2016年のジュネーブ・モーターショーで発表、2017年から日本にも導入されているコンパクトSUVのアウディQ2が初のビッグマイナーチェンジを実施。新開発エンジンの搭載やエクステリアデザインをアップグレードするなど、あらゆる点が改良された新型をさっそく試してみた。
ファミリーカーに打ってつけの一台
アウディでは、SUVのラインナップを「Qモデル」と呼んでいるが、その最小のモデルが、2016年にデビューした「Q2」である。Qモデルの他のクルマとは少し趣の違うデザインや、扱いやすいコンパクトなサイズが受けて、日本では2017年の発売以来、Qモデル中、人気ナンバー1の座を守り続けている。
このプレミアムコンパクトSUVが初のマイナーチェンジを実施し、日本でもデリバリーが開始された。新しいQ2では、このモデルが起源となった8角形の”シングルフレームグリル”の形状を見直したうえで従来よりも少し低く配置し、さらにその上に3分割スリットを配置したのが一番の違いだ。
最近のアウディではおなじみの要素で、往年のアウディ クワトロ、いわゆる〝ビッグクワトロ〞のイメージを受け継ぐものだ。加えて、よりシャープなデザインとなったLEDヘッドライトや、開口部が拡大したフロントバンパーなどにより、新しいQ2は以前よりも精悍なイメージに仕上がっている。
一方、インテリアは、基本的には従来のデザインを踏襲しているが、よく見るとシフトレバーやエアコンの吹き出し口が新形状になっている。
デザイン以上に変わったのがエンジンのラインナップだ。従来は1L直列3気筒ターボと1.4L直列4気筒ターボ、そして2L直列4気筒ディーゼルターボが用意されていたが、マイナーチェンジ後は1.5L直列4気筒ターボに一本化。これにともないグレードは35TFSIアドバンストと35TFSI Sラインのふたつになっている。今回はホイールアーチやサイドシルにコントラストペイントが施されるQ2 35TFSIアドバンストを試乗した。
さっそく走り出すと、1.5Lターボの進化が際立っている。最高出力の150ps、最大トルクの250Nm数字こそ1.4Lと変わらないが、アクセル操作に対するレスポンスが明らかに素早くなり、これまで以上に活発な印象。街中だけでなく、高速道路を走る場面でも加速には余裕がある一方、ここぞという場面でアクセルペダルを深く踏み込めば、6000rpmを超えるあたりまでスムーズな吹け上がりが続く頼もしさを併せ持っている。
低負荷時に2気筒運転を行う〝シリンダーオンデマンド〞は、以前の1.4Lより頻繁に切り替わり、これを多用するようアクセルワークを心がければ低燃費が期待できる。実際、WLTCモード燃費が15.8km/L、高速道路モード燃費が17.8km/Lだが、私が高速道路を運転したときには25km/Lオーバーをマークした。
一方、Q2の走りは、全高が1530mmとSUVとしては低めということもあって、挙動は落ち着いており、ロールやピッチングもよく抑えられている。215/55R17サイズのタイヤを履くぶん、目地段差を越えるときなどにショックを伝えてくることもあるが、十分快適な乗り心地にまとめられているのは従来どおりだ。
全長4200mm、全幅1795mmのボディは街乗りには絶妙なサイズで、機械式立体駐車場でも困らない1530mmの全高もうれしいところ。それでいて、後席や荷室には十分な広さが確保されており、いま流行のコンパクトSUVだけに、ファミリーカーに打ってつけの一台といえるだろう。
【Specification】アウディQ2 35 TFSIアドバンスト
■車両本体価格(税込)=3,940,000円
■全長×全幅×全高=4200/1795/1530mm
■ホイールベース=2595mm
■トレッド=(前)1545mm(後)15400mm
■車両重量=1340kg
■エンジン型式/種類=DTC/直4DOHC16V+ターボ
■内径×行程=74.5×85.9mm
■総排気量=1497cc
■圧縮比=10.5
■最高出力=150ps(110kW)/5000-6000rpm
■最大トルク=250Nm(25.5kg-m)/1500-3500rpm
■燃料タンク容量=50L(プレミアム)
■燃費=15.8km/L(WLTCモード)
■トランスミッション形式=7速DCT
■サスペンション形式=(前)ストラット/コイル、(後)トレーリングアーム/コイル
■ブレーキ=(前後)ディスク
■タイヤ(ホイール)=(前)215/55R17、(後)215/55R17
公式ページ https://www.audi.co.jp/jp/web/ja/models/q2/q2.html