新たな発見やトリビアも満載!「オートモビルカウンシル」リポート【詳細編その1】

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会場で見つけたレアなネタをリポート

2021年4月9日(金)~11日(日)の3日間、幕張メッセで開催されたAUTOMOBILE COUNCIL 2021会場で新たに知ったこと、発見したあれこれをご紹介したいと思います。明日誰かに話したくなることがあれば幸いです。

バンパーに重りを仕込んでいたポルシェ911S 2.0 SWB(1968年)

バンパーに重りを仕込んだと聞いてこれと別のことを思いだした方はかなり古めのクルマ好きです。ご存じない方はぜひ調べてみてください。
さて、初期の911のフロントバンパーは一時的に22キロのねずみ鋳鉄で「補強」されていました。なぜスポーツカーにそんなことをしたのか?結論を言えば“操縦安定性改善”のためです。フロントバンパー両端、ターンシグナルランプ下あたりに11キロずつ隠されています。それではなぜそれで操縦安定性が改善されるのか?
これについては“ORIGINALE Teile Typen Technic, News and products from Porsche Classic”という本の01号にそこにいたる経緯が紹介されているので興味がある方は読んでみてください。この本はポルシェクラシックのカタログ本なのですが、パーツにまつわる物語や中の人のエッセイなど読み物として楽しめる内容になっているので愛読しています。現在まで06号発刊されていて、ポルシェ正規ディーラーのサービス部で買うことができます。

マツダ787Bの部分汚れ

1991年、サルト・サーキットに史上初めて君が代を響かせたマツダ787Bにはちょっと汚れた部分があります。給油口から下とスポンサーロゴの“RENOWN”の部分なのですが、なぜこうなっているのか?
それは、給油の際に垂れる燃料から塗装を保護するために貼り付けてある透明のフィルムが経年変化で変色してしまったからだとのことです。いかにも燃料のせいで変色してしまったように見えますが違うんですね。

時々あったドアオープンの時にはマツダの担当者からそんなトリビアも聞けました。

マツダRX-7 254の不自然なステッカー

マツダ車としてル・マン初完走を果たした1982年型RX-7 254は外装のレストアが完成したばかりなのでピカピカでした。囲いがないため至近距離で観察できたのでこの際だからとじっくり見たのですが、若干不自然なところを見つけました。それはレースカーには必ずあるドライバー名の部分です。
3人目のトム・ウォーキンショウ“L”の横棒が不自然なほど短い。1人目のCニコルソンの“L”と比べてもそれは明らかです。なんでか? 単純なスペルミスだったそうです。“L”のはずのその部分が”I”になっていたことにサーキットに入ってから誰かが気づいた。しかし張り直す材料がなかった。苦肉の策として手持ちの材料を使って対策した。ということなんだそうです。あるんですねそんなことが。レストアするにあたってステッカー類もすべて忠実に復元したためこの部分もオリジナルと同じにしたとのことでした。

ヤナセ・クラシック・カー・センター製スマートフォン用スピーカー

なんで?と単純に思ったので訊いてみました。
UMI Premium Inc., というクルーザーの販売やレストアを手がける会社とのコラボレーションで生まれた製品。レストアする時にどうしても出てしまう端材を使って何かできないかというたまたまの出会いでできた製品だそうです。ウレタン塗装で手入れも簡単で充電コードもうまく取り回せる構造になっています。会場だったので真価は確認できませんでしたが、柔らかいいい音が出ているように聞こえました。

じわじわきているプルタミナのオイル

毎回気にしてその動向を確かめずにはいられないインドネシアのプルタミナ社製オイルですが、今年も進展があったようです。正式に決まったわけではないので言えないそうですが、うまくいけば今年大きなことになるかもしれないとのことでした。
ベーシックな鉱物オイルMESRAN SUPERはオールドミニをはじめクラシックモデルに最適で評判もいい。上級のFASTRON GOLD、FASTRON PLATINUMはランボルギーニをはじめ欧州プレミアムブランドの認証を受けているので安心して使えます。
一般に買える場所も増えていくそうですが、東京だとA PIT AUTOBACS SHINONOME店内のPole Position by Motorimoda(ポール ポジション バイ モトーリモーダ)で買って交換もしてもらえるそうです。

ヒストリックカーに合うタイヤがないとお嘆きの貴兄に

その昔はグリップ性能などと同じかそれ以上にパターンデザインが重要で、「あのタイヤはパターンがイマイチやからな」とか「俺はあのパターンが好きや」という声を普通に聞きました。メーカーも性能と格好良さにこだわった開発をしていました。それは今でもあるかもしれませんが昔の方がより強かったように思います。
ヒストリックカーやヤングタイマーのオーナーが気になるのが現代のタイヤとクルマのデザインや性能とのアンマッチです。タイヤは日々真価しますから。適合サイズの製品がなくなってしまったという大きな問題だけでなく、このアンマッチ問題が旧車愛好家を悩ませているという話をよく聞きます。

この問題を解決するべくヨコハマが発売した製品がこのADVAN HF Type D、A-008P、G.T.SPECIALY350、RADIAL 360 STEEL WHITE RIBBONシリーズです。熱心に質問している人を何人も見たので気になる人は多いようです。

ミニカーはバングラデシュ製の時代へ

トミカがベトナムに生産拠点を移して久しいですが、カントリーリスクや人件費の高騰のため中国から移すメーカーが徐々に増えてきており、ヨーロッパ勢はバングラデシュに移転し始めているようです。まずはニューススタンドモデルという、新聞や雑誌を売っているスタンドで売られるローエンド品からのようですが、だからといってできもそれなりということはなく立派なものです。

価格も安めで珍しいモデルがあるこのシリーズにちょっと注目しています。気になっていた写真のモデルはよそ見している間に売れてしまいました。残念。

(取材・写真・文:大田中秀一)

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