機械が作ってると思ったら大間違い、ほとんどハンドメイドなんですよ『トミカリミテッド ヴィンテージ スカイラインのすべて』メイキング秘話02

ヘッドライトレンズの背面は銀色に塗装している。バンパー上の銀色のモール、下のウィンカーはパッド印刷での彩色となる。

銀色の外側の窓枠、黒の内側の窓枠、ドアハンドル、「4 VALVE DOHC RS」の文字はひとつひとつパッド印刷する。同時にはスタンプできない。

内装もしっかり彩色されているのがTLVの特徴であり魅力。赤とダークグレーに塗り分けている。マスキング塗装は人手に頼る。

ミニカーの製造工程と聞いて、いったいどのようなプロセスを想像されるだろうか。おそらく多くの方が、TVなどでよくやっている、“大人の工場見学”的なイメージ……生地を練って、焼いて、袋詰めするところまで……機械が一貫してやってくれる菓子パンの製造工程のようなものを思い浮かべるはずだ。

成型機から上がってきたダイキャスト製ボディは「バリ」と呼ばれる不要部分が残っている。木で言えば枝が不要部分、葉がボディだ。

不要部分は大雑把に機械を使って切り飛ばす。切削自体は機械で行うが、機械に一個一個固定するのは人手に頼る。

機械で行えるのは、大まかな不要部分の除去のみ。細部に関しては職人ひとつひとつヤスリで作業する、数千個という数を延々とだ。

ところがである。実際のところは、ミニカーの製造工程は、そのほとんどを人手に頼っているのが現状だ。特にトミカリミテッド ヴィンテージのように様々なボディ形状の車種を細かく作り分けるようなミニカーは作業をオートメーション化/パターン化し辛く、結局人間が対応するのが一番確実かつクオリティが安定、さらに細部の塗装や印刷といたディテールの再現も行いやすい、という判断が下されることになる。

ミニカーへの彩色は塗装と印刷に大別される。こちらはボディを塗ったところ。電気を使って塗料をボディに密着させる静電塗装だ。この後の製造工程は続編で。

しかし、人手に頼るのは良い事ばかりではないのがモノづくりの世界。当然ながらそれだけ多くの人が作業に従事する必要があるわけで、人件費が製造コストを大きく引き上げてしまう。詰まるところ、ミニカーの世界、「良いもの」を狭義ではあるが「精密で仕上げがキレイなもの」とした場合、安くは作れないということになるのだ。逆説的にはその真逆も成り立ってしまうわけで。

次回は詳しい彩色(塗装や印刷でダイキャスト製ボディに着色する作業)についてレポートしたい。

◆『トミカリミテッド ヴィンテージ スカイラインのすべて』書誌情報
 定 価:5,280円(税込)
 発売日:2023年7月28日(金)
 出版社:カルチュア・エンタテインメント株式会社 ネコ・パブリッシング事業部
 予約開始日:2023年6月26日(月)
 仕 様:オールカラー80ページ A5サイズ

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