各社のブースには注目の新製品が目白押し!
実車のモーターショーがある様に、模型の世界にもショーがある。日本の場合は5月に静岡で開催される「静岡ホビーショー」と、東京で秋に開催される「全日本模型ホビーショー」がそれだ。一時期はコロナ禍の影響でイベント自体が中止となっていたが、さる10月1日(土)、2日(日)の二日間、有明の東京ビッグサイト南1、2ホールにおいて恒例の全日本模型ホビーショー」が満を持して開催された。入場にあたり検温・消毒を行いつつも3年ぶりの通常開催。この間も”巣篭もり需要”で模型趣味業界自体は比較的堅調だったとも言われるが、やはり久々のリアル・イベントは華やか。ここでは多くのファンで賑わった活気あふれる会場から、気になるトピックをかいつまんでご紹介していこう。
Part2ではトミーテックやエブロなどのメーカーを中心にミニカーの新商品群を取り上げる。
【写真33枚】スケールモデルの新商品はどれも気になるものばかり! 全日本模型ホビーショーの詳細を写真で見る
トミーテック
トミーテックは、トミカやプラレールでお馴染みのタカラトミーの子会社。リアルな鉄道模型やコレクター向けのミニカーなど、オトナ向けホビー系アイテムを中心に手掛ける。中でも「もしもトミカが昭和30年代に生まれていたら」というコンセプトから生まれた1/64スケールの「トミカリミテッドヴィンテージ」シリーズは、開発チームがこだわり抜いたマニアックな車種選定やリアリティ溢れるディテールの再現などで、玄人筋にも高い人を博している。最近では同スケールのフィギュアがセットになったジオラマ仕立ての新作も増えており、こちらはSNSの「映え写真」の素材として若い女子方面にも注目されている由。そして、企画中の製品として展示されていた巨大な「高速道路」は驚愕。トミーテックの面目躍如。
エムエムピー
エブロ・ブランドのミニカーとプラモデルで知られるエムエムピー。国内で高い人気を誇るスーパーGT選手権のミニカーに関しては、その前身のJGTC(全日本GT選手権)時代から主要チームのマシーンをほぼ全てモデル化し、この分野では他の追随を許さない。また、ロードカーのジャンルでは「日本発のブランドとして国産車の歴史をミニカーで網羅する」と、メジャーからマイナーまで膨大な車種を模型化し続けている。もう一方の主力製品であるプラモデルでは1/24のルノー4やシトロエンDS、またロータス49やブラバムBT18ホンダF2といった1/20のフォーミュラをリリースし、こちらは特に欧米のファンから高い支持を得ている。まれに飛行機モデルも製品化する同社だが、今回の会場ブースには3Dプリンターで造形された中島飛行機の栄12型エンジンが参考出品されていた。
メイクアップ
大量生産を前提にした一般的なミニカーとは異なり、ごく少ロットの製品を高い技術を持った設計者と専門の現場スタッフが工芸品的な手間暇をかけて仕上げる。そんなジャンルのミニカーは”スペシャルモデル”と呼ばれ、通常の量産モデルとは異なる”特別なミニカー”として独自の存在感を放っている。今から40年ほど昔、スペシャルモデルがほとんど認知されていなかった時代から、日本でその分野の草分けとして活躍してきたのが東京は青山を拠点に活動するメイクアップだ。会場の同社ブースでは1/43スケールで1971年のジュネーブでデビューしたカウンタックのプロトタイプ、1995年のセブリングを制した日産300ZX IMSA GTSなどの新作が発表され、またポルシェ911GT3RSやGR86、新型フェアレディZなどロードカーなどの新製品も、1/18と1/43双方のスケールで多数展示された。
エスワンフォー
もともとキャラクター系や飛行機のモデルを中心に展開してきたS14(エスワンフォー)だったが、アニメ映画「ルパン三世カリオストロの城」で活躍したフィアット500の劇中車を発表したことから、クルマ好きの間でも急激に注目を集める様になった。ブースには1/12スケールで正確に再現されたルパンと次元のフィアット500の試作モデルが展示され、野営セットやスコップにバケツ、カップ麺などの小物に至るまで正確に再現された様子にファンの注目が集まった。他にも、ブースには同社が扱うオルモストリアルのミニカーなども展示。クルマ好き、ミニカー・ファンにとって今後要注目のS14だ。
インターアライド
「リトルガレージ」「ハイ・ストーリー」「オーバーステア」「モデラーズ」などの自社ブランドのミニカーなどを展開する一方、海外の様々なミニカーやプラモデルの輸入販売代理店としても知られるインターアライド。ブースには数多くの1/18や1/43のミニカーの他、軍用機やAFVなどのミリタリーものの新作も多数展示された。
Part3に続く
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