地元の木材を使って建て、ペレットストーブを使って暮らす、省エネ住宅の補助金を受けたゼロエネルギーハウス!
ローダウンやホイールはもちろん、さまざまなDIYで愛車レジアスエースのカスタムを楽しんでいるMさん。7年前、家づくりを検討する際に建築家の高橋さんに出会ったことが、ガレージ建築のきっかけだったという。当初は屋外にクルマをいじるための簡単な作業場所を屋外で、と考えていたというが、母屋を建ててもなおガレージをプランニングできることがわかり、大きく基本プランを変更したという。
ゼロエネルギーガレージハウスを計画
デザインを担当した「ジレノデザイン」の高橋さんは、静岡県を中心に全国でガレージハウスを手掛ける建築家で、ゼロエネルギー住宅(ZEH)の知識も深い。今回のM邸も、そうした省エネ住宅の補助金を受けられる、ガレージ付き住宅としてプランニングされていったのだ。
Mさんご一家の希望は、「柱や梁が見える木造の住宅」。完成した家には、随所に天竜産の無垢の杉材が使用され、とても心地が良い。床材に採用した杉材は、柔らかく使い勝手がよい木材であるがどうしてもキズに弱いため、表面を圧密加工するなどのひと手間がかけて使われた。
また、ゼロエネルギー住宅ということで屋根には太陽光パネルを設置。10.6kWという高出力の産業用パネルを搭載し、20年間もの間、売電ができるようなシステムが組み込まれた。
売電をすることで電力の収支はプラスに。停電時には自宅の電気を太陽光エネルギーで賄えるよう非常用コンセントを使いやすい位置に用意している。
将来はガレージに蓄電池を置くことで、太陽光パネルからのエネルギーを蓄電することも可能。また冬に備えてのペレットストーブ採用もご家族の希望だったという。
ペレットストープに和室も心地よい
ペレット(固形燃料を円筒状に加工したもの)を燃やすことで発熱するストーブは、朝にタイマーをセットしておくことで暖房として使うことができる、便利なシステム。燃料には間伐材が使われているので環境にも優しく、薪ストーブに比べてメンテナンスが容易なことで、最近注目されている。
そしてリビング小上がりの畳スペースは24cm床面を上げているが、これはフローリングから舞うホコリの侵入を防ぐというねらいがあるとのこと。小さなお子様が昼寝をするのに最適な空間になったほか、リビングとの間をふすまで区切ってしまえば、来客時にプライベート空間を確保することも可能となる。
24cmという絶妙な高さは、腰をかけるために最適な場所にもなったと同時に、床下空間はオモチャの収納スペースとして使えるようにになったという。まさに一石二鳥どころか一石四鳥にもなったという。さらに奥様の希望で、リビングには子どもが勉強できる造作のデスクを設置した。
DIY好きには夢のガレージ
さて、自慢のガレージを拝見させていただこう。作業のための工具を収納する大きな小屋としても機能するガレージ。Mさんはもともとクルマをカスタムすることが好きでエアロパーツのペイントも自身でこなすため、エアツールやジャッキも完備している。ガレージの内壁にはホームセンターで購入した有孔ボードを張り、使いやすいように様々な工具をレイアウトしている。
作業台を中心とした手の届く範囲にペーパータオルやマスキングテープを設置するなど、Mさんが使いやすい空間を実現。さらにガレージは母屋と物理的に離すことで、クルマの臭いや音の問題を解決している。
太陽光パネルを設置した売電の仕組みや、地元の木材を使用することで補助金なども活用し、コストバランスが考えられたM邸。耐震住宅としての性能も高く、なんと耐震等級では最上級の「3」を獲得している。ゼロエネルギーで環境に配慮したガレージハウス。こうした家は、今後ガレージハウスのトレンドになっていくかもしれない。