「いったいクルマ何台きてんの?めっちゃ多いがな!」
茶所としても有名な京都府唯一の村、南山城村で開催されたこのフェスタを見て、思わず大きい独り言を呟いて(?)しまいました。会場の広いこと、集うクルマの多いこと!
4箇所に分かれた展示場所はそれぞれ単独でもイベントとして充分成り立つ広さ。そこからあふれるクルマの数がすごかった。これまでに見た中では間違いなく最多でした。
しかもこれだけのイベントを準備から当日までスタッフ26人とボランディア14人で企画、運営していたと聞き二度驚きました。一つのカフェが開催したとはとても思えない規模です。
南山城村自然の家/高山ダム駐車場内に大きく4つ、細かく8つに分かれた会場に集まったクルマは事前募集枠の270台+当日見学車約800台だったそうです。当日分は途中での出入りがあるため正確な台数はわかりませんが1070台以上が来場したことは間違いありません。
この時の模様はTipo誌No.382(2022年2月号)でリポートしたのですが、写真をできるだけ多く載せたかったためここに改めて紹介いたします。
カウンタックとサーキットの狼
今回の特集は、生誕50周年というアニバーサリーイヤーのランボルギーニ・カウンタックとサーキットの狼。カウンタックが10台、サーキットの狼に登場するクルマが23台集まりました。
特別ゲストの”サーキットの狼”作者である池沢早人師先生のトークショーとその場で描いてもらえるサイン色紙争奪じゃんけん大会もファンにはとても楽しめるものでした。作中に登場するクルマは実在すること、人やエピソードも実在の人物や起こった事をモチーフにしているというファンの間では知られた話をはじめ初めて聞くこともたくさん。聴きごたえある50分でした。
「ランボルギーニ本社を訪問したときに、ラインオフしたてのディアブロSVをメカニックが押してきてキーをぽんと渡され、『乗っていいよ』と言われた。伝説のテストドライバー、ヴァレンティーノ・バルボーニ氏が駆るアルファロメオの後をついて農道のような道を全開で走ったんだ」というエピソードは、今ではありえへん優雅な時代ならではやなと情景を想像しながら聴いていました。やはりトークライブはいいものですね。
来場者に聞きました
Tipo誌の通称“ナパ”副編集長から「最低3人に話を聞くべし」との指令を受けていたのですが、これがかなりの高難易度。
予想はしていましたがオーナーたちはクルマを置いて広い会場に散らばっていたためなかなか見つからない。たまたまクルマの近くにいた人、何となく話を聞けそうな人にマイクを向け何とかこれだけの来場者に話を聞くことができました。
最も気になり最も長く話を聞いたクルマ。私に賞典を与える権限があるならこのクルマ。1108ccエンジンを搭載するルノー最後のリアエンジン車です。
「これどう?」と販売店で言われたときはそれほどでもなかったけれど、なぜか気になって何度か見に行っているうちに買ってしまったのだそうです。ふかっとしたシートの包まれ感がたまらず衝撃を受けたと聞いたので座らせてもらいました。なんとも言えないお尻の感触が絶品。これはすばらしい。ソフト系のシートでは間違いなく人生一です。5年乗っているけど特に大きな故障もなく、ルノー8との共通部品も多いためかパーツで苦労はしないとか。
ドライブだけでなく古い町並みに置いて写真を撮ることも楽しんでいるそうです。オーナーの安井一智さんの友人夫妻もモーリス・ミニ・トラベラーとミニに乗るエンスージアストとのこと。
いい感じにお尻を包んでくれるシートに腰かけ、適度にタイトでルーミーなクルマでこんな感じでドライブする。いいなぁ~楽しそう。
アルファロメオ・モントリオールで参加のH・Hさん(左)はこれ以外にアルファロメオを4台お持ちだとか。
スバル360で参加のI子さん(右)はこれ以外にフィアット600Dやランドクルーザー40など5台お持ちで、ジムカーナにも参戦するそうです。すごい。それにしても二人とも色紙ゲットできて良かったですね。
かなりクルマに近づいて撮っている姿が気になって声をかけてみました。
クルマのことは特に詳しくはないけれど、ディティールを見て撮るのが好きとのことでした。そんな楽しみもあるんですね。新鮮です。
