ここでひとつ、皆さんにとって身近な企画を展開したいと思います。メインテーマはチューコ車。選ぶ条件は二つ。ひとつは手に入れやすい価格帯ということで200万円以下。もうひとつは、それほど速くなくても運転を楽しめるマニュアルモデル。このお題で、ティーポ編集部員がアチラコチラで探してきたら、こんな魅力的なクルマが集まりました。「オレならこれだなぁ」「いやいやコッチだろ!」と、皆さんも一緒になって選んでください。
大人にこそ乗ってほしい快適コンパクト
マニュアルシフトのハッチバック車、イコール若者のクルマというのは、既に幻想というか過去の話で、今やこうしたクルマは、子育てが一段落した中高年の方に人気なのだそうだ。
自分は本来そうした世代なのだが、まだ子供が小さいのでATのセダン(初代C5後期型)に乗っているものの、この気持ちはよくわかる。というのも、ほぼ夫婦二人での移動なら後席の居住性は重要でないし、街中での取り回しを考えたら小さいクルマの方がいい。でも運転は楽しみたいし、そこそこ元気に走れるパワーは欲しい。となれば、マニュアルのハッチバック車という選択になるはずだからだ。
ただここで、個人的に譲れないことがある。それは乗り心地がある程度良くて、長距離でも疲れないこと。プライベートでも仕事でも、長距離を走ることが少なくないので、高速道路を快適に走れないクルマはNGなのだ。ついでに言えば、中高年が乗っても恥ずかしくない、落ち着いた雰囲気とセンスの良さがあると、なおありがたい。
【写真10枚】小さくても立派なロングツアラー! シトロエンDS3の詳細を写真で見る
そんな条件でチョイスしたのが、このシトロエンDS3スポーツシックだ。2013年式のこの個体は、156PSの1.6Lターボ・エンジンを搭載するのだが、このエンジンと6速MTのマッチングが凄くいい。踏めば相当に速い加速感を味わえるが、フラットトルク型なので、頻繁にシフトする必要がなく、街中でも煩わしさがないのだ。
しかも、さすがはシトロエンだけあって、前席の座り心地が抜群にいい。サイズが大きくて、適度に沈み込む感じがあって、サイドサポート性もいいと来る。またインパネ周りのデザインが良くて、カーボン調のフェイシアや各所に配されたアルミ色のアクセントにも安っぽさが一切ないのもいい。
足周りはそこそこ締まっているものの、ストローク感があってかなり快適。タイヤが45扁平の17インチのためやや当たりが硬いが、16インチも使用可能なので、ホイールごと交換してしまうのも「アリ」かも知れない。
パワーに余裕があって、乗り心地が良くて、車内は静か。となれば、長距離ドライブは得意中の得意なわけで、実際今回撮影場所までほぼ高速道路で移動したのだが、実に快適だった。
もう一つ言えば、DS3は長寿車で、マイチェンこそしているものの、現行モデルと見た目はほぼ変わらないため、古臭く見えないのも魅力的だ。
というわけで、DS3スポーツシックは、まさに「大人のためのホットハッチ」と言えるのではないだろうか?
(中編に続く)
【SPECIFICATION】シトロエンDS3スポーツシック(2013年式)
全長×全幅×全高:3965×1715×1455mm
ホイールベース:2455mm
トレッド(F/R):1465/1455mm
車両重量:1190kg
エンジン:直列4気筒DOHC+ターボ
総排気量:1598cc
最高出力:156PS/6000rpm
最大トルク:24.5kg-m/1400〜3500rpm
サスペンション(F/R):ストラット/トーションビーム
ブレーキ(F/R):Vディスク/ディスク
タイヤ(F&R):205/45R17
中古車両価格(取材時):128万円