国内メーカーの2020年度の中間決算が出揃う

田畑修
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2020/12/09 07:00

コロナ禍の影響で厳しい結果ながらも明るい兆しも。海外の需要回復が起爆剤に

国内自動車メーカーが新型コロナウイルス流行の影響を受け始めたのは2020年2〜3月頃からで、2019年度の通期決算(2020年3月期決算)にも影響をおよぼしてはいたが、工場の操業停止など本格的な減産を余儀なくされたのは4月以降だった。その時点ではコロナ禍の影響による落ち込みがどの程度になるのか予想もつかなかったが、各社の2019年度決算発表が大幅に遅れたり、2020年度決算の予想が公表されないなど、異例の事態が事の深刻さを物語っていた。
そして激動ともいえる春と夏を過ごし、ここにきて2020年度の中間決算(2020年4月〜9月、第2四半期累計決算)が出揃ったが、予想通りの厳しい数字が並んだのに加え、メーカーごとの明暗が分かれる形になった。2019年度通期では売上高2ケタ減は日産自動車のみだったが、中間決算では乗用車メーカー7社すべてが2ケタ減となり、営業利益は日産、マツダ、三菱自動車が赤字となった一方で、他の4社は6割以上の大幅減ながら黒字を確保。純利益も同じく3社が赤字となり、4社は減収ながら黒字となっている。減収減益の最大の要因は販売台数の減少にほかならないが、円高による為替差損や研究開発費の増大なども含まれる。
もう12年も前だが、2008年のリーマンショック直後の決算でも売上高は全社マイナス、営業利益はトヨタ自動車含む4社が赤字、純利益はホンダ、スズキ、ダイハツ以外は赤字という惨憺たる状況だった。それに比べるとまだマシに見えるが、ウイルス流行による業績悪化と、リーマンショックのような金融危機による業績悪化の、どちらが早く回復するのか、その答えが出るのはもう少し先となりそうだ。
一方でウイズ・コロナの対策が進みつつあることで、先行きに明るい兆しも見えてきている。感染対策を徹底すれば生産維持も可能となったことで、2020年度通期決算(2020年4月〜2021年3月)の業績予想を上方修正するメーカーも出てきた。トヨタ、ホンダ、スバルの3社は2020年8月の第1四半期決算時に示した予想に対して売上高や利益が増えるとしており、もちろん前年同期比マイナスからまだ抜けきれるわけではないが、マイナス幅は縮小できると予想。とくにトヨタはリーマンショック後の2009年より台数回復は早いと読んでいる。その背景にはいち早くウイルスを抑え込んだ中国市場の回復があり、米国もコロナ禍の真っ只中ながらも春〜夏の買い控えからの反動で販売台数が回復しつつある。スズキもインド市場の回復が予想より早く、コロナ禍が収まっていない国でも四輪車需要が高まっていることを示している。
日本国内も前年比マイナスは続いているものの、消費税増税が施行された2019年10月より販売台数が増えるなど、需要は戻りつつある。米国のバイデン新大統領の就任に向けた日米の株価上昇も好材料となり、年末に向けて国内販売も回復基調となるのか、予断は許さないものの明るい兆しは見えてきている。
自動車産業が日本の経済と雇用を支える基幹産業であることは変わりなく、その回復は誰もが望むところ。2021年2月に公表されるであろう第3四半期決算、それに続く2020年度決算でさらなる業績回復が示されることを期待しよう。

ルボラン2021年1月号より転載

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