ポルシェ・ミュージアムから歴代モデルが日本に上陸

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タイカンとともに京都でドライブする

2020年最大の話題といっても過言ではないポルシェ・タイカンが日本上陸を果たしたのを記念して、ドイツ・シュツットガルトのポルシェ・ミュージアムからエポックなモデルが来日し、京都を舞台にタイカンとの共演を果たした。

1948年に登場した1号車はスペースフレームのミッドシップ2シーターだったものの、生産性と4シーター+荷室の利便性を優先しRRとなった356。60psの1.6Lフラット4OHVはトルクフルで、シャシーとのバランスも良く楽しい。

今回やってきたのは、ポルシェのルーツというべき1956年式の356A1600クーペ、今に続くアイコンでありスポーツGTの礎を築いた1967年式の911、そして市販ターボカーのパイオニアというべき1989年式の911ターボ・カブリオレの3台である。

モアパワーの声に応え、モノコックシャシー&フラット6 SOHCと大きく進化したものの、テールハッピーなシャシーバランスに苦しんだ初期の911。コーナーでも踏んで安定させるRRならではのヒリヒリとしたハンドリングが魅力的。

このうち356は2018年のラ・フェスタ・ミッレミリアに、911は2013年の50 Years of 911 in Fujiにそれぞれやってきた経歴の持ち主だ。驚くべきは、3台ともにいつでも一発でエンジンが掛かるうえ、現代のクルマにも遜色ない走りを見せてくれたことだ。それはポルシェ・ミュージアムでのレストアや日々のメンテナンスが徹底しているのはもちろん、元々の設計自体が図抜けて素晴らしい証とも言える。

一見、この3台のクラシックとタイカンに何の関連性もないと思われるかしれないが、丸1日接してみて、気がついたことがふたつある。
ひとつは京都・仁和寺の正門前で朝日を浴びて浮かび上がる4モデルのシルエットが、想像以上に似ていたこと。もうひとつは356以来、水平対向エンジン、RRレイアウト、トランスアクスル、AWDなど様々な試行錯誤を重ねてポルシェが追い求めてきた高性能、高効率の4シーター・スポーツGTは、タイカンで初めて実現したのでは? ということだった。

1974年にデビューしたターボカーのパイオニア。285psの3.3Lフラット6 SOHCシングルターボは思いのほかマイルドで、1989年型のみに備わるG50ギアボックスとの相性も抜群。今でも十分に通じる完成度だ。

もしかするとタイカンの完成を一番喜んでいるのは、天国にいるポルシェ博士かもしれない。

https://www.porsche.com/japan/jp/

ルボラン2021年2月号より転載

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