炎天下のイオンモールにスーパーカーが集結!「スーパーカーFES in イオンモール大和郡山」リポート

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2021年8月22日日曜日に奈良県郡山市で「スーパーカーFES in イオンモール大和郡山」が開催されました。
8月の関西地方は、高校野球夏の甲子園(第103回全国高等学校野球選手権大会)の開会式が悪天候予想のため一日順延しただけではすまず、その後三日連続+一日+一試合の悪天候中止、豪雨ノーゲームが一試合と悪天候に祟られた大会になりました。そんな天候続きだったのにこの日はこんがり熔けそうな好天に恵まれました。
緊急事態・まん防のためか当初予定より減ってしまったものの、37台のスーパーカーが集結。場所柄、買い物にきてたまたま知ったという感じの家族連れもたくさん見かけました。子供たちは写真を撮ったり運転席に座らせてもらったりとたっぷり楽しんでいたようでした。

こんがり熔けそうな炎天下に集まった37台と子供たち

主催者の地元である名古屋地域を中心に近隣県そして地元奈良のスーパーカーがイオンモールの駐車場に集まりました。

好天なのはけっこうなのですが、良すぎるのも正直なところあまり嬉しくありません。暑いのもさることながら写真を撮るには直射日光による陰影とのコントラストが強すぎてきれいに撮りにくいので。曇天がちょうどいい。彩々のボディーカラーもその方が映えますし。

スーパーカーはバーで仕切られた向こう側にありお触り禁止でしたが、子供だけは自由に枠内に入れ、クルマによっては運転席体験もさせてもらえました。これがけっこう人気で行列が絶えませんでした。積極的に乗せているオーナーでなかったとしても、じっと見ていると声をかけられて乗せてもらえるということもありました。

モールの駐車場という場所柄ゆえ買い物に来て初めて知るという家族連れも少なくなかったようで、ふいの出会いに興奮の子供たちも多かったです。今の時代はカメラ付きスマホが普及しているので、カメラがなくて悔しい思いをすることもないし、慌てて”写ルンです”を買いに走ることもなく、ポケットからさっと出して好きなだけ撮れる。便利になったものです。きっと忘れられない思い出がたくさん撮れたことでしょう。

クルマの退出の時も多くの人が通路から撮影しながら見送り、スーパーカーがいなくなったあともかなりの人がその場に残っていました。
最後に一台残った主催者のアヴェンタドールの前に集まり、トランスポーターに乗せられて退出するまで見ていたのが印象的でした。やっぱり人を惹き付けますねスーパーカーは。

私は結局10時の開始からクルマの退場パレードが終わった15時ごろまでいました。ぐったりでしたが、トークショーを聴き、警察のブースであれこれ質問し、ばったり会った知り合いとおしゃべりするなど、たっぷり楽しみました。

「ぜんぶカウンタックでええやん」

トークショーを担当したのは奈良県出身にも関わらず今は京都に居を構えるケシカラン西川淳さん。ウラカンEVO RWD スパイダーで会場入りし、そのまま展示もしていました。4WDはグランツーリスモ、対してRWDはスポーツカーとキャラクターがはっきり異なるとのことです。
1971年3月11日にジュネーブオートサロンでプロトタイプのLP500が発表されてから50年の今年はカウンタックのアニバーサリーイヤー。ということでカウンタックに関する話もありました。
50周年を記念し、現地時間8月13日にアメリカ・カリフォルニアの”クエイル モータースポーツ ギャザリング”でランボルギーニ・カウンタックLPI800-4が発表されましたが、その場に臨席の”カウンタックが好きすぎる”デザイナーであるミィティア・ボルケルト氏から電話がかかってきて、
「なんでここにおらへんの?」
「行きたかったんやけどコロナやし断念したわ」
という会話をしたという秘蔵エピソードも紹介されました。ボルケルト氏はドイツ人なのにカウンタックが大好きなので、とても興奮してデザインしたそうです。
ちなみにカウンタックLPI-800-4は112台限定で来年から生産が始まり、価格は税別200万ユーロ(約2億6000万円)からとの情報です。
デザインには賛否両論ありますが、
「賛否あるのは当然。そんなのはどっちでもええこと。それに、カウンタック以降のディアブロ、ムルシエラゴ、アヴェンタドールも広い意味でぜんぶカウンタックでええねん」
と西川淳さんは言います。その理由については「”西川淳 カウンタック”で検索して!」とのこと。ヒントは”LPレイアウト”と”シザードア”。
余談ですが、ランボルギーニ大阪の担当者と西川淳さんが何やら話しているのを見かけました。もしかしたら淳さんの活動圏内(関西)で年内にランボルギーニが集まるイベントの計画があるのかもしれません。気になる方は探してみてください(私も気になるので探します)。
もう一つ余談ですが、奈良県出身および奈良に所縁のあるモータージャーナリストには西川淳さん以外に竹岡圭さん、今井優杏、そして……がいます。レーシングドライバーの脇坂寿一さん、マニアックなところでは現行カローラのチーフエンジニアが奈良県出身です。探せば他にもいらっしゃるかな?

