アルピーヌ・ジャポンは11月5日、アルピーヌA110のカスタマイズプログラムである、『アトリエアルピーヌ』の日本導入を発表。都内でメディア向けの撮影会およびフランス本国と繋いだオンライン会見を実施した。プログラム自体の内容はこちらで既報だが、
https://carsmeet.jp/2020/11/05/173547/
簡単におさらいすると、ヘリテージカラーと呼ばれる過去アルピーヌに採用されたことがある29色のボディカラー、3種類&3色のホイール、4色のブレーキキャリパーを自由に組み合わせてオーダーできるというものだ。
2015年のル・マン24時間耐久レース会場でのプロトタイプ発表に始まり、2017年3月のA110という往年の車名を受け継いだジュネーブ・ショーでの市販型デビュー、2018年6月の日本市場デビューと、順調なステップを踏んできたA110。当初は中核となる『A110ピュア』と若干ラグジュアリーな『A110リネージ』の2モデルを用意し、2019年には40psアップさせ、それに合わせてセッティングを最適化した『A110S』を追加。上級モデルというよりは”仕様違い”といった印象で、その”3仕様”をそれぞれ自分の好みに近づけることができるのが、今回のプログラムと言えよう。
会見ではフランス側からマーケティング担当、色や素材担当のデザイナー女史、広報担当に加え、何と2019年9月6日付けでアルピーヌのトップに就任した、マネージングディレクターのパトリック・マリノフ氏も登場。随分と力が入っていると思いきや、日本は全国14ヵ所というディーラーの拠点数、そして約600台という販売数がいずれもフランスに続き世界第2位だというのだ。会見では日本市場の重要性を繰り返していたが、数字を聞けばそれも納得である。
マリノフ氏は会見で、A110はSのような”スポーティネス”、アトリエアルピーヌと同時期にフランス本国で発表となった限定車、A110GTのような”リファインメント”、そしてアトリエアルピーヌのような”カスタマイゼーション”という3つの進化の方向性があると説明。完全受注生産となるアトリエアルピーヌは、日本のオーナーの需要にフィットすると自信を見せた。
また導入の理由について尋ねると、カスタマーのニーズがあったことも事実だが、様々な色が用意されていたのはアルピーヌA110のDNAであり、またそれに応えることができるディエップ工場のフレキシブさも強調。そういった特別なA110を作ることは、アルピーヌの使命でもあると語ってくれた。
なおこのアトリエアルピーヌの29色は塗料の関係で各110台ずつの限定となり、またそれぞれが職人の手塗り(!)となることもあり、オーダーから納車まで約8ヵ月を要する予定。しかし幸いにもA110の魅力をこれまで十二分に体験してきた筆者は、それだけ待つだけの価値は十二分にあり、と思うのであった。
なお蛇足ながら筆者が編集を担当した『スクランブル・アーカイブ アルピーヌ2』では、マリノフ氏インタビューやアトリエアルピーヌの詳しい解説も掲載しているので、ぜひともそちらを参照頂きたい。
http://www.car-mag.jp/scramblearchive/
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