荒れたレースを#10 TANAX GAINER GT-Rが制す!
GW真っ只中となる5月3~4日に、スーパーGTの第2戦が富士スピードウェイで行われた。例年は500kmの長丁場だが、今年はそれよりもやや少なめの450kmのレース。前回同様、GT300のレースを中心にお届けしていく。
5月3日に行われた公式予選では、開幕戦に続き#61 SUBARU BRZ R&D SPORTがポールポジションを獲得。2番手には#10 TANAX GAINER GT-R、3番手には#96 K-tunes RC F GT3と上位にはGT3勢が並ぶ展開となる。
翌5月4日の決勝日は、好天に恵まれ気温も20度にまで上昇。路面温度33度と前日の予選時よりも10度近く高いコンディションで、44000人もの大観衆が見守る中、14時30分にフォーメーションラップがスタートした。
注目のスタートでは、2番手スタートのNo.10 TANAX GAINER GT-Rの富田竜一郎が、コカ・コーラ―コーナーでポールの#61 SUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝をアウトからオーバーテイクしトップを奪取。その後方からは#96 K-tunes RC F GT3の高木真一も迫ってきたが、#61 SUBARU BRZ R&D SPORTは2番手をキープし、この3台で序盤は推移していく。
ところが14周を過ぎる頃には#96 K-tunes RC F GT3のペースが落ちはじめ、15周目に#34 BUSOU raffinee GT-Rがオーバーテイクし3番手に浮上した。
今回のレースは最低2回の給油が義務づけられていることで、序盤に1回目のピットストップを済ませる作戦を採用するチームも見受けられた。まずは1周目を終えて#5 マッハ車検 エアバスター MC86マッハ号が、続いて#244 HACHI-ICHI GR Supra GTも2周目に、また#4 グッドスマイル 初音ミク AMGと#52 埼玉トヨペットGB GR Supra GTも5周目にピット作業を完了。また、4周目には今シーズンからニューマシンのBMW M4GT3を投入した#7 Studie BMW M4が、ステアリングギアボックスのトラブルにより早々にリタイヤしている。
上位陣も20周を過ぎたあたりから最初のピットストップを行い始め、まずはトップの#10 TANAX GAINER GT-Rは29周後に富田竜一郎から大草りきに、3番手の#34 BUSOU raffinee GT-Rも30周後にドライバー交代を完了。これら上位陣がピットストップを終えると、スタート直後にピットインした#52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT、さらに#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT、そして1周目にピットインした#5 マッハ車検 エアバスター MC86マッハ号がポジションアップした。
その後中盤までは大きなアクシデントもなく中盤を迎えていたが、トップが43周目に入った時点で#22 アールキューズ AMG GT3の和田久が100Rからヘアピンのアドバンコーナーへとアプローチしようとしたタイミングで姿勢を崩し、タイヤバリアに激しくクラッシュ。フルコースイエローが出されセーフティカー・ランとなったが、結局赤旗中断となった。
タイヤバリアの修復を終え、レースは16時30分前にセーフティカー・ランで再開。リスタート後のGT500クラスでは激しいトップ争いが展開されていたが、59周目に入った直後にホームストレートでトップを争うGT500クラスの#15 CRAFTSPORTS MOTUL Zが、スロー走行をしていた#50 Arnage MC86を避けようとしてスピン。大クラッシュとなりマシンが破損したためレースはふたたび赤旗中断となった。これにより観客席側のガードレールが破損したため修復作業に時間を要したが、幸いにもドライバーは大事にはいたらなかった。
その後18時過ぎにセーフティカーランにより再スタートしたが、レースの最大延長時間を迎えてしまったためそのままチェッカーフラッグとなった。また今回の事情を考慮し2回の給油回数義務規定は撤廃された。
レースのほうは、結局セーフティカー・ラン前にトップに立っていた#10 TANAX GAINER GT-Rで、ルーキーの大草りきが#34 BUSOU raffinee GT-Rと#61 SUBARU BRZ R&D SPORTを抑えてフィニッシュした。
なお、レースは全体の先頭車両が当初予定の周回数の75%に達せずに終了ため、入賞者のシリーズポイントは当初の半分が与えられることになっている。
次戦は5月28~29日の鈴鹿ラウンド。現在#56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが66ポイントでシリーズをリードしているが、まだまだ混戦は続く模様だ。果たして次戦のウィナーはどのチームの頭上に輝くのか?これからの展開が楽しみだ。