宿敵? の白バイとパトカーも仲良く並んだ

ともすれば敵になる警察の展示もありました。出展は地元郡山警察署です。

それにしてもパトカーと白バイの人気は大したもので、間近で観察したり記念写真を撮ったりしている子供たちに常に囲まれていました。あと何年かしたら敵になるかもしれないのになんて無邪気な……と思いながら見ていました。
一方既に知ってしまっている大人たちも、車内をじっと覗きこんだり装備品を子細に観察したりとこちらも興味津々です。それはそうでしょう。この場以外でこの距離で警察車両に近づくのは取り締まられたという実にありがたくない局面ですから。

どの県でも重点項目に挙がっていて、取締中の警察官も目にすることが多い”横断歩道は歩行者優先”キャンペーンついての展示を見たので以前から気になっていることを訊いてみました。
それは、「横断歩道で自転車にまたがった人がいるのに停止しなければ違反なのか?」です。

「降りて押していなければ歩行者ではない。ただし、自転車走行区分のある横断歩道を除く」が答えでした。
「跨がった状態であったとしても止まってあげるのが人の道だとは思いますよ」とも付け加えられましたが。取り締まり中の警察官はそこはちゃんと見ているとのことなので一安心。
より責任が重い自動車側が気を付けるのは当然としても、歩行者や自転車側も気を付けてくれなければ事故はなかなか減りません。この点も常々気になっているのでそちらの指導もお願いしておきました。
「学校では年一回スタントマンによる事故実演もある安全教育をしているし、そこには親も一緒にいます。企業に出張しての講習も行います。横断する際には手を上げて意思を明確にするような指導もしています」
という答えでした。

笑点から松崎真さんがいなくなって久しく、「手を上げて、横断歩道を渡りましょう!」という決まり文句を聞くこともなくなってしまったのでこれは大事です。
せっかくの機会なので道路交通法をおさらいできるサイトをご紹介いたします。
(道路交通法:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000105
ちなみにこの世代(210系)のクラウン・パトカーにはこのアスリートタイプとロイヤルタイプが存在しますが、どういう使い分けをしているのかご存じでしょうか。実は意外に簡単に見分けられます。

スーパーカー少年だったころを思い出し

子供たちを見ていて、各地で開催されたスーパーカーショーに行っていた少年期を思い出しました。あの頃のカメラは、コンパクト、一眼レフ(持ってなかったけど)によらず標準の単焦点レンズが普通でした。135(35mm)フイルムを使うカメラで焦点距離が38mmから50mmのレンズです。それだと人を避けてかぶりつきで撮るとどうしても全体が入りません。今はかなり広角からのズームがついていますし、スマホでも21mmや24mm相当のレンズなのでかなり楽です。昔を思い出して焦点距離を固定し、子供の目の高さで何枚か撮ってみました。

どうしても全体が写せないことが多いので、仕方なく一部分のアップになってしまうことも多い。結果的にディティールを見られる写真になることもありましたけれど。そんなことを思い出しながら撮ったらとても懐かしい写真になりました。もう一つ、部分ではあるもののカッコよく撮れています。広角で撮るとどうしてもデフォルメされるしなんとなくむずむずする歪みのある写真になりがちですが、この写真にはそれがない。

カッコよく自然に撮るには35ミリフイルム(あるいはフルサイズ画像センサー)換算で50mm~85mm(画角で表すと水平画角40°~24°)レンズを使って引いて撮るのがいいと言われますから結果的にそうなったという感じです。

