戦国時代の歴史に詳しい人にとって、彦根といえば井伊の赤備え。当主から家臣に至るまでの甲冑を朱色で統一した精鋭部隊は徳川最強の軍団として活躍し、家康の天下統一を支えたことで知られている。
【画像35枚】赤のボディカラーばかりのモデルが終結した彦根市「赤祭り」の模様はコチラ
彦根市のキャラクターである『ひこにゃん』の兜が赤いのは、赤備えをイメージしているから。城下町彦根は”赤”をブランドカラーとしてアピールしているわけである。
13年ぶりに開催された『赤祭り』も彦根市が赤で地域おこしをする一環として実施されているもので、去る2022年8月14日に会場となったひこね市文化プラザに”赤い乗り物”が集結。
当日会場には車体は赤ではないが、赤色灯をつけたパトカーや白バイも展示され、来場者に交通安全等を呼びかけた。
自動車趣味人によるクルマ好きのためのイベントなので、もちろん、赤い乗り物が主役となるが、赤祭りの面白いところは、クルマ以外のコンテンツも充実している点だ。
『機動戦士ガンダム』に登場した赤い彗星のシャア、『ONE PIECE』の赤髪のシャンクス、『名探偵コナン』の赤井秀一などの声優でお馴染みの池田秀一さんが彦根市長の和田裕行さんとトークショーを行ったのである。ちなみに和田市長(下記写真ひこにゃんの右)は自らモディファイ作業を行ったという、『カーズ』仕様のマツダRX-8(!)を愛車にするほどのクルマ好きだ。
ふたりの対談を進行したのは、池田さんの声マネで有名なお笑い芸人のぬまっちさん。
市長世代(50歳前後)がシャアに憧れたこと、かつて池田さんがアムロのオーディションに参加したこと、現在は池田さんといえばシャンクス/コナンをイメージする層が増えていること、新作映画『ONE PIECE FILM RED』のアフレコエピソード、往時にレコードを出したことがある池田さんが好きな音楽の話、彦根でのイベント参加をきっかけとして純米吟醸酒『秀一』が誕生したこと、これまでの声優生活で印象に残っている台詞などがトークテーマとなった。
ちなみに、ガンダムにおける「坊やだからさ」とONE PIECEにおける「この帽子をお前に預ける」が印象に残っている台詞とのことで、アムロの声優を担当した古谷徹さんとの掛け合いは毎回面白いとも語ってくれた。
滋賀県警音楽隊のよる演奏、ひこね武将隊による演舞、αD代表の超無課金さんとへんしゅう長さんのトークショー、eスポーツ体験会(和田市長が滋賀県立八幡工業高等学校のeスポーツ部と対戦するアトラクションも用意)などもあり、来場者を愉しませた。
閉会式では、和田市長やゲストたちにちなんだ赤い乗り物のオーナーに各賞が進呈され、受賞者全員にゲスト各位の賞状と副賞として主催地彦根からひこにゃんのぬいぐるみが贈られた。
彦根市長賞はダイナさんの1982年式シボレー・コルベット(以前は同世代のカマロを愛用)、 池田秀一賞はNAO AZNABLEさんのトヨタ・シエンタ(チームZEONとしてシャア仕様のクルマたちと大挙して参加)、 ぬまっち賞はM・Oさんのトヨタ・シャア専用オーリスII(こちらもチームZEONのメンバー)、超無課金賞はalfansxさんのホンダNSX(左ハンドル仕様)、(小社刊行フェラーリ専門誌)スクーデリア賞は田村さんの1995年式ランチア・デルタHFインテグラーレ・エボルツィオーネII コレツィオーネが選ばれた。
スクーデリア誌からの賞を差し上げた田村さんは、1988年に新車のフェラーリ328GTSを購入し、6年ほど愛用したフェラリスタで、外装色が赤で内装が黒だったそうだ。
今回の赤祭りにはフェラーリが参加していなかったので、もしも田村さんが今でも新車で買った跳ね馬を愛用し、それで駆けつけていたら間違いなくランチア以上に注目されていたはずだ。
赤祭り実行委員会は、彦根の地域おこしの催しとして、来年以降も開催したいとのことなので、赤いクルマを愛用している方は参加してみるといいだろう。
●赤祭り公式ホームページ:https://www.akamatsuri.com/
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