! 必死です(笑)。

ところで、カリーヴルストとは、焼いたソーセージ(輪切りになっているお店もあります)にカレー風味のケチャップが掛かっているもので、ドイツの国民的なスナックのひとつです。VWのカリーヴルストは、1973年から社員食堂で長年提供されている人気メニュー。提供されている専用のソーセージはVWの自社ソーセージ工場で作られているそうで、このソーセージにも純正のパーツナンバー『199 398 500 A』が付いているんですよ。そして、カリーヴルストに欠かせない専用のケチャップもパーツナンバー『199 398 500 B』が付いており、ドイツ国内ならVWの正規ディーラーや販売店で注文する事が可能なんだそうです。また、ヴォルフスブルグ市内や近郊のスーパーマーケットでも購入できるんですって。

さて、猛ダッシュをして汗だくで息を切らせながらレストランへ到着。もう閉店準備のお掃除が始まっていましたが、恐る恐る「まだカリーヴルストは注文できますか?」と聞いてみたところ、喜んで! と出してくださいました。付け合わせのポテトと両方で確か8.90ユーロ(約1300円)だったと記憶しています。正直「高っ!」と思いましたが、まぁ、仕方がないですよね(笑)。これこれ、これが食べたかったんですよ!
窓側の席からは最新モデルがずらりと並んだフロアが見渡せ、また、レストラン内にはエンジンや昔のVWの写真が多く飾られていてとてもステキな空間です。
が、私ひとり貸し切り状態で、お店の方は「気にせずゆっくり食べてくださいね」に申し訳なく流し込むようにして食べました(笑)。ここでもソーセージとケチャップは売っていたのですが、もうレジを閉めておられましたので、食べ終わると売店に行き、このソーセージとケチャップを自分用のお土産に購入して、とても満足して退館しました(笑)。今回は残念ながら時間の都合で入館は叶わなかったのですが、ミュージアムにも次回は必ず訪れたいと思います。

せっかくなので、VWの本社の前の道路を隔てた所にあるあるサッカーのブンデスリーガ1部のクラブチームVfLヴォルフスブルグのスタジアムや練習場も外からチラっと見学させて頂きました。メインスポンサーはもちろんVWです。残念ながら、現在は日本人選手は所属していませんが、かつては大久保嘉人選手や長谷部誠選手も所属していました。

今年でVWのオリジナルのこのカリーヴルスト用のソーセージの製造開始から50周年を迎えたそうです。丁度、この記念の年にここを訪れる事が出来て良かったです! 今度、近所のVWディーラーで本当にソーセージとケチャップが注文できるか試してみたいと思います。
余談ですが、このスパイスの効いたカレー風味のケチャップですが、これでナポリタンを作ったらめちゃくちゃおいしかったです!

〇アウトシュタット
チケット料金
大人:18ユーロ
割引(学生等):14ユーロ
子供(6歳~17歳)や17歳以下の学生:6ユーロ
家族(両親または祖父母と3名までの子供:35ユーロ
小家族(大人一人と子供3名まで):25ユーロ
月~木曜日の夕方4時以降の入場:6ユーロ
夕方6時以降の入場:無料
年間パス:34ユーロ~

この記事を書いた人

池ノ内 ミドリ

武蔵野音楽大学および、オーストリア国立モーツアルテウム音楽院卒業。フリーランスの演奏家を経て、ドイツ国立ミュンヘン大学へ入学。ミュンヘン大学時代にしていた広告代理店でのアルバイトがきっかけでモータースポーツの世界と出会い、異色の転身へ。DTM、ル・マン/スパ/ニュルブルクリンクの欧州三大24hレースを中心に取材・執筆・撮影を行う。趣味は愛車のオープンカーでヨーロッパのアルプスの峠をひたすら走りまくる事。蚤の市散策。

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