サブフレームを継ぎ足した先にボンネットが付く
旧グンゼ製ハイテックモデルのジャガーEタイプを作っていく連載、第6回目である。はやく廉価版のプラホイールでもなんでも使って4点接地を確認しないんだろうか、と訝しむ声をよそに、今回はフロントフレームに戻ることとする。
【画像21枚】綿密かつ大雑把な作業内容を見る!
さて、今までのところでは、エンジンが収まりフロントサスペンションが取り付けられるフレームを「サブフレーム」と表現してきたが、実車のパーツカタログを参照していたところ、「サブフレーム」という語が指すのは、このフレーム前面に付く、ボンネットとの接続部やラジエターのマウント部分を含んだ、横から見ると三角形を形作る部分のみであることに気がついた。そのため、ここからは車体前半フレーム全体のことは、フロントフレームと呼ぶことにする。なお、ネットで検索してみると、英語圏の人たちもフロントフレーム全体をサブフレームと呼ぶことはあるようなので、前回までの文章は修正せずにそのままとしておこう。
このキットでは、当該サブフレーム部分はある程度自分で構築する必要がある。画像を参照していただきたいが、下側チューブとラジエターマウントは一体のホワイトメタル部品となっており、これをフレーム前面(この部分はピクチャーフレーム=額縁と呼ばれるらしい)に取り付けつつ、上側のチューブを付属のメタルロッドで斜めに取り付けて、このふたつのメタルパーツの接続を補強するとでも言うのか、まあ実車と同じように構成するわけである。
という拙い文章での説明で理解していただけたかどうかは分からないが、つまりこのサブフレーム部分を組み立てておかないと、ここにヒンジが付く構成であるために、ボンネット(フロントカウルと言うべきか)が取り付けられず、仮組みをしても車高やトレッドの様子が確認できないという訳なのだ。説明書では最後の方の工程でチャチャッとここを組み立てるような描き方をしているのだが、まずこれは無理だろう。
パッケージの完成写真。普段は可動ギミックというものにはさほどこだわらないのだが、Eタイプのボンネットはやはりこのように開くほうがいいと思う。左上のフレーム・エンジン周りが剥き出しのカットでは、サブフレームは取り付けられていない。
とは言っても、車高やトレッドを見るためだけなら、ボンネットはボディにテープで仮止めでもしておけばそれで済むのだが、この時点でヒンジの組み方なども確定してしまった方が、何度も仮組みとバラシを繰り返さなくて良くなるだろう、という判断でもあるとご理解いただきたい。また、キットの構成に従って組み立てることでボンネットが間違いなく取り付けられるのか、それを先に確認しておきたいという理由もあるのだった。
上下を斜めにつなげる角度をどうやって決めるか…?
この斜めに付くチューブの取り付けだが、その取り付け穴を開けるのがなかなか難しい。付属のメタルロッドなり他の金属棒なりを使うとして、取り付け穴はさほど深く開けず、金属棒の末端がわずかにハマる程度の凹みを付けておけばよい、という考え方もできるが、それでは確実な組み立てにならず、ちょっとしたショックで壊れてしまうのではないだろうか。やはりある程度の深さの穴を開けて、そこにスポッと金属棒がはまるようにしないといけないのだが、この取り付けは前から見ても横から見ても斜めなので、その角度をどう決めるのかが問題だ。
色々考えたのだが、結局、上側の基部を一旦貫通させて、取り付け穴ではなく孔にしてしまうのが確実であろう。貫通させてから、孔の角度を調整するのである。フレームはボディカラーで塗装してしまうのだから、上部は削って平らに均してしまえばよい。角度が斜めだから、接合が不確かなせいで後々スッポ抜けてしまう、ということも多分ないだろう。という判断のもとに行ったのが今回の作業である。ここを先に組んでおいてもサスペンションの組み立てには支障はないはずだが……大丈夫だろうか?