文句ナシにカッコイイ、60sポンティアック!メビウスモデル製プラモ「1961年型ベンチューラ」を作る【モデルカーズ】

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バブルトップが美しい2ドア・ハードトップ

GM(ゼネラル・モータース)のラインナップの中でも、シボレーよりはやや上、かつスポーティな性格を持ち味としていたのがポンティアックである。ポンティアックがスポーツイメージを強め始めたのは1950年代のことであったが、その最後の年式である1959年型の基本デザインは、1960年代最初の年である翌年型でも継承されていた。

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1961年型のポンティアックは、GMの他のブランド同様に完全なリスタイリングを実施、フレーム形状もX型からペリメーター型へと変更している。ルックス上のポイントとしては、前々年(1959年)型で「斬新なデザイン」として注目された二分割フロントグリルを再び採り入れたのが特徴で、以後、二分割グリルはポンティアックのアイデンティティとして連綿と受け継がれることとなる。

この新しいボディは、前年まで続いたラップアラウンド・タイプのフロントウィンドウを廃して、Aピラー形状も比較的常識的なもの(下側が丸まっている)とし、全体のプロポーションもよりフラットかつスクエアなものとなって、GM系の1960年代の方向性を示すスタイリングと言えるだろう。ただし、2ドア・ハードトップのみは丸みを帯びたグリーンハウス形状(バブルトップなどとも呼ばれる)が維持されていた。

1961年型における最大のトピックは、ホイールベース112インチ(2845mm)のコンパクトカー、テンペストが新たに加わったことだが、フルサイズのシリーズ構成は前年と大きく変わらない。デザインは共通ながらホイールベースは2種類あり、ショート・バージョンの119インチ(3023mm)を採用するのは下級モデルのカタリナとそれより若干豪華なベンチューラ、ロング・バージョンの123インチ(3124mm)はスターチーフとフラッグシップモデルたるボンネビルとなる。

ボディ形式を見てみると、ワイドバリエーションのカタリナ(2/4ドア・セダン、2/4ドア・ハードトップ、コンバーチブル、4ドア・ワゴン)に対し、カタリナを若干豪華に仕立てたという位置づけのベンチューラは、2ドアおよび4ドアのハードトップのみとなっていた。ロング版シャシーを採用するスターチーフとボンネビルは、外観でも円形三連テールを装着していることで区別されている。スターチーフは4ドアのみで、セダンとハードトップ(ポンティアックでは“ビスタ”と呼ばれる)があった。

これらフルサイズ車のエンジンは全て389-cid(6.4L)のV8が標準となるが、搭載モデルによって出力が少々異なる。ベンチューラでは215hp仕様をスタンダードとし、さらに230、235、267、287、318、333、348hpの7種類がオプションとして設定されていた。さらにレース用ユニットとして、405hpを発揮する421-cid(6.9L)“スーパーデューティ”がこの年の途中から登場している。

素晴らしいキット内容だが、組み立てには要配慮。仮組みなどを入念に
1960年代のフルサイズ・ポンティアックに関して、1/25スケール・プラモデルは、当時モノの所謂アニュアル・キットとして、1965年型までをAMTがリリースしていた。1961年型のキットとしても勿論AMT製のボンネビルがあったのだが、近年において、新興メーカーのメビウスモデルから、ベンチューラとカタリナが新たにキット化されている。ベンチューラがまず2015年にリリースされ、その後NASCAR仕様のカタリナ、そしてノーマルのカタリナとバリエーションを展開したのだが、ここでお目にかけているのは、ベンチューラのキットを制作した作例である。

キットは、実車カタログのイラストをアレンジしたパッケージを持ち、パーツ類も丁寧に包装されていて好感が持てるものだ。プラの材質は少し脂っぽい感じなので、中性洗剤で一度洗うことを勧める。ボディは実車のイメージを良く捉えており、全体に肉厚でしっかりした印象。パーティングラインはごく弱く、軽く紙ヤスリを当てるだけで良いが、パネルラインは一部弱い所があるので、出来れば筋彫りを均一に深くしておこう。

パーツにはダボ用の穴が開いていなかったり、狭かったりするので、事前の仮組みで確認が必要。実車画像とも合わせてよく確認してから組み立てるとよいだろう。前後ウィンドウは外付け式となっているが、事前に充分な調整が必要だ。グリルはボディにフィットさせるため、取り付けダボやグリル裏(エンジン側)を削り込む必要があった。インテリアはディテール表現も良く、フロントシートはベンチタイプとバケットタイプの2種が付属している。バケットのパーツは側面にヒケが出来ているので要修正である。

シャシーフレームはフロアと別体となっているのが嬉しいところ。パーツのエッジ部分がまくれている所があるので、軽くヤスリを当てて整える。フロントのスピンドルはパーツが2種類入っている(片方はレース仕様のパーツ)ので間違えないように。ホイールは、説明書のイラストは間違いで、ホイールセンターは内側からセットする。リングは塗装後だと入らない場合があるので、事前に調整しておくとよいが、このパーツは折れやすいので、作業は慎重に行おう。エンジンもシャシーへの収まりがイマイチ良くないようなので、接着箇所の確認を行いながら調整するとよい。

作例制作=周東光広/フォト=服部佳洋 modelcars vol.245より再構成のうえ転載

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