「タイカン・クロスツーリスモ」はオンラインでのワールドプレミアを3月4日に予定。今夏の欧州発売に向け最終テストプログラムを完了
ポルシェはこのほど、4ドアEVスポーツカー「タイカン」の派生モデルとなる「タイカン・クロスツーリスモ」の今夏の欧州発売向け、最終テストプログラムを完了させたことを明らかにするとともに市販モデルのワールドプレミアを3月4日に予定していることを発表した。
タイカン・クロスツーリスモはリヤセクションを専用設計とすることで、室内スペースを拡大、多用途性を高めているのが特徴だ。四輪駆動システムとエアサスペンションが搭載されるシャシーは地上高の調整が可能。後席乗員のための十分なヘッドルームや高い積載性を実現した点は、サルーンのタイカンにはない特色となっている。
開発テストはこれまで、ニュルブルクリンク北コースやホッケンハイム・グランプリサーキットなどのレーシングトラックのほか、南イタリアのナルド・テストコースやオフロードコースを含む世界中のテストグラウンドで実施。のべ99万8361kmにおよぶテスト走行の距離は、およそ地球の25周分に相当する。
モデルラインを担当するステファン・ウェックバッハ副社長は次のように述べている。
「クロスツーリスモの開発にあたり、私たちはタイカンのスポーツサルーンでの知見を活かすことができました。最大の課題は、スポーティさという要件とオフロード性能を上手に組み合わせる点でした。ヴァイザッハ開発センターの耐久試験場でシミュレーションも行ないましたが、印象的な結果が得られました。クロスツーリスモはハードコアなオフロードモデルではなく、未舗装路での走破性に焦点を当てています。たとえるなら、最大21インチのホイールを装着した一種のスイス・アーミーナイフといったところです」
ポルシェでは、電気自動車に対しても内燃機関を搭載したモデルと同じ厳格なテストプログラムを実施している。すべての気象条件において日常での使いやすさを証明することを含め、すぐれたパフォーマンスを発揮することが試される。電気自動車の場合はさらに、バッテリーの充電や極端な温度下でのドライブコンポーネンツの温度管理など、さらに要求高い条件が課される。当然、ポルシェの開発目標にはレーシングトラックでのパフォーマンスや繰り返しフルスロットル走行を実行できる能力が含まれている。風洞実験では約325時間を費やした、エアロダイナミクス性能も追求された。
このほか、リヤに設置する新設計の自転車キャリアも、悪路やドライビングダイナミクステストによる厳格なテストプログラムを実施。ハンドリングや安全性、安定性に関して、新しいベンチマークを設定しており、クロスツーリスモは安全に自転車を運ぶことが可能だ。