ニュルブルクリンクに向けて今季初の長距離ドライブへ!
雪が降ったかと思ったら、知らぬ間に近所のオリンピック公園の桜がほぼ満開になっており、なんだか目まぐるしい天候と季節の移り変わりについていくのもやっとの事です。気温が20℃程まで上がったかと思えば、天気予報に雪のマークがつく日もまだあり、まだ冬タイヤは外せないドイツです。
3月26日から夏時間になり、1時間だけですが時間が前倒しになりました。たった1時間なのに、なぜかいつも少しだけ時差ぼけな感じになります(笑)。
私はモータースポーツの仕事を生業としていますので、春の訪れと共にやっとシーズン開幕となり、自走で仕事に向かうのが楽しみな季節です。
シーズンが始まると月の大半をホテルで暮らす時もあるのですが、普段はミュンヘン市内に住んでおり、公共交通機関が発達しているのと、街の中心地まで自転車で20分程ですので、よっぽど悪天候でない限りは普段のアシはほぼ全てママチャリで事が足りていますので、昨年のシーズンオフから約4か月間、愛車を全く動かさずガレージに停めたままでした。というワケで、今季初のレース取材遠征は、大好きなニュルブルクリンク! 片道約530kmの道のりです。久々にエンジンを掛けようとしたら……案の定、バッテリーの警告が点灯(苦笑)。
ガレージを出ると、すぐにナビが違うルートを案内し始めました。どうやら第二次世界大戦の榴弾がアウトバーンの沿線の畑で見つかり、いつも通るアウトバーンのA8号線が閉鎖されているようでした。ドイツ各地でいまもたまに第二次世界大戦の爆発物が発見される事があるんですよ。
ミュンヘンからはA8号線はシュトゥットゥガルトを通る路線ですが、この封鎖でニュルンベルグを通るA9号線経由で、途中ビュルツブルグやフランクフルトを通って約560kmをニュルへ向かいました。お天気もよく、そこそこ空いていたので気持ちの良いロングドライブです。
丁度、途中で給油に立ち寄ったガソリンスタンドの前に大きなバナーが貼られ、プーマのアウトレットが2km先にあるとか!スタンドの店員さんに道を聞いて、立ち寄ってみました。いつもは朝に家を出て約530kmを走り、午後に到着するとすぐに取材に着手するのですが、この日は移動だけなので心の余裕もありました。
ガソリンスタンドの店員さんに教えて頂いた道のりを走ると、大きな倉庫のような建物に到着。日本のようなアウトレットモールに入っているプーマショップもあるのですが、ここは物流センター内のプーマ単体のアウトレット。もはやユニクロやGU、しまむらよりも安い洋服や靴がいっぱい⁉ もちろん即決で購入。他にも欲しいものは色々あったのですが、ひとまず渋滞の前にニュルへ辿り着こうとアウトバーンへと戻りました。
巨大なプーマのアウトレットショップに超お買い得品が!
休憩以外、道草はもうしないだろうと思っていたら、1時間ほど走ると車窓には巨大なプーマの建物がまた見えてきました。おや、またアウトレット‼ また懲りずにアウトバーンを降り、アウトレットへ。こちらは新しくできたプーマの巨大物流センターに別棟を作ったという感じでしょうか。めちゃくちゃ広くてテンションが上がります。この店舗ではポルシェのアイテムが充実で、定価よりもかなり割引されてお買い得感満載です。しかし、先に立ち寄った店舗でBMWモータースポーツのTシャツが6ユーロで(約840円)買えた後に、30ユーロ前後のポルシェのTシャツが物凄く高く感じてしまい、大好きなポルシェ917のデザインですが、今回は諦める事にしました。
他にもフェラーリやメルセデスのF1のアイテムにも惹かれましたが、こちらはBMWやポルシェほどの大幅値引きがされておらず、途中下車の楽しい時間を過ごせて大満足。この時点でまだバイエルン州内におり、いい加減にニュルへ行かなければなりません(苦笑)。
ちなみに、プーマとアディダスはルドルフとアドルフ・ダスラー兄弟が起こしたブランドで、両社ともニュルンベルグ近郊のヘルツォーゲンアウラッハにいまも本社を構え、その距離はめちゃくちゃ近いのです。従って、物流センターがバイエルン州内に数多く、アウトバーン沿いには両社のアウトレットストアが点在しているようです。
