「アウディ RS6 アバント vs RS7 スポーツバック」唯一無二の存在といえる、ワゴンとファストバックのトップ・オブ・ハイパフォーマー【2021 Audi RS SPECIAL】

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2021/03/07 12:00

RSファミリーの実質的なフラッグシップを担うRS6/7。優雅な居住性を備えながら、究極のハイパフォーマンスを発揮し、ライバルすら存在しない孤高の存在だ。しかし、だからこそ唯一無二のプレステージ性が、駆る者を魅了して止まないのだ。

スポーツ性と快適性をトップレベルで両立

全体的なシルエットはオーソドックスなのに、その道の達人が見れば飛びきり高級なことがひと目で分かるテーラー仕立てのオーダースーツ……。量販店が取り扱う吊しのスーツとの違いは、凝ったディテールや希少な素材を使っている点にあるのだろう。しかし、高価なことを声高に主張せず、わかる人だけに伝えようとするその控えめなスタンスは、どこかRS6アバントやRS7スポーツバックと通ずるところがある。

Audi RS 6 Avant/アウディRS6 アバント

RSモデルの超扁平タイヤやワイドなブリスターフェンダー、そしてボディの要所要所に用いられたグロスブラックのパーツなどは、多くのエンスージャストにとって垂涎の的。一方、それらの価値を知らない人々がRSモデルの特別な存在感に気づくかといえば、そうとも限らない。この辺の知的で品のいいセンスは、これ見よがしのデザインを争うようにして採り入れるライバルたちには期待できないもの。アウディらしい洗練された表現方法だ。

スタイリングの比較でいえば、端正なワゴンボディからそこはかとない迫力が感じられるRS6アバントにも惹かれるが、ワイドボディが与えられたRS7スポーツバックの野性的な美しさはさらに魅力的。とりわけ、なだらかに下降するテールゲートのラインと、これをしっかりと下支えするリアフェンダーのバランスが絶妙で、「スポーツバックのデザインはRS7がオリジナルでは?」と思わせるほどまとまりがいい。

Audi RS 7 Sportback/アウディRS7 スポーツバック

そんなRS6アバントとRS7スポーツバックで注目されるのが、新型は日本でもエアサスペンションが標準装備になったこと。実は、ドイツ本国では従来よりエアサスペンションが標準装備で、ダンパー同士の油圧経路を接続したDRCはスポーツサスペンションとしてオプション扱いだった。いうまでもなく快適性でいえばエアサスペンションが一枚上手。RSモデル本来の実用性、多用途性を味わうにはエアサスペンションのほうが好ましいと考えていた私にとって、これはなによりの朗報だった。

RS6/7ともに最高出力600ps、最大トルク800Nmを発揮する4L V8ツインターボエンジンを搭載。48Vマイルドハイブリッドやシリンダーオンデマンドシステムも搭載され、燃費性能や効率化も高められている。

ところが日本にやってきた新型に試乗して、私の喜びは2倍にも3倍にも膨れあがった。
というのも、エアサスペンションを装備したRS6アバントが圧倒的な当たりの柔らかさと目を見張るフラット感を発揮したのは期待どおりだったが、オプションのDRCを装備したRS7スポーツバックもこれまでとは比べものにならないほど快適性重視に大きく舵が切られていたのである。この結果、路面からのゴツゴツ感はほぼ伝わらなくなったほか、市街地では伸びやかなストローク感を生み出す乗り心地に変貌したのだ。しかも、オートモードもしくはダイナミックモードを選べば減衰率がグッと高まり、ボディの無駄な動きが抑えられるのは従来どおり。いや、荒れた路面でのロードホールディング性が格段に向上した結果、これまで以上に安定した姿勢でコーナリングできるようになった。思わず「これぞRSモデル!」と叫びたくなるような仕上がりである。

Audi RS 6 Avant/アウディRS6 アバント

V8ツインターボエンジンに48Vマイルドハイブリッドが組み込まれたことも大きなニュース。その効果は、低回転域でスロットルペダルを軽く踏んだ直後の力強いトルクとなって体感できる。一方で、600ps/800Nmの実力は回転数の上昇に伴う果てしないパワーの奔流として発揮される。ちなみに本国で発表されている0→100km/h加速はどちらも3.6秒とスーパースポーツカー並み。これだけのパフォーマンスを扱い易く、そしてジェントルに生み出す点こそ、このV8エンジンの真骨頂である。

Audi RS 7 Sportback/アウディRS7 スポーツバック

それでいてベースモデルとまったく変わりない500L以上の大容量ラゲッジスペースを誇る2台は、プレステージ性の高いハイスピードクルーザーとして幅広く活躍してくれるに違いない。

photo_岡村昌宏 M.Okamura(CROSSOVER) ルボラン2021年3月号別冊付録より転載

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