若干の不自然な歪みを受け入れてもクルマ全体を写すか、部分切り取りになったとしても自然でカッコよく写すか、難しい問題ですね。

来場者のクルマウォッチングも楽しみ

クルマのイベントでは来場者のクルマウォッチングも楽しみの一つです。今回も何台も見ましたが、いつまでもそこにいるとは限らないので油断できません。

仕事でいつも子供を泣かしているからここでは子供を笑顔にしたい

汗だくになりながらずっとキッズサービスをしている主催者の梶さんの姿に感銘を受けたのでその原動力について訊いてみました。
「本業が歯科医なので日常的に子供には泣かれているので、こういう場所では笑顔にしてあげようとがんばっています(笑)」
この方は昨年10月に東京・台場で開催された「TOKYO SUPERCAR DAY2020」でもご自身のアヴェンタドールの前でミニカーを配るなどキッズサービスたっぷりでした。今年も東京で開催が計画されている同イベント用に200台のミニカーを準備して楽しみにしているそうです。
(160台もの新旧スーパーカーがお台場に集結!「TOKYO SUPERCAR DAY 2020」リポート:https://carsmeet.jp/2020/12/16/177829/

ところで今回のFESは名古屋在住の歯科医であり“TEAM TOURING”を主宰する梶敬太さんが車両関係を、奈良在住の”人と人、企業と企業をつなぐ”のが本業の西村公作さんが会場や警察関係との折衝を担当して準備を進めてきたそうです。
チャリティや募金活動も大きな目的だったこともあり、会場になったイオンモールも地元の大和郡山警察署も非常に協力的で進めやすかったとのことです。寄付金贈呈の儀も行われました。
活動をサスティナブルにするために、参加車両の改造やドレスアップは適法範囲に制限し、よくある爆音系や電飾キラキラ系のクルマは入れないようにもしていると。オーナーの中には梶さん主催のイベントに参加するためにクルマをノーマル化する人もいるんだそうです。
「乗っている今一時期お預かりしているだけ。いい状態で次のオーナーに渡したい。そうすることでランボルギーニの価値を自分たちが作っているという意識を持っています」
と梶さんは言います。
お二人の言葉にもあったのですが、感謝の気持ちを忘れず人との縁を大切にすることがすべての基本であり、そういう考え方の人の周りには良縁が寄ってくるんだなと思ったインタビューでした。
スーパーカーとパトカーや白バイという、局面によっては追う側と追われる側、いわば敵同士が仲良く並んでいる(と言っても微妙な距離感はありましたが)ことがおもしろかった。

賽銭泥棒に持って行かれないように本部テントに置かれた募金箱には必ず見張り役がいて、その横には、FESの趣旨に賛同して協賛してくれたというDyDoの冷たい飲み物が用意されていました。この日はとてもありがたかった。

久しぶりに子供をたくさん見ましたが。子供が多いイベントはいいイベント。スーパーカーと子供。少年期の自分をふと思い出す、楽しく懐かしい一日でした。
最後に、集まったスーパーカーを紹介しておきます。

●ランボルギーニ
ディアブロ/ムルシエラゴ/アヴェンタドール/アヴェンタドールSV/ウラカン/ウラカン・ペルフォルマンテ/ウラカンEVO RWD スパイダー/ガヤルド・スパイダー
●ポルシェ
991GT3RS/991GT3/991.2カレラS/981ケイマンGT4/981ケイマンS/718ケイマン/987ボクスター/タイカン・ターボS
●フェラーリ
F430/488スパイダー
●マクラーレン
540c/570sスパイダー/600LTスパイダー
●ロータス
エキシージS/エキシージ
●BAC<
MONO
●ジャガー
Fタイプ・ブリティッシュデザイン・エディション/FタイプクーペS
●アウディ
R8
●BMW<
i8
●シボレー
コルベットC8
カマロSS
●アバルト
124スパイダー
●アルファロメオ
4C
●マセラティ
レヴァンテ
●レクサス
LC500

私的ベストランボルギーニ

会場でランボルギーニ大阪の泊さんと西川淳さんが何や話している姿が見えたので盗み聞きついでに泊さんの私的ベストランボルギーニ(ランボルギーニじゃないオーナーの方ごめんなさい)を教えてほしいとお願いしました。
「会場で私が選ぶBEST OF Lamborghiniは添付写真のMurcielagoです。改造されることの多いMurcielagoにおいてオリジナルを保ちかつ、ボディーカラーが派手さではなくジェントルな感じが素敵だった点が選定理由です。今回のMurcielago、ボディーカラーと室内色がエレガントですよね。新車オーダーした方がどんな方なのかすごく興味をそそられます」
とのことでした!
ところでお二人の密談(?) 内容は何だったのでしょうか。年内に関西圏ですてきなイベントでも計画されているのでしょうか?楽しみにしておきます。

(取材・写真・文:大田中秀一)

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