【自動車型録美術館】第38回『アルピーヌV6ターボ』 復活以前のアルピーヌがたどった進化の軌跡を追う

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ALPINE V6 TURBO/アルピーヌV6ターボ

新型A110の復活が記憶に新しいアルピーヌ。原点回帰といわれる新型A110とそれ以前のアルピーヌは何が違うのでしょうか。復活前最後のモデルとなったA610につながるV6ターボのカタログを通して、アルピーヌの歴史を垣間見てみましょう。

【写真10枚】復活前最後のモデルとなったアルピーヌV6ターボのカタログをギャラリーで見る

911を意識したアルピーヌが肥大化を続けていたことを示す存在

新型A110として復活する前の最後のアルピーヌ、A610。その先代となるV6ターボのカタログにアルピーヌの歴史が描かれています。一見すると、エクステリアデザインは同じように見えるV6ターボとA610。しかもアルピーヌV6やV6ターボのGTAシリーズは北米仕様にリトラクタブルヘッドライトを採用しているので、外観的にはA610に酷似しています。そのような両車が共用しているのは、ウィンド類だけだそうです。ところで、デイライトオープニング(DLO)という語をご存知ですか。主にデザインの世界で自動車のウィンドグラフィックを示す用語なのですが、V6ターボとA610をみていると、エクステリアデザインにおけるDLOの重要性を再認識させられます。

A610の前型車にあたるGTAシリーズと、A610で最も異なるのはエンジンです。アルピーヌの伝統に従いリアに置かれるエンジンですが、V6ターボではその名の通りターボチャージャを採用しています。出力は200psになりました。GTAシリーズではターボが2458cc、NAは2849cc、続くA610は2975cc+ターボと肥大化の一途をたどります。新型A110で原点回帰したのはよろこばしいことかもしれません。本文で説明したDLOを共用しているので、一見すると同じように見えるGTAシリーズとA610。もし両車を同時に眺めることができたなら、外観の変更点を探すのもたのしそうです。
●内容:サイズ:250mm×269mm ●全20p+ケース

フランス車のカタログには心魅かれるものが多く存在しています。ルノーのカタログも例外ではありません。ルノー系のターボ車のカタログには正方形に近い形状のものが多く見受けられ、アルピーヌのカタログにも緩やかにその縛りが適用されたのか、ターボ車であるV6ターボも正方形に近い版形になっています。

自動車型録美術館:第37回『ランチア・ラリー』は記事はこちらから

Text:板谷熊太郎 /Kumataro ITAYA カー・マガジン490号より転載

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