クルマのコンディションを保つだけでなく、皆が集うガレージライフを満喫できるガレージハウス。【ガレージライフ】

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新車から乗り続けているという「FC3S」と、お子さんたちと共同購入したという「FC3C」が収まるガレージは、自由な雰囲気が伝わってくるスタイル

東京郊外にある最寄り駅から始発を使い、新幹線に乗り換えて今回取材するガレージのある岡山を目指した。9時過ぎに岡山駅に着き、レンタカーを借りてから市街地を抜けて30分ほど走らせたところの新緑が美しい山間部に、そのガレージは建っていた。ガレージ本体は、香川県に本拠地のある「株式会社ヨコイ」が手掛ける「TOYBOX (トイボックス)」のクルマ4台が入る大型タイプが用いられている。

中を覗くと、国産車スポーツカーの歴史に名を刻む名車、2代目「マツダ・RX-7」、「FC3S」と「FC3C」が収められているほかにも複数台のバイク、さらにソファやテーブルセットが置かれるリビングスペースまで用意されており、ガレージのある生活を上手に楽しんでいることが伝わってくる。私は施主のTさんからガレージについての話を伺うことにした。

【写真18枚】キット販売のガレージを長年求め「トイボックス」に辿り着く。 

「トイボックスのガレージを建てたのは4年ほど前のことです。当時岡山市中心部のガレージ付きの家に住んでいたのですが、クルマやバイクの台数が多くなったことや、新車から乗り続けてきた「RX-7」のコンディションを保つためにも、妻の実家でもあるこの場所に建っていた”しいたけ栽培ハウス”をガレージとして利用していたのです。

するとこの場所にガレージを持つ生活が快適だったこともあり、それならば移り住んでちゃんとしたガレージをプランニングしよう、ということになったのです。義父さんが左官職人で何でも自分で作れてしまうことや、私自身も結婚したばかりの頃はお風呂場でバイクのエンジンを組むほどに手を使う作業が得意で、DIYでガレージ造りにチャレンジしたいと思っていたこともあったのですが、部材のみをキット販売してくれる工務店やメーカーは、なかなか見つかりませんでした。

そんなときにトイボックスのことを知り、香川に行く用事のついでにショールームに立ち寄ってみたのです。部材キットで販売をしてくれるとのことや、敷地を上手く利用できる自由設計であることなど、私のイメージ通りのガレージができることがわかり、すぐにオーダーしました」とTさんは話してくれた。

自分の手で何かを作ることに安息を感じることができる
これまでも自身の手でキットガレージを建ててきた例を拝見してきたが、今回のガレージはその中でもかなり大きなサイズである。途中数か月に渡り工期を中断しなければならないときもあったそうだが、ガレージが建つ場所の基礎工事から完成まで約10か月間が掛ったそうだ。

大きなポイントとなっているのは、フレームに使われる金属部材すべてを溶融亜鉛めっき加工しているところだ。大切にしているRX-7をはじめ、ガレージ内にあるクルマやバイクを錆から守るために施されたものであり、この加工処理もトイボックスを扱う株式会社ヨコイで行われた。

話を伺っていておもしろいと思ったのは、RX-7カブリオレやトレーニングジム、バイクなどなど、二人いる息子さんとお金を出し合って共同で購入されているということだ。「100万円の金額はちゅうちょしてしまいますが、30万円ずつなら手が出るというものは多いのです」とTさんは笑いながら話す。

実は、今年の春まで単身赴任をされており、ようやく住まいに戻られたところだと言うT さん。ガレージの中の整理も徐々に進められて、家族や友人、クルマ仲間などが集まってバーベキューなども楽しむなど、自分だけのガレージではなく、みんなで楽しめるガレージとして活用できているようだ。今後長い時間を使ってガレージライフを満喫されることを想像できる素敵な取材となった。

◆PLANNING DATA
 所在地:岡山県岡山市
 ガレージ面積:84平米
 構造:鉄骨造
 外壁/内装仕上げ:ガルバリウム鋼板/構造用針葉樹合板
 竣 工:2019年12月
 愛 車:1988年式 マツダ・RX-7(FC3S)
     1993年式 マツダ・RX-7(FC3C)
     カワサキ・Z1100GP、ホンダ・CBR600RR など

◆OWNER’S CHECK
・一番気にいっているところは?
 ピットを用意したことで車体の下から作業ができることです。
・ちょっと失敗したところは?
 完成時シャッター下部から雨が浸入しましたが修正しました。
・次の夢はなんですか?
 4柱リフトを設置したいです。
・読者へのアドバイスを!
 サラリーマンであってもガレージを持つ夢を諦めずに頑張れば実現します!

◆COMMENT FROM A BUILDER:株式会社ヨコイ 空間デザイン事業部 藤嶋隆司さん
「親子三代で100年使えるガレージを造りたい」これが施主様の第一声でした。それがお孫さんまで含めた四代で使って頂ける。設計者としてこんなに嬉しいことはありません。家族や仲間と過ごす時間をより豊かに!これが私の手掛けるTOYBOX の理想の形です」

設計:TOYBOX 株式会社ヨコイ 香川県高松市一宮町1508-3
Phone/087-816-1811  https://www.gd-toybox.com/ 

『GarageLife Vol.96』掲載

Photo &Text/Dan-KOMATSU(小松 男)

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