この2日前にはドイツ全域で積雪があり、道中のアウトバーンの路肩や沿線にはまだ薄っすらと雪が残っている箇所もありました。そうこうしている内に、フランクフルト手前からは上下線びっちりの大渋滞。ドイツの都市部の毎日の渋滞は、まるで日本のお盆や年末年始のようで、これが毎日あるのですからたまりません!この渋滞を避けるために早目に自宅を出たのに、アウトレットのはしごで元もこうもありませんでしたが、楽しかったので良しとしましょう。
帰宅ラッシュに加えて事故渋滞もあり、フランクフルト手前のオッフェンバッハからコブレンツまで、この日はなんと約140kmもの道のりがStop & Goの超ノロノロ運転となってしまいました。宿に着いた時にはもうぐったり。
愛車には普段から渋滞に備えて飲み物やお菓子を積んであるのですが、この日はお昼に食べようと思って家からおにぎりを持ってきており、それも少し多目だったので渋滞中には大助かりでした! このような大渋滞の時に限ってサービスエリアがなかったり、あったとしてもこちらも渋滞で駐車場にさえ入れない時もあります。
ガソリン価格は最近少し落ち着き、私がいつも入れるE95(Super)が1.80ユーロ前後(約250円)と一時の2ユーロ越えの大高騰の時よりは少し落ち着いているものの、まだまだ私には高過ぎて困ります。
コロナとウクライナの戦争を経て急激に値上がりした燃料価格により、アウトバーンを走るクルマのスピードは全般的に随分と遅くなり、以前よりはぶっとばし系は少し減ったような気がします。私も160km/hまでに抑えるようにしていますが、深夜に長距離をドライブして帰宅する際に、どうでもよくなってたまに踏んでしまう事もあるものの、概ね継続できています(笑)。ドイツのアウトバーンは街灯が殆どなく、夜は真っ暗です。
最近のLEDライトは物凄く明るいのですが、それでも見難い箇所も多々あるのと、余りにも暗すぎて後続車との車間距離を掴むのが難しく、速度無制限の区間の合流の際にはヒヤっとする場合もあります。そして、何よりも怖いのが古いクルマです。ライト類が暗く、真っ暗闇の中でスピードを出していると見難い事も多々あり、ドキっとする事もありますし、特に近隣国ナンバーのクルマは整備不良が多いのか、ライトが壊れて片方だけや一部しか点灯していない車両も見掛けます。
ぽつんぽつんと前にゆっくり走るクルマがいる場合に、アダプティブハイビームを着けて部分的に走行しています。前方を走る車両に、『ハイスピードで近づいてますよ!』という意味もあり、利用しているドライバーは少なくありません。
夜間は空いているから大丈夫だろうと後続車の確認をせずに、ウィンカーを出さずにゆっくりと追い越し車線へ車線変更を目の前でされて急ブレーキを踏まざるを得ない場面に遭遇した経験も何度もあり、それからは真っ暗闇の中ではアダプティブハービームを有効活用するようになりました。日中よりも視界がかなり狭くなる真っ暗闇の速度無制限のドライブはなかなかスリリング!
冬タイヤの装着時以外で深夜の空いている時間帯には、3車線の内で私が一番遅い走行車線(右)で約190km/h、真ん中が約220~250km/h、左の追い越し車線がそれよりもずっと速い速度という場面にも遭遇しますので、テールランプが物凄く暗い遅い車が前方にいると本当に心臓に悪いのです。
ちなみにこのような速さのクルマに抜かされると、音と揺れを感じます。まるで新幹線がすれ違う時のような感覚です。
たまにレーザーライトを搭載したクルマに遭遇するのですが、隣の車線を後部から着いて行くと、かなり先まで視界開けてとても明るく照らしてくれるので、とてもとても助かります。恐らく前を走っているクルマにはとんでもなくバックミラーが眩しいかと思いますが、全く動じずずっと低速で真ん中車線を走り続けるクルマもいます。突如不明な動きをするクルマもいるだけに、無防備な車線変更はせず、走行車線をキープしてくれると追突される危険性は少ないと思いのですが……。