キャビン移植テクに注目!アオシマ製プラモ「AE86トレノ」を2ドアXLリセに改造する!【モデルカーズ】

2022/04/26 15:00

AE85トレノの”なめらかな”グレードを再現

1983年登場の5代目カローラ/スプリンター(E80系)では、4ドア・セダンと3/5ドア・ハッチバックがFF化されたが、2/3ドア・クーペは先代TE71のシャシーコンポーネンツを流用し、FRレイアウトが残された。ミニ・ソアラ的なカローラ・レビンに対し、スプリンター・トレノはミニ・セリカXX的な雰囲気だったが、ヘッドライトやリアコンビランプ以外にレビン/トレノにほとんど差は無く、安価で実用的なスポーツクーペとして一定の人気を得た。それが社会現象的に沸騰したのは中古車になってからで、次期型がFF化されたこともあり、FRの小型スポーツカーを求める若い走り屋たちから熱い支持を集めたのである。

もともとトレノはスプリンター・クーペのツインカム・エンジン搭載車のグレード名だったが、E80系では新たに2/3ドア・クーペ全体のネーミングとなった。型式名から通称「ハチロク」と呼ばれるのはツインカム搭載のGT系だが、1.5Lのシングルカム・エンジンを搭載するグレードもあり、こちらは型式名AE85から「ハチゴー」と呼ばれる。トレノの「ハチゴー」は3ドアがスポーツ仕様のSR、2ドアには豪華版SEと安価なXL、そして内外装に女性好みの(とメーカーが想定する)加飾を追加したXLリセの3グレードがあった。

「Lisse」とはフランス語で「なめらかな」という意味。GT系の黒っぽい内装に対してライトベージュの明るいインテリアとなるのが特徴で、パワステやチルトステアリング、バニティミラー付きサンバイザー、助手席アンダートレイなどが装備されていた。現在のジェンダー意識からすれば、女性向けのグレードをわざわざ設定すること自体に疑問符が付くこともあり、こうした女性仕様車は姿を消したが、1980~1990年代には少なからぬ車種にこうしたグレードが用意されていたものだ。

さて、ここでお見せしている模型は、アオシマ製1/24スケール・プラモデルのAE86トレノGTアペックス前期型をベースに、AE85トレノのXLリセを再現したものである。AE86の1/24キットはアオシマとフジミがあるが、2/3ドアが揃うフジミに対して、アオシマは3ドアのみ。しかし、フジミの2ドアはプロポーションに若干の癖があるため、より形に優れたアオシマをベースに、フジミのボディ後部を合体して2ドア・トレノの完全版を作ろうという目論みを形にしたものだ。 

ボディ後半部を分割しつつ移植!
ベースに使ったのはアオシマの3ドア、全体に形がちょっと硬い印象だが、プロポーションは良好だ。フジミの2ドア・ボディはルーフが分厚く、Cピラーが太く、リアデッキも高すぎる感じで、そのまま移植しても良い結果は得られない。そこでまず側面部分のみをPカッターとエッチングソーで切断。アオシマのボディも同様に作業、画像のように左右~リアゲート上部を切り離し、ルーフ後端部を2ドアに合わせて切り詰める。リアコンビランプ部分の造形も2ドアと3ドアで異なるので、リアパネルを除去。フジミ製ボディから切り出した側面部はCピラーが太すぎるので半分ほどに削り込んだ上で、アオシマのボディに接着する。

接合部は裏側からMr.SSPパテで補強、上部は接着後に削り込み、アオシマのルーフに合わせた。次に2ドアのトランクフードを切り離し、アオシマのボディに接合。XLリセにリアガーニッシュは付かないので、後端面のモールドをスジ彫りが消えるまで削り込む。ルーフ後端部もフジミのルーフから切り取って移植、リアウィンドウ左右は面が足りないので、Mr.SSPで幅を増す。リアパネルがむき出しの場合に見える凹プレスラインはPカッターでスジ彫りした。

コンビランプ下側とナンバーポケットはプラ板で自作、ランプ内側の肉はパテを盛って削り出した。フジミのテールレンズのパーツをはめて合わせを確認、ボディ側面から回り込む凹プレスは、2ドアではリアコンビ内側と同じ位置で止まるので注意。リア窓枠は0.5mmプラ板の細切りを貼って再現。Mr.SSPで成形した部分にも、プラ用の流し込み接着剤で取り付け可能だ。フジミのリアデッキは中央の段がないので0.5mmプラ板を貼って再現、トランクのオープニングラインはプラ板をゲージにして彫り込む。

フロントシートはアオシマの本体パーツと、フジミのパーツから切り出したヘッドレストの組み合わせ。ステアリングホイールはリムとスポーク部を切り離し、2本スポークをプラ板で自作。ホイールキャップは旋盤を使ってABSの丸棒から削り出し、アオシマ製の14インチホイールに組み合わせた。アオシマからはAE85もキット化されているので、ホイールやドラムブレーキはそちらから流用すると楽だろう(この作例制作時には未発売)。

XLリセ専用の白黒ストライプは、デカールではなくハセガワの白色フィニッシュとつや消し黒フィニッシュを使用。実車のシートには赤白の斜破線模様が入っているが、非常に細かなものであり、デカールではオーバースケールとなるため、肩口のリセのロゴ以外は省略した。XLリセはMT/ATどちらも選択可能なので、作例はMTとしてアオシマの部品をそのまま使った。当時はAT限定免許の制度自体が無かったので、初めてのマイカーにも教習所で乗り馴れたMT車を選ぶ人は珍しくなかった。

作例制作=北澤志朗/フォト=服部佳洋 modelcars vol.266より再構成のうえ転載

「ル・ボランCARSMEET」 公式SNS
フォローして最新情報をゲット!

おすすめ記事一覧