国内OEM市場の橋頭堡
プレミアムカー向けブレーキ市場ナンバーワンのシェアを誇る、イタリアの自動車部品サプライヤー「ブレンボ」は去る11月1日(月)、東京港区三田に開設したブレンボ・ジャパン新フラッグシップオフィスの内覧会を開くとともに、カーボンニュートラルや自動運転といった世界市場で進行中のムーブメントに対応する新しいグローバル戦略を発表した。
芝公園や赤羽橋至近の通りに面する三田国際ビル・アネックスに新設されたフラッグシップオフィスには、同社の世界戦略ビジョン「Turning energy into inspiration」が掲げられ、F1やMoto GPマシンに供給するキャリパーやカーボンディスク、最新アップグレード製品、その関連詳細情報のデジタルサイネージなどを展示。同社によればショールームの一般開放も検討中とのことなので、実現すれば2輪/4輪用ブレーキシステムの最先端技術を間近かでチェックすることができるだろう。
また別会場での開設セレモニーでは、日本法人のブレンボ・ジャパン代表取締役であるファビオ・カサブランカ社長と福原三成副社長によるリボンカットが行われ、イタリアのブレンボS.p.A.創業60周年と昨年のブレンボ・ジャパン設立30周年を祝し、続く同社グローバル戦略の発表会ではファビオ・カサブランカ社長自らが、日本語によるプレゼンテーションに登壇。
今回の新フラッグシップオフィスの設立は、自動車メーカーへのOEM供給に向けたブレンボの現地チーム設立戦略に則った活動の一環であり、日本でのプレゼンスを高める目的であるとコメント。加えて、継続的に顧客ニーズを掴んで最適なソリューションを提供するべく、2019年からの成長戦略を「サステナビリティ」と「自動運転」を軸に見直すとして、「SENSIFY」「DIGITAL」「COOL BRAND」というグローバル戦略の3本柱を映像を交えながら解説していった。
ブレンボの世界戦略3本柱
「SENSIFY」
電子制御ユニットを介して油圧アクチュエータや電制キャリパーらを自在に組み合わせることでハイパーカーからコンパクトEVに至るまで、あらゆるクルマにフィットさせることができる最先端のインテリジェント・ブレーキシステム。自社開発ソフトで統合制御することで、状況に応じて4輪それぞれに最適な減速エネルギーを適時供給するなど、自動運転にマッチしたブレーキシステムが構築できる。2024年に市場導入を予定している。
「DIGITAL」
北米シリコンバレーにデジタルチーム「BREMBO INSPIRATION LAB」を設立。最先端のAI技術とデータサイエンスの面で周辺の自動車関連企業とのジョイントを積極的に図ると同時にグローバルな視点の獲得を狙う。
「COOL BRAND」
主力F1チームやMoto GPほか、2輪/4輪トップカテゴリーのマシンへ継続的にブレーキを供給することで、プレミアムラグジュアリー市場でのプレゼンスを高めることはもちろん、新たに「グランツーリスモ7(プレイステーション)」の公式パートナーに参画し、VRやARといったデジタル領域においても永続的に「ブレンボ」ブランドの価値を構築していく戦略だ。
ブレンボ・ジャパン https://www.brembo.com/jp/