オーストリアのオートバイブランド「KTM」の正規販売店は、バイクガレージングの良きお手本!
今回は、バイクのメンテナンスガレージを建てたいと考えている方に向けて、「KTM 杉並」ショップのガレージを徹底取材させていただいた。KTMカラーであるオレンジがまぶしい160平米の店舗は、世界基準で定められたブランドルールのもと、ショールーム、カウンター、ピット、トイレ、そしてお客様からの預かりスペースがレイアウトされている。
今回デザイン・設計・施工を担当したのは「株式会社新井電機商会」の新井さん。新井さんもまたKTMを4台所有し、KTM杉並の代表であるNさんとは旧知の仲ということ。お互いのことをよくわかっているということで、プランニングは大変スムーズに進んでいったという。なんと、これまで運営していた「KTM 中野」の移転計画から、わずか5か月でオープンさせたというのだから、いかにスムーズだったのかがよくわかる。
ブランドカラーを生かした店舗
KTMといえばブランドカラーのオレンジと落ち着いたグレーなど、使用できるカラーは限定されている。KTM製オートバイを4台所有する新井さんであっても、KTM オフィシャルディーラーのデザインとなれば話は別、技術的にはそう簡単ではなかったという。いかに、使いやすく作業性に優れた空間を提供するかが第一の課題となった。
何よりもRC造のマンション1階に位置するため、ピットには防音性が求められる。そこで目をつけたのがエンジン音を遮断させることができる、排気ガス排出システム「EG WAYOUT」の存在だった。
排気ガスと排気音を削減する排気システム
当初はオリジナルで自作すること、他社の製品の導入も考えたが、オートバイ用にもカスタムしてくれるEG WAYOUTが、安価でデザイン性にも優れているという理由で導入した。代表のNさん曰く「静粛性を求めて導入した排気ガス排出システムでしたけど、こんなにクリーンな環境で仕事ができるようになるのかと、メカニックの健康維にも役立っています」と代表のNさんは語ってくれた。
工具の置き方、壁の使い方も参考になる
ピットには、エンジンを脱着するためのエンジンハンガーやエアーツール、そしてTOOL BOXの配置などすべてにわたり、新井さんが仔細を提案。実際にオートバイの整備をする新井さんならではといった工夫が、メカニックの働きやすい環境を創造した。
それら、KTM 杉並にはたくさんの面白いアイデアが満載だが、その中の一つが建物の柱を利用した、黒板ペイントやマグネットペイントだ。コレもメカニックの作業効率アップに役立っている。プロショップの特徴として、専用ツールが壁一面に配置されるのは、単に装飾のためではないのだ。
余談だが、この工具は一般には販売されていないらしく、KTMファンにとっては、ガレージにほしいアイテムナンバーワンに違いない。オープン間もない頃に一度撮影に伺わせていただいたが、KTMの世界観あふれる店舗で整備を待つ時間は、ユーザーには至福の時間であろう。プロショップのピットやバックヤードは、なかなか拝見することができないため、貴重な取材となった。KTM ユーザーにはレイアウトや色のバランス、設備など自身のガレージ建築のバイブルとなるだろう。
◆GARAGE OWNER’S CHECK
・一番気にいっているところは?
防音の目的で導入したEG WAYOUT。実はオートバイのメンテナンスをするときの排気ガスを排出できるため、メカニックの体にもいいことがわかり、非常に役立っています。
◆COMMENT FROM A BUILDER:株式会社新井電機商会 新井久司さん
今回はバイクのご縁があり、店舗設計を担当させていただきました。昔から知っている仲ということもあり、細かい要望に応えることができました。今後、ガレージについてお手伝いできることがあれば設計をお手伝いさせていただきます。お気軽にお問合せください。
◆取材協力:KTM 杉並、SAFTY LIFE
所在地:東京都杉並区久我山3-8-7 マーベラス久我山1F TEL:03-5942-8193
(KTM 杉並)
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