連載【桃田健史の突撃! キャンパーライフ〜コンちゃんと一緒】第1回「ハイエースキャンパーの準備は着々と……」

全ての画像を見る

自動車ジャーナリスト「桃田健史」氏のキャンピングカーライフをあれこれ紹介していくこのコーナー。第1回は「準備編」です。

キャンパーブームの真っただ中に飛び込む!

突然だが、ハイエースのキャンパー仕様車「アルトピア―ノ・ハイエースキャンパー」を使って全国各地へ旅に出かけることになった。
キャンパー関連のテント、屋外用の椅子や机、モバイルバッテリーや携帯用の太陽光パネルなどグッズを段階的に買え揃え、車中泊したり、キャンプ場に行ったりは当然のこと、リモートワーク用のオフィスとして全国各地で開催される様々な会合にも出張する。

ジェームス神奈川で、ハイエースキャンパー作成の模様。ライトイエロー車が、相棒の「コンちゃん」。

皆さんもご承知の通り、世はまさに空前のキャンパーブームだ。全国各地で開催されるキャンピングカーショーには、コロナ禍でも老若男女が大勢詰めかけている。来場者たちは、ショーにふらっと立ち寄ったというよりは、買う気モードで真剣な品定めや購入交渉をしているシーンを数多く見かける。親子連れでは子どもが車内の大きなベッドに大喜び、またシルバー世代のご夫婦は全国温泉巡りの夢を膨らませたり。ひとそれぞれが、自分らしいライフスタイルを求めて、キャンパーへの興味を高めている。
またコロナ禍となり、家族との繋がりをより強く考えるユーザーが増えているほか、感染予防や豪雨災害など有事での避難所という観点からもキャンパー需要が高まってきた。こうしたブームの中に自ら飛び込んで、いわゆる「ニューノーマル」を実体験しながら、クルマと人の関係をじっくり考えてみようと思う。

さて、キャンパーには様々な種類があることを、すでに知っている方も多いかもしれないが、改めてご紹介しておく。以下、一般社団法人 日本RV協会の資料を参考とする。
まず、最もサイズが大きいのが、アメリカでよく見かける、バスとトラックをベースとした本格的なフルコンバージョン(フルコン)やセミコンバージョン(セミコン)だが、さすがに日本での道路事情やキャンプ場の広さを考えると、日本での普及台数は少ない。キャンパー専用車としては、アメリカではフォードFシリーズなどをベースとした、キャブコンバージョン(キャブコン)があり、日本でもこの領域で完成車メーカーがいて、さらに欧州などからの輸入車も増えてきた。そして、日本での主流はハイエースやNV350キャラバンなど商用バンを改良したバンコンバージョン(バンコン)である。そのほか、N-VANやキャリィを使った軽キャンパーの人気も徐々に上がっている。

こうしたキャンパーブームを、自動車メーカー各社はどう捉えているのか?
正式なモデルラインアップとしては、トヨタの場合、自社のカスタマイズブランドであるモデリスタでコンプリートカーの「mRT(マルチロールトランスポーター)」がある。また、2017年のハイエース50周年記念で内外装をスペシャルペイントした「Relaxbase (リラクベース)」を発売したこともある。
日産は、オーテックと連携してNV350キャラバンで「トランスポーター」、「マルチベット」など様々なモデルを発表し、さらに内外装で特別仕様の「プレミアムGX BLACK GEAR」も登場。専用サイト「車中HACK(車中泊の語呂合わせ)」でインフルエンサーがモニター試乗した模様が紹介されている。
ホンダは、大型商業バンのラインアップがないが、「N-VAN」で商用と乗用の二刀流として、用品メーカーのホンダアクセスが新車開発の段階からホンダ本社と本田技術研究所と連携し、多彩なオプションパーツを開発している。HONDAキャンプなど、多様な趣味に対応した専用ウェブコンテンツも豊富である。
こうした各社のキャンパーモデルは、あくまでもベース車だ。キャンパー専業メーカーが制作する、家具や家電を満載した、まるで動く家のような本格的な仕様ではない。ポップアップルーフなどの加工もしない。
その理由は、新車におけるメーカー保証の範囲での加工や架装にとどめているからだ。一方で、日系メーカー各社の正規ディーラーの中には、ディーラーが車両保証するかたちでキャンパー専用メーカーのモデルを販売する動きもある。

そうした中、筆者の相棒となる「アルトピア―ノ・ ハイエースキャンパー」は、神奈川県内でモビリティ神奈川を展開するKTグループが、トヨタのメーカー保証を維持したかたちで自社開発したキャンパーだ。KTグループでは、2016年から「タウンエース」をベースとしたキャンパーを発売し、神奈川県内のみならず、全国各地のトヨタディーラーを通じて500台を超える販売実績がある。

ハイエースについては、2020年夏から発売を開始し、すでに販売台数は120台を超え、このところ受注はさらに伸びているという。詳しくは、同社のホームページをご参照のほど。キャンパーシリーズ トヨタモビリティ神奈川

筆者が発注したのは、ボディカラーがライトイエローの5ドア車。バンパーは黒ということで、キツネのような雰囲気。愛称は「コンちゃん」である。コンちゃんは、KTグループ傘下の量販店ジェームス相模原(神奈川県相模原市)で製作中で、3月上旬に納車される予定だ。これに合わせて、テントメーカーの小川キャンパル直営店の、GRAND lodge新木場(東京都江東区)でカーサイドタープの2021年最新モデル「カーサイドリビングDX-Ⅱ」も発注済みだ。
この他、コールマン直営店、WILD-1、スポーツオーソリティ大型店などを定常的に巡りながら、車中泊やキャンプ関連グッズの品定めを進めている。
はてさて、コンちゃんと、筆者(桃ちゃん)。これからどんな旅が始まるのか、乞うご期待。

この記事を書いた人

桃田健史

専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。日本自動車ジャーナリスト協会会員。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、自動運転、EV等の車両電動化、情報通信のテレマティクス、そして高齢ドライバー問題や公共交通再編など。

■関連記事

桃田健史
AUTHOR
2021/03/04 12:00

関連記事

愛車の売却、なんとなく下取りにしてませんか?

複数社を比較して、最高値で売却しよう!

車を乗り換える際、今乗っている愛車はどうしていますか? 販売店に言われるがまま下取りに出してしまったらもったいないかも。 1 社だけに査定を依頼せず、複数社に査定してもらい最高値での売却を目 指しましょう。

手間は少なく!売値は高く!楽に最高値で愛車を売却しましょう!

一括査定でよくある最も嫌なものが「何社もの買取店からの一斉営業電話」。 MOTA 車買取は、この営業電話ラッシュをなくした画期的なサービスです。 最大20 社の査定額がネット上でわかるうえに、高値の3 社だけと交渉で きるので、過剰な営業電話はありません!

【無料】 MOTA車買取の査定依頼はこちら >>

注目の記事

「ル・ボランCARSMEET」 公式SNS
フォローして最新情報をゲット!