【国内試乗】日産ノートオーラに早くもニスモバージョンが登場!

小野泰治
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2021/08/17 17:30

走りのキャラクターはむしろオトナの味わい

ニスモ・ロードカーの最新作となるオーラ・ニスモは、名前の通りノートのプレミアム版に位置付けられるオーラがベース。ニスモによれば、開発の狙いはニスモのロードカーに共通する「より速く、気持ちよく、安心して走れる車」作りにあったとか。先代にあたるノート・ニスモは、平均でノート全販売台数の7%を占め、シリーズ式ハイブリッドであるeパワー追加後は最大で10%以上に達したという人気モデル。また、ユーザーから高く評価されたポイントはエクステリアデザインと走行性能にあったとなれば、これらを筆頭とした本格的なモディファイが実施されるのは当然の流れだろう。

実際、その外観はオーラより格段にスポーティな装いだ。ベースが電気駆動モデル、ということでフォーミュラE、さらにはデジタルガジェットの要素も採り入れられたというディテールはエクスクルーシブ性の演出にも貢献。また、これら専用アイテムは歴とした「機能パーツ」であることも特長のひとつだ。Cd値はベース車と同じ0.31をキープしつつ、Cl値は0.14低減させた「ネガティブリフト」を達成。操安性の向上に貢献している。そして、外観上のワンポイントにもなっている専用ホイールは、リム幅をベース車の6.5Jから7Jへと拡大。タイヤも、サイズこそ変わらないがスポーツモデル御用達のミシュラン・パイロット・スポーツ4が奢られる。

目に入る部分では、インテリアのオリジナリティが高い点も魅力のひとつ。色使いは随所にレッドのアクセント(シートやトリムのステッチ等)入れたダークトーンで統一。シックな風情のオーラに対して、スポーツテイストが直截的に表現される。また、タコメーターをレッドダイヤルにするという歴代ニスモ・ロードカーの流儀に倣い、画像化されたメーター部分にも専用グラフィックが採用。望めば、ホールド性と日常域の快適性を両立する専用レカロ・シートで車内を一層エクスクルーシブに仕立てることも可能だ(オプション)。

ワークスチューンのコンプリートカーだけに、普段目に入らない部分の作りも本格的。元々、ボディ剛性は最新モデルらしい水準にあるノート/オーラだが、オーラ・ニスモはリア回りを中心に補強。操縦性を高めると同時に、静粛性をはじめとする快適性にも磨きがかけられた。

また、数値上のアウトプットこそベース車と変わらないが、eパワーの制御システムをニスモ独自のセッティングに変更。走りの気持ちよさを実現するべく、通常の電気駆動車ではモーターの特性上実現が難しい「持続する加速感」を演出。走行モード切り替えには「NISMO」モードを設定するとともに、通常のノーマル・モードもベース車よりダイレクトなレスポンスとなるスポーティなチューニングとなる。さらに付け加えるなら、発電用エンジンの存在を意識させないベース車に対し、オーラ・ニスモではエンジン音などをスポーツ・テイストの演出に活用している点も興味深い部分と言えそうだ。

そして、スポーツ性向上の要でもあるシャシー回りも当然ながら専用にリセッティングされている。サスペンションのスプリングレートは、フロントが36%(22→30N/㎜)、リアでは25%(32→40N/㎜)強化され、ショックアブソーバーは日本向けニスモ車では初となるモノチューブ式を採用。優れた減衰力のレスポンスにより、接地性や乗り心地を向上させた。また、バンプラバーがニスモ専用の形状となるだけではなく電動パワーステアリングのアシストマップも変更。さらにはESC(VDC)も限界性能の向上に合わせて最適化されているという。

そんな、専用仕立ての数々がもたらす効能は実際にステアリングを握れば誰にでも理解できる。元々、電気駆動モデルはアクセル操作に対する正確なレスポンスが持ち味のひとつだが、オーラ・ニスモではそれが一層強調。日常域でも右足に即応する反応が確かめられ(決して過敏なわけではない)、アクセルを深く踏み込む領域では発電用エンジンの回転数上昇にともなう音が加速感にリンク。適度にスポーティな風情を盛り上げる。

また、無駄なボディの動きを排する足回りは、同時にしなやかなストローク感を両立。日常域でもスポーツ志向の足回りにありがちなハーシュネスの強さを意識することはなく、むしろ良質な欧州産ハッチに通じるライド感が楽しめる。また、ベース車より重めの手応えとなるステアリングの操舵感も前述した足回りの味付けに見合ったもので、総じて言えばスポーティなだけでなく上質に仕上げられている。

ご存じのように、いまや日本市場におけるベーシックカーの主役は軽自動車のトール(もしくはハイト)ワゴン。レンタカーや営業車といったフリートユースを除けば、コンパクトハッチの需要は縮小傾向にある。そんな中、あえてこのボディ形態を選ぶユーザーにはそれ相応の「選ぶべき理由」が存在するはず。もちろんそれは人によって多様なはずだが、中には指名買いに繋がる独自性への期待もあるだろう。一部例外を除けば、これまでそうした期待に応えてきたのは輸入車勢だったのだが、オーラ・ニスモはまさにそうしたニーズにも対応できる1台と言うことができそうだ。

SPECIFICATION 日産ノート・オーラ・ニスモ
■車両本体価格(税込)=2,869,000円
■全長/全幅/全高=4125/1735/1505mm
■ホイールベース=2580mm
■トレッド(前/後)=1510/1510mm
■車両重量=1270kg
■エンジン型式/種類=HR12DE/直3DOHC 12V
■内径×行程=78.0×83.6mm
■総排気量=1198cc
■圧縮比 =12.0
■最高出力=82pa(60kW)/6000rpm
■最大トルク=103Nm(10.5kg-m)/4800rpm
■燃料タンク容量=36L(レギュラー)
■燃費(JC08/WLTC) =-/23.3km/L
■モーター型式/種類=EM47/交流同期電動機
■モーター最高出力=136ps(100kW)/3183-8500rpm
■モーター最大トルク=300Nm(30.6kg-m)/0-3183rpm
■サスペンション形式=前:ストラット/コイル、後:トーションビーム/コイル
■ブレーキ前/後=Vディスク/ドラム
■タイヤ(ホイール)=前:205/50ZR17(7J)、後:205/50ZR17(7J)
■公式ページ=https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/aura/specifications/nismo.html

フォト=篠原晃一 K.Shinohara

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