最強の輸入プレミアムSUVはどれだ⁉ カイエン・ディフェンダー・XC60・グランドチェロキーの各国代表を集めてイッキ乗りしてみた

武闘派のジープに加わった新キャラ

ジープはアメリカ車の代表的ブランドとして、基本的には武闘派キャラを守っている。乗用車的なグランドチェロキーも、本質にいつわりはなかった。だが、新型グランドチェロキーLは違う。香り立つようなラグジャリーぶりを得た、情緒派に生まれ変わった。

さらに、日本市場にはロングホイールベース仕様のLがまず導入されている。ボディ全長は5200mmに達し、6名3列分あるどのシートに大柄なリポーターが座ってもスペースの余裕が確かめられる。電動可倒式の3列目シートを収納すれば、広大な荷物スペースが確保されSUVのユーティリティが最大限に拡張される。

ちなみに、いまやジープは巨大企業グループとなったステランティスの一員だ。そのため、グランドチェロキーはアルファ・ロメオのステルヴィオから派生したプラットフォームを採用。だが、走りまでステルヴィオのようになったわけではない。むしろ、正反対だ。

本木目のトリムやキルティング風の加工が施された上質なレザーで装われるインテリアはラグジャリーだ。試乗車の2列目シートは左右独立式で大柄なレポーターがスペースの余裕を残しつつ3列目シートで着座ができる。

直進時には、ステアリングが中立でビタッと落ち着きしたスタビリティの高さが実感できる。大らかな気分で一直線に伸びる道を走り続けたくなる、アメリカンSUVにふさわしい設定となる。それでいて、ステアリングを切り込む場面では素直な応答性を示す。

3.6LのV型6気筒エンジンも、回転数の上昇に合わせて素直に力強さが立ち上がるだけにアクセル操作に余計な気遣いは無用だ。パワフルな加速を望むなら、アクセルと深くというよりの長く踏み続ければそれでいい。

自然吸気式エンジンはスムーズに吹け上がりエアサスも標準装備となる。

ドイツ車は、SUVでも間違いなくベンチマークだ。カイエンはその典型であり、日本市場導入モデルだけで340psから680psまで6仕様ものパワーユニットを備え、キャラ的にも理論派から武闘派まで成立させている。それが可能となったのは、圧倒的な優れた基本性能を獲得しているからだ。

各国のSUVは、ベンチマークとしてのカイエンを意識しつつも追いつけ追い越せを目指しているわけではない。それぞれにキャラを立てながら、魅力あるSUVとしての進化を続けているのだ。

【Specification】ジープ・グランドチェロキーL SUMMIT RESERVE
■全長×全幅×全高=5200×1980×1795mm
■ホイールベース=3090mm
■車両重量=2250kg
■エンジン種類/排気量=V6DOHC24V/3604cc
■最高出力=286ps(220kW)/6400rpm
■最大トルク=344Nm(35.1kg-m)/4000rpm
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション(F:R)=マルチリンク:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=275/45R21:275/45R21
■車両本体価格(税込)=10,310,000円
■問い合わせ先=ステランティスジャパン ☎0120-712-812

ポルシェ公式サイト
ランドローバー公式サイト
ボルボ公式サイト
ジープ公式サイト

フォト=宮越孝政/T.Miyakoshi ルボラン2022年8月号より転載

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