2ドアのスタイリッシュさとセダンの利便性を兼備!「230セドリック/グロリア4ドアHT」発売!【51年前の今日、こんなことが…】

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日本初のピラーレス4ドアHT、堂々登場!

この記事の公開日は2023年8月8日。今から51年前の今日――すなわち1972年8月8日に発売された、日本初のボディ形式を持つ高級車をご存じであろうか? 日産セドリック/グロリアの4ドア・ハードトップである。

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1971年、日産セドリックとグロリアはフルモデルチェンジを行って230型系となり、2月23日に発売された(2ドア・ハードトップは4月1日発売)。この230型系は、セドリックとしては三代目、グロリアとしては四代目となる。元はプリンスの車種であったグロリアだが、この230型から、グロリアは根本的にセドリックと設計を共通化させ、完全な兄弟車となっている(厳密にはグロリアは型式にGを付けて区別される)。

登場時点での230型系のボディ形式は、4ドア・セダンと2ドア・ハードトップ、そしてワゴン/バンの3タイプ(グロリアにはワゴンの設定なし)。当初は2Lエンジン搭載車のみのシリーズとなっていたが、発売8ヶ月後には2.6Lモデルを追加、1972年7月には2Lモデルのみ先行してマイナーチェンジを行った。そしてその翌月に追加された新たなボディスタイルが、4ドア・ハードトップだったのである。

現在ではハードトップというボディを持つ車種自体非常に少なくなったため、この形式についてはあらためて説明しておく必要があるかもしれない。オープンカーに装着する硬い別体ルーフのことも同じくハードトップと呼ばれるが、ボディからセンターピラー(Bピラー)やドアサッシを除いてサイドウィンドウ部を筒抜けにすることで、この「ハードトップ装着状態のオープンカーを模したボディ」としたものが、ボディスタイルとしてのハードトップの始まりである。そのため、本来はウェストラインから上をボディと別カラーにしたスタイルが本流であった。これは1940年代にアメリカで登場したもので、1950年代には4ドア車のハードトップも販売されるようになった。

1960年代には、アメリカ製乗用車の豪華さを象徴するのがこの4ドア・ハードトップとなっていたわけだが、日本では2ドアのハードトップ化をトヨタが先んじて実現したものの(トヨペット・コロナ、1965年)、4ドアのそれは未だ導入されていなかった。この、ある意味アメリカ的豊かさの象徴とも言えるボディ形式を国産車として初めて実現したのが、230型系セドリック/グロリアだったという訳である。前述の通りこのシリーズには当初から2ドア・ハードトップがラインナップされており、遅れて追加されたこの4ドア・ハードトップは、2ドアのルーフラインをそのままにドアを4枚としたものであった。

前後のデザインも専用のもので、特にリアは華やかに
ボディ前後のデザインは4ドア・ハードトップ専用のものとされており、フロントグリルは先のマイチェンで登場した2Lセダンのグリルと基本形状を同じくしつつ、ヘッドライトを丸型4灯から角型2灯としたものだ。ただし、グロリアのセダンではセンターグリル中央にオーナメントがあったが、4ドア・ハードトップではこれが省略されている(と言うよりセンターグリル左に配置)ため、表情が若干のっぺりとしている。リアビューはテールランプもガーニッシュも専用のものであったが、セドリックとグロリアの違いがほとんどなく、バッジが異なるのみと言ってよかった。

4ドア・ハードトップのグレード構成は2LのカスタムデラックスとGL、2.6LのGXという3種類のみからなり、これをベースにシフトやフロントシート形状の違いでバリエーションが展開されている。シフトは4速マニュアルのフロアシフトとコラムシフト(OD付き3速)、3速ATのフロアとコラムがあり、シートはセパレート/セミセパレート/セミセパレート風ベンチの3種類。

シートとシフトの組み合わせは全てが用意されたわけではなく、4速フロアシフトはセパレートシート車のみとなるなどある程度限定され、また2600GXにはセパレートシート/フロアシフトのみが設定されていた。この組み合わせとグレードの掛け合わせでバリエーションは全14種類となるが、グロリアでは2000GLおよびカスタムデラックスにセパレートシート/コラムMTの組み合わせがないなどの差別化がされ、全10種類となる。

車両本体価格は2600GXのフロアMT車で163万円、2000GLのフロアAT車で140万円、2000GLのコラムMT/セミセパレートシート車で130万円、2000カスタムデラックスのコラムMT/セミセパレート風ベンチシート車で113万円であった(いずれも東京地区)。230型系セドリック/グロリアはこの後も、4ドアHT以外の2.6L車のマイナーチェンジ(2L車と同じグリルを装着)、電子制御ATの追加、細部レンズ色変更を含む改良などを行いながら、1975年まで生産された。

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