【表紙のクルマ!】ST185型「トヨタ・セリカGT-FOUR」1995年の「サファリ・ラリー」で日本人初優勝!【トヨタ・スポーツ】

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新発売のムック「トヨタ・スボーツ」は、トヨタのスポーツカーやモータースポーツの魅力を1冊に凝縮した完全保存版だ。ここでは、そのコンテンツから本誌の表紙を飾ったST185型トヨタ・セリカGT-FOURの記事を少し紹介させていただこう。

【写真6枚】モノホン、ラリーマシンのディテールをチラ見!

日本人の手で頂点に導いた栄光のマシン

本誌の表紙を飾ったST185型トヨタ・セリカGT-FOURは、1995年のサファリ・ラリーにて、藤本吉郎さんが日本人初優勝を果たしたマシンそのものだ。ここではレース後に時を経て行われたレストアの模様などご本人のコメントを交えながら、栄光のマシンをご紹介したい。

WRC2022年最終戦の『ラリージャパン』が11月13日に閉幕した。当ラリーは12年ぶりに開催されたトヨタ母国でのラリーだ。

開催場所のひとつとなった愛知県に赴き、トップカテゴリー参戦車のアグレッシブな走りをチェックしてきたが、改めて説明するまでもなく、トヨタのワークスチームへの声援が一番多かった。ギャラリーが盛り上がっている姿を見ながら、ふと、頭の中に思い浮かんだのが”継続は力なり”という言葉だ。トヨタの国際格式ラリー挑戦の歴史は長く、往時は歴代のセリカが活躍していた。

1971年生まれの筆者にとって、トヨタ・セリカといえば4WD仕様のGT-FOURで、なかでも運転免許を取得できる年齢になったときに登場したST185型の印象が強い。

ラリージャパン2022のSS13/14の会場で遭遇したユハ・カンクネンさんの姿にも非常に感動したが、ST185型セリカを駆り、トヨタに日本車初となるメイクスタイトルをもたらした彼と共に我がヒーローとなっているのが、日本人初のサファリ・ラリー総合優勝を成し遂げた藤本吉郎さんである。

今回取材することができ、本誌の表紙も飾ったカストロール・カラーのST185型セリカGT-FOURは、1995年のサファリ・ラリーを制した車両そのもので、藤本さんが2019年にトヨタから譲り受けたものだ。

トヨタ・チーム・ヨーロッパが製作し、国際格式ラリーで優勝した日本唯一の個体なので、それを踏まえた上で本稿を読んでいただけたら幸いだ。

トヨタ・チーム・ヨーロッパが製作し、国際格式ラリーで優勝した日本唯一の個体

サファリ・ラリーのゴール直後の状態で1995年4月に日本へ空輸された藤本さんのセリカGT-FOURは、その後、お台場のメガウェブをはじめとするトヨタの施設での展示等に使われ続けていた。しかし、ちゃんとしたメンテナンスがされない状態のまま23年という長い年月が経ち、クルマの各部が腐食。ヒドイ状態となっていた。

そこで、風化しつつあった現車を引き取り、レストアしたいと思った藤本さんが2018年末にトヨタに申し出て、かつてサファリ・ラリーを制したドライバー本人が個人として記念すべき優勝車を譲り受けたのだ。

レストア委託先はトヨタ・チーム・ヨーロッパ(現在のトヨタ・ガズーレーシング)所属のジェラール・フィリップ・ツィジック氏が率いるカーイング社で、2019年6月にドイツ・ハノーバーにあるワークショップに向けて船便のコンテナで車両が運ばれた。

カーイング社に到着後、2019年8月からバラバラに分解しての完全レストア作業がスタートしたが、23年もの歳月を経て修復不可能な状態の一歩手前だったこともあり、サファリ・ラリーのゴール直後のリアリティ溢れる姿を再現するのは不可能と判断。ラリーがスタートする前の状態にレストアすることにしたそうだ。

各パーツが取り外されたボディは、当時、このシャシーをラリー用に補強していたフランスのマター社に持ち込まれ、的確に修復。ウェットブラストで塗装を完全に剥がして細部に至るまで点検し、錆を落として腐食部を補修しながら再生していった。

腐食で再使用不可能となっていたフェンダーなど、一部のボディパネルは、ST185型の現役当時にセリカRCとして欧州で販売されていた量産車のユーズドカーを部品取り車として現地で調達。そこから移植された。

エンジン関連の作業はカーイング社で行い、総分解チェックの結果、主要部品には大きなダメージがないことが判明。部品の洗浄とシリンダーブロックのボアの再ホーニングを施し、当時のままの状態となるように組みつけられた。

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【CONTENTS/掲載全内容】
●Prologue
巻頭言:トヨタとはスポーツカーの名プロデューサーである
年表:スポーツブランド”GR”に至るまでの系譜
表紙のクルマ:セリカGT-FOUR1995年サファリ・ラリー・バージョン
●New Cars
GRカローラ:”モリゾウ”の名を冠した究極のカローラが登場
GR86:ハチロクの聖地で考える”86とは”
GRスープラ:近くに見えて遠い境地
GRヤリス:3車3様に見るヤリスの多様性
コペンGRスポーツ:似た境遇を持つ”国産”オープンスポーツ
カタログ:新車で買えるGRのスポーツカーたち
●Heritage Cars
コラム:トヨタ・ツインカムの時代
2000GT:日本の誇りを世界に示す時
オーナーヒストリー:目黒通りの2000GT
スポーツ800:軽さがもたらすスポーツ性とは
1600GT:トヨタ・ツインカム第二章
セリカLB:ファストバッククーペの逆襲
スプリンター・トレノ:トヨタ・ツインカム帝国拡大へ
セリカXX:儀式や注釈なしに楽しめる国産スポーツ
イラスト:ヤングタイマーなトヨタのスポーツモデルたち
コラム:ソアラがなければLFAもなかった
●Motor Sports
WEC:世界耐久選手権を次世代へ繋いだ孤高の挑戦者
WRC:母国開催ラリーのポディウムを目指して
ヒストリー:モータースポーツの系譜
●Life with Toyota Sports
フォトグラファー神村さんのMR2人生
9台を所有してきた渡辺さんのヨタハチ人生
KP61スターレットでパリダカに挑んだ日本人たちの記録
モデルカーで辿るトヨタGTマシンの変遷
あなたのトヨタ・スポーツ愛、語ってください!
●And More
編集後記/スタッフリスト/読者プレゼント
自動車画家Bowさんの表紙画の世界
スクランブル・アーカイブ・シリーズのお知らせ

 

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発行年月日:2022125
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