「アルファの”セレ”のに乗ってるんですが、アルファ好きの人たちには『セレって言うな、セレスピードと言え』とよく注意されるんです」と笑う、リーダーっぽい稲森さん。
「ここのこういうアクセントはまねしたいんですよね。私もフィアット500 1.2POPに乗ってるので。遅いクルマなんですけどかわいいし気に入ってるんです」と笑う、愛車を手刺繍したトートバッグを持ち歩くほど500が気に入っている井上姉妹。ゆるさんぽを楽しんでいらっしゃいました。
ちょっと目を引くカメラで撮影している男性を見かけたので声をかけました。フイルムカメラの名機FM2をモチーフとするミラーレスカメラNikon Z fcにTTArtisan 35mm f/1.4 Cという興味深い組み合わせでした。洒落ています。
スマートフォンでディティールを撮る人、この人のように最新ミラーレスカメラに中国系マニュアルフォーカスレンズを装着して(画角的に多分ディティールを)撮る人に会うと、撮影機材の選び方、クルマの撮り方が多様になっているなと感じ、次は自分も試してみようと思いました。
私もスピードスターを持っていたことがあるので声をかけました。日本向けは80台のみの限定車であったこと、2003年導入と18年前のクルマのためかパーツに苦労し、目下のところ痛んだブッシュの交換部品を探しているが見つからなくて困っているとのことでした。
広い会場で思い思いに楽しむ
テーブルと椅子を並べ、珈琲を飲みながら見せ合いっことクルマ談義を楽しんでいる人たちもたくさん見かけました。特に移動はせずにその辺りだけで楽しんでいるのかな?顔見知りが集まって旧交を温める小グループの集合体がカフェセブンフェスタになっているとも言えるかも知れません。
ところで私は、集まったクルマの全てを見ることはできませんでした。広いし途中の出入りもあるし。全部見て撮るつもりでいたのですが、あっという間に閉会時刻の15時になってしまいました。
車種の縛りがなく自由なのがいい
会場で話を聞いた人たちが異口同音に言っていました。何に気を遣うこともなく、ほどほどにゆるく自由に楽しめるのがいいと。
「このクルマなんやろね」と言いながら見て歩く女性グループやカップル、そんな人たちからの質問にも気さくに答えているオーナー達の姿も多く見ました。みなそれぞれ楽しそう。クルマ好きも、詳しくない人も気負うことなく気楽に楽しめる。これがカフェセブンフェスタの一番の魅力かなと思いました。
ゲストのお二人もこんなことを言っていました。
竹岡圭さん:
「アットホームで楽しい。車種も様々だし、スーパーカーと軽トラが並んでるイベントなんかなかなかないよ。さりげなく置いてあるけど実はすごいクルマなんだということもあるし」
西川淳さん:
クルマ好きでもなんでもない人に「クルマっておもしろいね楽しいね」と思ってもらえるイベントにしたい。クルマ好きだけが盛り上がっているだけではだめだし、クルマなんてただのうるさいものと思われているうちはだめ。老若男女だれでもがクルマの楽しさをわかってくれるようになれば、いつか『クルマ文化を大切にしなきゃ』と思われる日がくる」
ショップも充実していたのですが、クルマを見るのに夢中ですっかり散財するのを忘れていました!
最後に特集展示車を紹介いたします。
ランボルギーニ・カウンタック50周年
ランボルギーニ・カウンタックLP400
ランボルギーニ・カウンタックLP400S
ランボルギーニ・カウンタックLP5000S
ランボルギーニ・カウンタック・クワトロバルボーレ
ランボルギーニ・カウンタック・アニバーサリー
サーキットの狼
ロータス・ヨーロッパS2
ロータス・ヨーロッパSP
ディノ・246GT
フェラーリ・365GT4 BB
デ・トマソ・パンテーラ
ランチア・ストラトス
ポルシェ・914-6
ポルシェ・928S2
ポルシェ・911タルガ(Type901)
ポルシェ・911ターボ(Type930)
シボレー・コーベットC3
シェルビー・コブラ427S/C CSX4072
ランボルギーニ・ウラッコP250S
ランボルギーニ・ミウラP400S
トヨタ・2000GT
マツダ・コスモスポーツ
日産・フェアレディZ 240ZG
(取材・写真・文:大田中秀一)
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