911シリーズファンならば、いわゆる「空冷期」と「水冷期」の間には大きな隔たりがあることはご存じだろう。それはクルマ本体の機構的違い、乗り味の変化から現在の市場価値に至るまで多岐に亘る。
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中でも空冷最終世代の993型と、エンジンの水冷化他、車体の完全刷新を果たした996型との隔たりはあまりにも大きかった。911の未来を照らすはずの996型は賛否両論を巻き起こす。911シリーズの本質はRRあるいは4WDとフラット6エンジンがもたらす唯一無二のドライブフィールであったはずだが、意外やスタイリングというものも重要なファクターであることに多くの911シリーズファンが気づいたのだった。
911シリーズの世代交代というのは、これまでは見た目より中身というのが常識だった。だからポルシェに詳しくない人が見れば、空冷時代に大きく3度ものフルモデルチェンジが行われたことなどはわかり難いはずだ。ところが、996型から997型への世代交代は機関のリファインよりも外装の変更に重きが置かれた。これは996型の外観の不評を、ポルシェが認めたと判断してもいいかもしれない。
ルックスの変更だけが要因ではないと信じたいが、1997~2003年までの996型の平均年間販売台数が5.7万台程度だったのに対して、2004~2011年までの997型のそれは実に9.2万台と急増、2011年に至っては10万台の大台を突破している。その後911シリーズの年間販売台数は倍々ゲームで増え続け、2021年30万台を超えた。
これまでに数々の歴代ポルシェ911シリーズのミニカーをリリースしてきたメイクアップだが、水冷世代は996をスキップして997シリーズからバリエーション展開を行っている。今回リリースされるのは、“ロードゴーイングレーサー”の異名を取る、超ハードなグレード、GT3 RSで、非常にコンペティティブなソリッドカラー単色のボディに、これまたレースカーそのものといった、『BBS』 製のCUPホイールが組み合わせられている。そのホイールひとつをとってみても、リムは真円性と質感に優れたアルミ製の挽物パーツ、ディスク・メッシュ部はホワイトメタル製部品を組み合わせるといった拘りが満載で、実物を手にすれば\33,000(税込)の価格の納得が行くはずだ。
「メイクアップのミニカーは集め出すとキリがない」。そんな好事家の嬉しい悲鳴をよく耳にするが、例えば997型だけにするとか、RSと名の付くモデルに照準を絞る、あるいはターボだけを並べるとか、楽しみ方も色々あるだろう。
◆商品ページ: https://www.makeupcoltd.co.jp/products/detail/1419
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