【Tipo】いつだって、軽くて速くて気持ちよく! 今でも楽しめるロードスターとライバルたち『アバルト124スパイダー』編

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「オープン」×「ライトウェイト」×「2シーター」のスポーツカーは、ちょっと頑張れば手が届きそうな身近な存在だ。今回はアバルト124スパイダーをピックアップ!

前回の「NDロードスター」編はコチラから

イタリアらしい大らかな走りが魅力

アバルト124スパイダーを開発するとき、マツダのシャシーエンジニアもこれに付き合ったとの話を後から聞いたが、彼らにしてみれば「あ~あ、まじぃ!?」という感じだっただろう。だって1g削り取るために神経をすり減らしたボディには重たいバンパーをドカッ! とくっつけるし、2L版の駆動系を使えばよいとはいえ過給機はくっつけるし。サスセッティングの考え方だって、かはり違ったはずだ。

こうして出来上がったアバルト124スパイダーは、確かにロードスターの触感やディテールをそこかしこに残しながらも、きちんとイタリアンスポーツカーとして仕上がった。本音を言えば、アバルト595のような火の玉っぷりが、もっとあっていいけど。

【写真8枚】イタリアらしい大らかな走りが魅力、アバルト124スパイダーの詳細を写真で見る

ロードスターのような繊細なドライブフィールを求めるなら、124スパイダーは選ばない方がいい。1.4Lの排気量から170PS/25.5kg-mを発揮するターボエンジンは基本的に低速トルクが細く、うかつなクラッチワークではエンストも当たり前。しかし回すほどにパワーが漲り、ゾーンに入ればドリフトコントロールも自由自在。低速トルクの細さなんて、アクセルをちょっとふかしてクラッチをミートさせればいいんだ! っていう、大らかな乗り方が一番合っている。そしてひとしきり汗をかいたら、ゆったり流す。走り出してしまえばそのトルクで、GT的に扱えるのも大きな美点。

ディスコンとなってしまったのは悲しいけれど、これぞイタリアンたちが求めていたFRスポーツだと思う。

(ロータス・エリーゼ編へ続く)

【Specifications】アバルト124スパイダー
■全長×全幅×全高:4060×1740×1240mm
■ホイールベース:2310mm
■トレッド(F/R):1495/1505mm
■車両重量:1130kg
■エンジン:直列4気筒マルチエアターボ
■総排気量:1368cc
■最高出力:170PS/5500rpm
■最大トルク:25.5kg-m/2500rpm
■サスペンション(F/ R):ダブルウイッシュボーン/マルチリンク
■ブレーキ(F/R):Vディスク/ディスク
■タイヤ(F&R):205/45R17

撮影:内藤敬仁、佐藤亮太 ティーポ366号より転載

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