【2020-2021 スタッドレスタイヤ特集】「ダンロップ・ウインターマックス03」氷上性能に絶対の自信を持つ最新スタッドレス

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ダンロップからスタッドレスタイヤ「ウインターマックス03」が登場。同スタッドレスは冬季の路面が見せるさまざまな状況を研究し、同社の最先端技術を駆使して開発されたモデルだという。

氷上で高いグリップ力が魅力のプレミアムスタッドレス

ダンロップから新型スタッドレスタイヤウインターマックス0303(以下03)が発売された。従来からあったウインターマックス0302(以下02)の後継モデルではなく、新型のプレミアムスタッドレスタイヤという位置付け。02もバランス(≒スタンダード)スタッドレスタイヤとして併売される。

氷上でのブレーキ性能は、従来モデルより22%も向上。今回はスケートリンクで氷上性能を比較したが、ウインターマックス02との性能差は明確だった。03の氷の性能はリアルワールドでもかなり期待できる。

氷雪上でのグリップ性能、ドライ路面、ウエット路面などすべてのコンディションでバランスのいい性能を持った02に対して、より氷雪上性能を高めた氷上特化型スタッドレスタイが03の位置付けとなっている。03の特徴は氷上性能を従来よりも1ランク以上高めているところ。02に比べて氷上ブレーキ性能で22%、氷上コーナリング性能で11%高められている。この性能を作り出しているのが、タイヤが氷の路面に密着するまでの時間に着目した新アプローチだ。

これを実現するためのキー技術となっているのが「ナノ凹凸ゴム」だ。コンパウンドの中に「MAXXグリップトリガー」という水溶性の粒子を配合することで、タイヤが摩耗するとMAXXグリップトリガーが現れ、トレッド表面が常に凹凸になるように作られているのだ。

凹凸の先端がいち早く氷の路面にコンタクトし、ここが起点となって除水を開始。効率よく撥水する(水を弾く)ことで除水スピードを高めているのだ。従来はフラットなトレッド面が転動しながら水を弾いていたのだが、トレッド面に凹凸をつけることで、より素早くコンパウンドが氷の路面にコンタクトできるようになったのだという。

撥水コンパウンドを採用するダンロップならではの効率の良い撥水メカニズムを開発したことで、大幅な氷上性能アップが可能となったのだ。

DUNLOP WINTER MAXX 03

DUNLOP WINTER MAXX 03/表面に凹凸構造を採用した「ナノ凹凸ゴム」が除水時間の短縮と密着が性能向上に寄与。13~20インチまで全98サイズをラインナップ。左右非対称のトレッドパターンは、接地性と静粛性も向上している。

トレッドデザインもストレートグルーブと太い横溝を組み合わせたすっきりとしたデザインとなっている。特徴的なのは、ブロックに刻まれるサイプの角度をブロックごとに変えることで、タイヤの様々な方向にエッジ効果が出せるようになっている点。

また、タイヤプロファイル(≒タイヤの断面形状)は凸型で、接地長を長く取れるデザインとなっている。縦長接地面形状にすることで設置時間を長くとることができ、ナノ凹凸ゴムの路面への密着時間をより長くすることができ、グリップ性能アップの大きな要因となっている。

試乗会はアイススケートリンクで行われた。そのためダイナミックな性能を見ることができなかったのが残念だった。しかし氷上性能は、むしろアイススケートリンクを使ったことでより明瞭にその性能を見ることができた。スケートリンクは氷温を0度近くまで上げ、薄い水幕どころか、氷の路面にうっすらと水幕が張り、歩行が困難なほど滑りやすくなっていた。

02を走らせると、発進時のグリップの引っ掛かり感が乏しく、いつの間にかタイヤがホイールスピンしているような状態。カーブを曲がっても手応えがほとんどなく、気が付くとクルマがアウト側に膨らんでいってしまうといった状況。こんなに滑る路面で果たして差が出るのか? と思えたほど。
ところが03装着車に乗り換えてみると、水膜の量が少なくなったのか? と思えるくらいの違いがあった。03を走らせてみると、トラクションがかかる感じがちゃんと伝わってくるし、滑り出す手前のコントロールもやりやすい。カーブでも手元にグリップ感が感じ取られるので、それを頼りに案外安心してカーブを曲がることができた。

氷上に限って言えば02と03の差は歴然だった。確認していたいので断言はできないが、ドライ操縦安定性は02レベルを確保しているし、耐摩耗性も02と同等レベルだという。氷上での感触からするとコンパウンドは03のほうが若干柔らかな感触があったが、操安に大きな影響を与えるほどではないと思う。それよりも数段レベルアップした氷上グリップはかなり魅力的だ。

お問い合わせ
住友ゴム工業 0120-39-2788 tyre.dunlop.co.jp/

フォト=宮門秀行photo/H.Miyakado

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